小児に発症した毛孔性紅色粃糠疹は、ときに先天性の掌蹠角化症と非常によく似た臨床症状をとり、特に頻度の低いGreither型やMeleda型の掌蹠角化症は、好発部位や発症年齢また病理組織像においても類似点が多いため慎重な鑑別を必要とすることがある。
病歴:10歳代女児、幼稚園児の頃に手掌・足底より潮紅や過角化が出現した。
診察:潮紅を伴う角化局面は掌蹠の皮膚を越え、前腕、下腿や肘、膝、後頚部へと広がった。
診断のためのテストとその結果:皮膚生検で毛孔性紅色粃糠疹に特有のチェッカーボード型の過角化を確認した。
治療:シクロスポリンの内服で、大きく軽快した。
転帰:軽快後はシクロスポリンの減量が可能であった。
写真:初診時の足底(a)、手掌(b)