抗菌薬起因性出血性腸炎(病型と内視鏡所見)
a:Ⅰ型(びまん出血型)、b:Ⅱ型(縦走潰瘍型)、c:Ⅲ型(アフタ型)、d:Ⅳ型(非特異型)
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
NSAIDs腸炎の内視鏡所見(終末回腸)
67歳、男性、関節リウマチにてジクロフェナク(diclofenac)坐薬を使用中に下血にて発症。終末回腸に多発する不整形小潰瘍。
出典
1:
林 繁和, 篠辺泉, 神部隆吉ほか:消炎鎮痛坐薬および金製剤による薬剤性腸炎を来した1例.Gastroenterol Endosc 1998; 40:195-199.
金製剤による腸炎
73歳男性、関節リウマチで金製剤(gold sodium thiomalate)を投与中、下痢、発熱にて発症
a:小偽膜(直腸)
b:斑状のアフタ様病変(S状結腸)
出典
1:
林繁和, 篠辺泉, 神部隆吉、他:消炎鎮痛坐薬および金製剤による薬剤性腸炎を来した1例.Gastroenterol Endosc 1998; 40:195-199.
抗菌薬起因性腸炎の症状
偽膜型では下痢、発熱が多く、非偽膜型の特に典型例のⅠ型では、血便、下痢は全例にみられ、腹痛も高率である。
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
抗菌薬起因性腸炎の原因疾患
偽膜型では手術後が最も多く、次いで肺炎、外傷・骨折、尿路感染症、非偽膜型では典型例のⅠ型では感冒が圧倒的に多い。
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
起因抗菌薬の種類
非偽膜型のⅠ型ではペニシリン系が圧倒的に多く、偽膜型やその他の非偽膜型ではセフェム系が多く、次いでペニシリン系である。
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
抗菌薬の投与経路
偽膜型は注射が多く、Ⅰ型は内服がほとんどである。
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
抗菌薬の投与日数
偽膜型は6日以上が多く、Ⅰ型は10日以内がほとんどで数日の例もみられる。
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
抗菌薬起因性腸炎の罹患部位
偽膜型は下部大腸が多く、Ⅰ型は横行結腸を含め、深部大腸に多い。
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
偽膜性腸炎の内視鏡所見
a:黄白色半球状に隆起した偽膜、b:融合した偽膜、c:膜状偽膜、d:びまん性偽膜、e:薄膜型偽膜
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
黄色ブドウ球菌による偽膜性腸炎
61歳,女性
Clostridioides difficile
toxin(-)、便培養MRSA(+)
a:大腸内視鏡所見
b:生検組織所見
出典
1:
林 繁和、加納潤一、篠辺 泉ほか:初発、再発時とも黄色ブドウ球菌を検出した偽膜性大腸炎の1例. Gastroenterol Endosc1994;36:2470-2473.
薬剤性腸炎の鑑別診断
薬剤性腸炎のうち主な4疾患の鑑別診断を示す。
出典
1:
著者提供
抗菌薬起因性出血性腸炎、偽膜性腸炎
a:抗菌薬起因性出血性腸炎。4病型のうち最も頻度の高いⅠ型(びまん出血型)の大腸内視鏡像。
b:偽膜性腸炎。黄白色半球状に隆起した偽膜の内視鏡所見
出典
1:
林 繁和、神部隆吉、家田秀明ほか:抗生物質起因性腸炎の臨床像と鑑別診断.胃と腸 2000;35:1125-1134.
細胞傷害性抗腫瘍薬による腸炎
最も重篤なタイプである壊死性腸炎の内視鏡像
出典
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著者提供
細胞傷害性抗腫瘍薬による腸炎
a:発症当日
b:第13病日
c:第29病日
出典
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著者提供
薬剤性腸炎病態メカニズム
出典
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林繁和:薬剤性腸炎(偽膜性腸炎と出血性腸炎)、専門医のための消化器病学(小俣政男、千葉勉監)、医学書院 2005に改変
薬剤性腸炎診断・治療の流れ
出典
1:
林繁和:薬剤性腸炎(偽膜性腸炎と出血性腸炎)、専門医のための消化器病学(小俣政男、千葉勉監)、医学書院 2005に改変