病歴:10歳代女児、3日前より外陰部、肛囲、口腔粘膜に潰瘍が多発し、疼痛を伴う(a:外陰部の潰瘍、b:右頬粘膜潰瘍)。下腿に有痛性の硬結を触れる紅斑があり、膝、肘関節痛を伴う。
診察:外陰部、肛囲、頬粘膜に直径3~6 mmの潰瘍が多発する。両下腿に直径10~15mmの有痛性で、硬結を伴う紅斑が1カ所ずつみられる。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。針反応陽性(40%の症例)、レンサ球菌死菌抗原によるプリックテストも有用。HLA B51陽性(60%の症例)。急性期には血液検査でCRP上昇、好中球数増加。眼科で虹彩毛様体炎、網膜ぶどう膜炎の有無をチェックする。
治療:発熱、関節痛、皮膚症状に対しNSAIDsあるいはコルヒチン内服、ステロイド外用。眼症状に対し免疫抑制薬、TNFα阻害薬。眼症状の進行期、神経型にステロイド全身投与。血管型あるいは血栓性静脈炎に対して抗凝固薬。
転帰:急性症状を繰り返すことが多い。腸管型、血管型、神経型では重篤となることがある。
コメント:眼症状のなかで、眼底型の網膜ぶどう膜炎では視力の予後は悪かったが、免疫抑制薬、TNFα阻害薬の導入により改善している。