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後天性白斑・白皮症の病型分類

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1: 日本皮膚科学会編:日本皮膚科学会ガイドライン 尋常性白斑診療ガイドライン、日皮会誌、2012:122(7)、1725-1740、p1727、図2.

尋常性白斑(全身型):全身に散在する脱色素斑

ケースの説明
病 歴:30歳代男性、急激に進行する脱色素斑を主訴に受診。
診 察:四肢と下腹部に広範囲の完全脱色素斑を左右対称性に認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。採血検査でCBC、一般生化学、抗核抗体、甲状腺機能検査はすべて正常範囲内であった。
治 療:ステロイド外用薬で治療を開始したが、色素新生がみられないため、活性型ビタミンD3外用薬とナローバンドUVBの紫外線治療を併用した。
転 帰:3カ月程度の紫外線療法で島状の色素新生をみた。
コメント:尋常性白斑は難治性のことが多い。近年は紫外線療法の選択肢が増えてきたため、色素新生をみることが多い。
a:初診時
b:ナローバンドUVB治療を60回行った後の臨床像。多数の毛包一致性の色素新生を認める。
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尋常性白斑(分節型):右顔面の脱色素斑

ケースの説明
病 歴:10歳代男性、数カ月で進行する右顔面の脱色素斑を主訴に受診(a)。
診 察:右三叉神経第1、2枝領域に一致して完全脱色素斑を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。採血検査でCBC、一般生化学、抗核抗体、甲状腺機能検査はすべて正常範囲内であった。
治 療:ステロイド外用薬で治療を開始したが、色素新生がみられないため、活性型ビタミンD3外用薬の治療を開始した。
転 帰:分節型の尋常性白斑は保存的加療に反応しないことが多いため、外科的加療を検討している。
コメント:分節型は小児に生じることが多いため、紫外線治療の適応にならない。治療への反応性も悪いため、外科的治療を検討する。
bは別の分節型の症例。左胸部にのみ完全脱色素斑を認める。
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Sutton母斑:母斑周囲に生じた脱色素斑

ケースの説明
病 歴:30歳代女性、生下時より存在した「ほくろ」が黒くなり、周囲に脱色素斑を生じたため受診。
診 察:右頬部の色素性母斑の周囲に一致して完全脱色素斑を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。病理検査で中央部の腫瘍は色素性母斑と確定診断した。
治 療:ステロイド外用薬で治療を開始した。
転 帰:数カ月で色素新生がみられた。
コメント:中央部の色素性母斑細胞に対する自己免疫反応で生じるため、色素性母斑のみ切除して経過をみてもよい。
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悪性黒色腫に伴う白斑:悪性黒色腫治療中に生じた脱色素斑

病 歴:60歳代女性、悪性黒色腫が全身に転移した。経過中に全身に脱色素斑を生じた。
診 察:体幹、四肢に散在性に大小不同の類円形の完全脱色素斑を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。
治 療:ステロイド外用薬で治療を開始した。
転 帰:白斑の数はゆっくりと増加傾向である。
コメント:悪性黒色腫の治療が優先される。自己の有する抗腫瘍免疫の現れであると解釈できるが、白斑を生じた患者が必ずしも予後良好とは限らない。
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Vogt-・小柳・原田病に伴う白斑:頭痛、視力障害を伴う白斑

病 歴:50歳代女性、ぶどう膜炎で眼科で加療中に顔面に脱色素斑を生じた(a)。
診 察:両頬部に地図状の完全脱色素斑を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。眼科でぶどう膜炎の所見を認める。
治 療:ステロイドの全身投与で治療を開始したところ、ぶどう膜炎は鎮静化した。
転 帰:白斑の範囲はゆっくりと減少傾向にある。
コメント:ぶどう膜炎の治療が優先される。メラノサイトに対する自己免疫反応が眼球と皮膚に現れたと考えられている。
bは額の白斑と白髪(別症例)。急激に白髪になることも知られている。
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外陰部Paget病:外陰部脱色素斑の見逃しやすい皮膚悪性腫瘍

病 歴:70歳代男性、家人に陰嚢部の脱色素斑を指摘された。
診 察:陰嚢に境界不明瞭な脱色素斑を認める。
診断のためのテストとその結果:皮膚生検で表皮内にPaget細胞を認める。
治 療:外科的切除を行った。
転 帰:リンパ節転移や遠隔転移を認めず、5年間再発なく経過した。
コメント:外陰部の脱色素斑を見たら、Paget病を見逃さないよう留意する。
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甲状腺機能亢進症を合併した白斑:合併症を伴う白斑

病 歴:20歳代男性、両側上下肢の脱色素斑で皮膚科を受診。
診 察:両側上下肢に境界明瞭な完全脱色素斑を認める。
診断のためのテストとその結果:発汗、頻脈を認め、甲状腺の触診で甲状腺腫大を認めた。血液検査で甲状腺ホルモンの異常高値が見つかった。
治 療:内分泌代謝内科にコンサルトした。
転 帰:甲状腺機能の正常化の後も白斑が持続したため、ステロイド外用を行っている。
コメント:尋常性白斑は、ときに他の自己免疫性疾患を合併するので留意する。
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Sjogren(シェーグレン)症候群に伴う白斑:遠心性環状紅斑に伴う白斑

