老人性色素斑(小斑型)
病歴
:60歳代女性、数年前より顔面に小色素斑が出現、徐々に色調が濃くなってきたため来院。
診察
:
両頬を中心に褐色の円形の色素斑が散在してみられる。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
: Q-スイッチルビーレーザーを照射。
転帰
: レーザー照射部の色素斑は消えた。
出典
1:
船坂陽子:しみ(色素沈着症)、太田母斑. 宮地良樹、長沼雅子編. 化粧品・外用薬研究者のための皮膚科学: 文光堂,2005;155-159.
老人性色素斑(大斑型)
病歴
:30歳代女性、数年前より左頬に色素斑が出現。徐々に色調が濃くなり大きくなってきたため来院。
診察
:左頬に褐色の円形の色素斑がみられる(a)。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
: Q-スイッチルビーレーザーを照射。
転帰
: レーザー照射部の色素斑は消えた(b)。
出典
1:
船坂陽子:老人性色素班. 皮膚科の臨床 51;金原出版, 2009,1495-1500.
雀卵斑
病歴
:40歳代女性、幼少時より顔面に小色素斑が出現、夏になると色調が濃くなるとの訴えで来院。
診察
:
両頬、鼻背を中心に褐色の小円形の色素斑が散在してみられる(a)。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
:intense pulsed light(IPL)を照射。
転帰
: IPLの4回照射にて色素斑は薄くなった(b)。
出典
1:
船坂陽子:しみ(色素沈着症)、太田母斑. 宮地良樹、長沼雅子編. 化粧品・外用薬研究者のための皮膚科学: 文光堂,2005;155-159.
肝斑
病歴
:30歳代女性、数年前より両頬に色素斑が出現。徐々に色調が濃くなってきたため来院。
診察
:両頬、前額、口囲に色素斑がみられる。眼囲は避けている。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
:ケミカルピーリングおよび5%ハイドロキノン軟膏を外用。遮光の指導。
転帰
:色素斑は薄くなった。
出典
1:
船坂陽子:ケミカルピーリング、疾患別治療プログラム、しみ.松永佳世子ほか編. ケミカルピーリングとコラーゲン注入のすべて―美容皮膚科最前線 皮膚科診療プラクティス11巻: 文光堂,2001;112-121.
対称性真皮メラノサイトーシス
病歴
:20歳代女性、10年前より両頬部に色素斑が生じ来院。幼少時より軽いアトピー性皮膚炎に罹患している。
診察
:
両頬に対称性に直径数mmの境界明瞭な紫褐色、ないし灰褐色の色素斑が集簇してみられる。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
: Q-スイッチルビーレーザーを照射。
転帰
: レーザー2回照射、6カ月後に色素斑は消失した。
出典
1:
船坂陽子:ケミカルピーリング、疾患別治療プログラム、しみ.松永佳世子ほか編. ケミカルピーリングとコラーゲン注入のすべて―美容皮膚科最前線 皮膚科診療プラクティス11巻: 文光堂,2001;112-121.
太田母斑
病歴
:20歳代男性、中学生頃より左顔面に青黒色の色素斑が出現。治療を希望して来院。
診察
:左三叉神経第1,2枝領域に点状および斑状の青色斑。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
:Q-スイッチルビーレーザーを照射。
転帰
:3カ月ごとの10回照射にて色素斑はほぼ消失。
出典
1:
Funasaka Y.: Disorder of pigmentation. Krieg T., Bickers D., Miyauchi Y., Therapy of Skin Diseases. Springer Verlag GmbH, Heiderberg, 2009; 525-537.
炎症後色素沈着
病歴
:60歳代女性、8カ月前に転倒して右頬に擦過傷を負い、色素沈着が改善しないため来院。
診察
:
右頬に網目状に紫褐色の色素沈着を認める。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
: 5%ハイドロキノン軟膏を外用。
転帰
: 8週後にほぼ消失。
出典
1:
船坂陽子:手技の実際(美白剤).宮地良樹, 古江増隆, 松永佳代子編. 皮膚科医がはじめるCosmetic Dermatology. 南江堂,2003;176-183.
扁平母斑
病歴
:2歳女児、生下時より左頬に不整形の境界明瞭な褐色斑があり、治療を希望して来院。
診察
:
左頬に不整形境界明瞭な褐色斑がみられる。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
: 5%ハイドロキノン軟膏を外用。
転帰
: 16週後には色調は薄くなりほとんど目立たなくなった。
出典
1:
船坂陽子:手技の実際(美白剤).宮地良樹, 古江増隆, 松永佳代子編. 皮膚科医がはじめるCosmetic Dermatology. 南江堂,2003;176-183.
悪性黒子
病歴
:70歳代女性、数年前より左口角外側に黒褐色の色素斑が出現。徐々に大きくなり、かつ色調もまだらに黒くなってきた。しみと思い、レーザー治療を希望して来院。
診察
:左口角外側に非対称性、褐色調と黒色調の混じる不整形の色素斑がみられる。
診断のためのテストとその結果
: ダーモスコピーでatypical pseudonetworkがみられた。
治療
: 全摘出術を施行。黒色腫細胞は表皮内のみに認めた。
転帰
: 術後10年経過にて再発、転移は認めず。
出典
1:
船坂陽子:老人性色素班.鈴木啓之,神崎保編.皮膚科診療カラーアトラス大系 3色調異常/水疱性疾患・膿疱性;講談社,2009;55.
脂漏性角化症
病歴
:70歳代男性、数年前より右こめかみに褐色のざらざらと盛り上がった皮疹に気づき、治療を希望して来院。
診察
:
右こめかみに盛り上がった褐色の皮疹を散在性に複数認める(a)。
診断のためのテストとその結果
: 診察所見、病歴から診断。
治療
: 炭酸ガスレーザーを照射。
転帰
: 皮疹は消失した(b)。
出典
1:
船坂陽子:老人性色素班(含:脂漏性角化症).皮膚科の臨床 47(増);金原出版, 2005,1505-1511.
日光角化症
病歴
:70歳代女性、数年前より右外眼角外側に紅色の少しざらついた皮疹に気づき、来院。
診察
:右外眼角外側に鱗屑と一部痂皮を伴う紅色の皮疹を認める。
診断のためのテストとその結果
:ダーモスコピーでstrawberry patternがみられた。
治療
:イミキモド外用。
転帰
:皮疹は消失した。
出典
1:
著者提供
顔面の色素斑の診断アルゴリズム
出典
1:
著者提供