慢性膵炎臨床診断基準2019
特徴的な画像所見または組織所見が得られれば診断は確定する。
出典
1:
日本膵臓学会編:慢性膵炎臨床診断基準2019. 膵臓 2019;34:279-281. p279,280
慢性膵炎の特徴的画像所見
確診所見がある場合、または準確診所見のみの場合でも臨床診断基準(表[ID0601])③④⑤のうち2項目以上陽性の場合には、慢性膵炎確診の診断となる。
出典
1:
日本膵臓学会編:慢性膵炎臨床診断基準2019. 膵臓 2019;34:279-281. p280
早期慢性膵炎の画像所見
出典
1:
日本膵臓学会編:慢性膵炎臨床診断基準2019. 膵臓 2019;34:279-281. p280
慢性膵炎の病期
慢性膵炎の臨床経過は膵内外分泌機能障害の程度により4つの病期に分けられる。腹痛発作に悩まされる潜在期~代償期、腹痛発作は減少し、膵外内分泌機能不全による膵外分泌機能不全と膵性糖尿病が主症状となる非代償期、その間の移行期である。病期は原則として非可逆的である。
出典
1:
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専門医への紹介
種々の場面で専門医への紹介が必要となる。
断酒指導
コントロール不良の膵性糖尿病
急性増悪重症化の場合
主膵管内膵石
膵仮性嚢胞
胆道狭窄に対する内視鏡的治療
疼痛コントロール不良の症例
出典
1:
正宗 淳、下瀬川徹. 急性増悪への対応は?専門医にいつ紹介するか? Medicina 2009;46(3):430.
慢性膵炎患者の腹部単純X線写真
膵臓全体に膵石(矢印)を認める。
出典
1:
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慢性膵炎のCT像
膵臓全体に膵石(矢印)を認める。
出典
1:
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慢性膵炎のMRCP像
主膵管、分枝膵管の拡張(矢印)、嚢胞(矢頭)を認める。
出典
1:
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早期慢性膵炎のEUS像
線維化を反映した“すじ”(hyperechoic fociやstrands: 矢印)を認める。
出典
1:
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慢性膵炎の組織像
高度な膵線維化を認める。
出典
1:
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慢性膵炎診断の手順
出典
1:
正宗 淳ほか:「慢性膵炎臨床診断基準2019」の背景と概要. 膵臓 34:282-292, 2019. p286, Fig.2
慢性膵炎診療ガイドライン フローチャート2:治療
出典
1:
日本消化器病学会(編):慢性膵炎診療ガイドライン2021(改訂第3版)、xvii、2021、南江堂 より許諾を得て転載.
病態に応じた診療アルゴリズム
慢性膵炎治療の基本は、疼痛コントロール、急性増悪の防止・治療と合併症対策となる。
出典
1:
正宗 淳、下瀬川徹. 急性増悪への対応は?専門医にいつ紹介するか? Medicina 2009;46(3):430.
膵石治療のフローチャート
①十二指腸狭窄、高度胆管狭窄、膵癌など。
②分枝内結石でも主膵管内結石に伴うものはESWLの適応としても良い。
③充満結石や膵尾部のみに結石が存在し、内視鏡を用いても排石不良が推測できるものは外科治療の対象となる。
④十二指腸乳頭部狭窄や主膵管狭窄を有する場合には、拡張術などの内視鏡的治療を併用して排石を促進する。
出典
1:
厚生労働省難治性膵疾患調査研究班・日本膵臓学会: 膵石症の内視鏡治療ガイドライン2014. 膵臓 29:123-148, 2014.(改変あり)