病 歴:50歳代女性、背部に痒みのある環状紅斑を主訴に皮膚科を受診。
診 察:背部に境界明瞭な環状紅斑を認め、中央部が脱色素斑になっている。
診断のためのテストとその結果:病歴と皮膚症状からSjogren症候群に伴う白斑と診断。
治 療:ステロイド外用に反応しないため、ナローバンドUVB治療を開始した。
転 帰:紫外線治療により紅斑は改善し、白斑部には色素新生をみた。
コメント:Sjogren症候群は紫外線過敏を伴うことがあるので、紫外線療法を行う際は治療による副作用がないか留意する。
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熱傷後脱色素斑:炎症後の脱色素斑

病 歴:8歳男性、左頬部の熱傷後に生じた白斑を主訴に皮膚科を受診。
診 察:左頬部に境界明瞭な環状色素沈着を認め、中央部が脱色素斑になっている。
診断のためのテストとその結果:病歴と皮膚症状から炎症後脱色素斑と診断。
治 療:遮光して経過観察した。
転 帰:数カ月で改善した。
コメント:炎症後脱色素斑には、炎症後を想起させる色素沈着やエピソードがあるはずなので、慎重に問診する。
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炎症後脱色素斑:癜風の脱色素斑

病 歴:20歳代男性、胸部腹部の白斑を主訴に皮膚科を受診。
診 察:胸部腹部に境界不明瞭な脱色素斑を認める。
診断のためのテストとその結果:真菌顕微鏡検査で癜風菌を認め癜風と診断。
治 療:抗真菌薬外用で加療した。
転 帰:数カ月で真菌は陰性化したが、脱色素斑は残存している。
コメント:癜風は真菌顕微鏡検査で確定診断できる。脱色素斑を擦ると細かい鱗屑が出ることが特徴。その鱗屑を検査する。
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眼皮膚白皮症:典型例

病 歴:0歳男性、生下時から全身の白斑を認め皮膚科を受診。
診 察:全身が白斑となっており、虹彩は青く見える。
診断のためのテストとその結果:遺伝子検査で眼皮膚白皮症1型と診断。
治 療:有効な治療法はない。
転 帰:生涯変化しない。
コメント:紫外線に対する防御がないため、紫外線発癌のリスクが高い。遮光指導を行う。
常染色体劣性遺伝病。
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まだら症:典型例 white forelock

病 歴:3歳男性、生下時から額の中央部に白髪と白斑を認める(a)。
診 察:両膝周囲に境界明瞭な脱色素斑を認める。白斑の内部に島状の色素を認める(b)。
診断のためのテストとその結果:遺伝子検査でまだら症と診断。
治 療:有効な治療法はない。
転 帰:生涯変化しない。
コメント:紫外線に対する防御がないため、紫外線発癌のリスクが高い。遮光指導を行う。常染色体優性遺伝病。
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硬化性萎縮性苔癬

病 歴:60歳女性、数年前から外陰部に痒みのある白斑を認める。
診 察:両側大陰唇に境界明瞭な脱色素斑を認める。
診断のためのテストとその結果:皮膚病理検査で液状変成と真皮上層の硝子化を認める。
治 療:ステロイド外用
転 帰:生涯変化しない。
コメント:有棘細胞癌の発生母地となるため定期的な経過フォローが必要である。
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ロドデノール関連脱色素斑

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尋常性白斑(全身型)の典型的臨床症例

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尋常性白斑(全身型)の典型的臨床症例

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尋常性白斑(分節型)の典型的臨床写真

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先天性白斑・白皮症の病型分類

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1: 日本皮膚科学会編:日本皮膚科学会ガイドライン 尋常性白斑診療ガイドライン、日皮会誌、2012:122(7)、1725-1740、p1727、図1.

後天性白斑・白皮症の病型分類

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1: 日本皮膚科学会編:日本皮膚科学会ガイドライン 尋常性白斑診療ガイドライン、日皮会誌、2012:122(7)、1725-1740、p1727、図2.

尋常性白斑(全身型):全身に散在する脱色素斑

ケースの説明
病 歴:30歳代男性、急激に進行する脱色素斑を主訴に受診。
診 察:四肢と下腹部に広範囲の完全脱色素斑を左右対称性に認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。採血検査でCBC、一般生化学、抗核抗体、甲状腺機能検査はすべて正常範囲内であった。
治 療:ステロイド外用薬で治療を開始したが、色素新生がみられないため、活性型ビタミンD3外用薬とナローバンドUVBの紫外線治療を併用した。
転 帰:3カ月程度の紫外線療法で島状の色素新生をみた。
コメント:尋常性白斑は難治性のことが多い。近年は紫外線療法の選択肢が増えてきたため、色素新生をみることが多い。
a:初診時
b:ナローバンドUVB治療を60回行った後の臨床像。多数の毛包一致性の色素新生を認める。
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