病歴:30歳代男性。3カ月前より手背、続いて下肢に紅斑びらんが出現し、当初は水痘が疑われた。次第に深い潰瘍を形成するようになった。発熱などの全身症状はない。
診察:下腿に小指爪甲大までの周囲に褐色調の紅斑を伴う皮膚潰瘍が多発。
診断のためのテストとその結果:白血球数10,900/μL、CH50 60.9U/mL、赤沈(1時間値/2時間値)17/36mm、ミエロペルオキシダーゼ-抗好中球細胞質抗体(MPO-ANCA)陰性、クリオグロブリン陰性、生検組織により真皮・皮下境界部の動脈炎が認められ、結節性多発動脈炎と診断。
治療:プレド二ゾロン50mg/日より内服を開始し、漸減。プレド二ゾロン8mg/日で維持。
転帰:潰瘍は軽快するが、プレドニゾロンを5mg/日以下にすると再燃する。