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静脈瘤を中心とした診療アルゴリズム

CQ:clinical question 内容はレファレンスの文献を参照。
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1: 日本静脈学会ガイドライン作成委員会:下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン2019. 日本医事新報社, 東京, 2019, pp.1-94. p.40「治療のアルゴリズム」.

静脈性下腿潰瘍の典型的な臨床像

病歴:69歳男性。20年来静脈瘤あり。周囲に皮膚炎を繰り返し、色素沈着が増強した。飲酒により瘙痒感が増強する。
診察:下腿内側下1/3に暗紅褐色の紅斑、色素斑がみられ、母指頭大で不規則な形状の潰瘍を伴う。潰瘍底は赤色調で壊死物質の固着はない。
診断のためのテストとその結果:ペルテス検査で静脈瘤が軽減することから1次性静脈瘤と考えられる。
治療:静脈瘤に対する患者の手術は希望なく、生理食塩液による洗浄、潰瘍部にアルプロスタジル アルファデクス軟膏、周囲に吉草酸ベタメタゾン軟膏を塗布し、弾性包帯による厳格な圧迫療法を施行。
転帰:治療開始6カ月後の時点で潰瘍は縮小し、瘙痒感も軽減したが、完全な上皮化には至っていない。
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1: 著者提供

リンパ管循環障害による潰瘍

病歴:66歳女性。統合失調症、左大腿骨骨折の既往あり、杖歩行で外出も少ない。数カ月前より下肢のリンパ浮腫が持続し、下腿伸側に水疱を形成。転倒を機に一部が潰瘍を形成し、多量の滲出液を伴う。
診察:下肢全体にリンパ浮腫が顕著で硬結を伴う。下腿屈側に褐色の鱗屑・痂皮を付着し、小指頭大の潰瘍あり。
診断のためのテストとその結果:骨盤CT検査に異常なし。アルブミン2.9 g/dLと低下。
治療:下肢挙上し、抗潰瘍薬外用。弾性包帯を施行。
転帰:潰瘍は上皮化したが、リンパ浮腫は不変。
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1: 著者提供

皮膚動脈炎(旧名 皮膚型結節性多発動脈炎)における皮膚潰瘍

病歴:30歳代男性。3カ月前より手背、続いて下肢に紅斑びらんが出現し、当初は水痘が疑われた。次第に深い潰瘍を形成するようになった。発熱などの全身症状はない。
診察:下腿に小指爪甲大までの周囲に褐色調の紅斑を伴う皮膚潰瘍が多発。
診断のためのテストとその結果:白血球数10,900 /μL、CH50 60.9 U/mL、赤沈(1時間値/2時間値)17/36 mm、ミエロペルオキシダーゼ-抗好中球細胞質抗体(MPO-ANCA)陰性、クリオグロブリン陰性、生検組織により真皮・皮下境界部の動脈炎が認められ、皮膚動脈炎(旧名 皮膚型結節性多発動脈炎)と診断。
治療:プレドニゾロン50 mg/日より内服を開始し、漸減。プレドニゾロン8 mg/日で維持。
転帰:潰瘍は軽快するが、プレドニゾロンを5 mg/日以下にすると再燃する。
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1: 著者提供

リベド血管症における皮膚潰瘍

病歴:37歳女性。1年前より下腿外側に不規則な形状の紅斑が出現し疼痛あり。夏期より一部が潰瘍化し、滲出液、痂皮を伴う。
診察:左外顆~下腿外側に不規則網状の褐色斑があり、一部に痂皮を伴う不規則な形状の虫食い状潰瘍あり。
診断のためのテストとその結果:生検組織により真皮小血管の血栓性閉塞像あり。クリオグロブリン陰性、MPO-ANCA陰性。抗リン脂質抗体陰性。
治療:下肢の安静とベラプロストナトリウム(20 μg)6T/日内服
転帰:潰瘍は白色萎縮を残して軽快。再燃を繰り返すことがある。
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1: 著者提供

弾性包帯による圧迫療法

内果上方から巻き始める。引っ張りながら内側から外側に1回巻いて次に足背部で2回巻く。足背部から下腿に引きながら巻いていく(踵には巻かない)。弾性包帯の幅半分が重なり、圧迫圧がかかるように巻く。膝蓋部は間隙を作り、下腿から大腿末梢まで巻く。テープで固定する。
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大伏在静脈瘤に伴う下腿潰瘍の代表的臨床像

静脈瘤を伴い、下腿内側に強い色素沈着と潰瘍形成がみられ、一見して静脈性血行障害による下腿潰瘍と診断される。
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下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療アルゴリズム

伊藤孝明、久木野竜一、皿山康子ほか:創傷・褥瘡・熱傷ガイドラインー5:下肢潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン.日皮会誌 2017;10:2239-2259.より改変
 
CQ: clinical question 内容はレファレンスの文献を参照。
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1: 創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン策定委員会(下腿潰瘍・下肢静脈瘤グループ)編. 創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン(2023)―5 下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン(第3版). 日皮会誌. 2024;134(2):225-272. 図1

静脈瘤を中心とした診療アルゴリズム

CQ:clinical question 内容はレファレンスの文献を参照。
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1: 日本静脈学会ガイドライン作成委員会:下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン2019. 日本医事新報社, 東京, 2019, pp.1-94. p.40「治療のアルゴリズム」.

静脈性下腿潰瘍の典型的な臨床像

病歴:69歳男性。20年来静脈瘤あり。周囲に皮膚炎を繰り返し、色素沈着が増強した。飲酒により瘙痒感が増強する。
診察:下腿内側下1/3に暗紅褐色の紅斑、色素斑がみられ、母指頭大で不規則な形状の潰瘍を伴う。潰瘍底は赤色調で壊死物質の固着はない。
診断のためのテストとその結果:ペルテス検査で静脈瘤が軽減することから1次性静脈瘤と考えられる。
治療:静脈瘤に対する患者の手術は希望なく、生理食塩液による洗浄、潰瘍部にアルプロスタジル アルファデクス軟膏、周囲に吉草酸ベタメタゾン軟膏を塗布し、弾性包帯による厳格な圧迫療法を施行。
転帰:治療開始6カ月後の時点で潰瘍は縮小し、瘙痒感も軽減したが、完全な上皮化には至っていない。
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1: 著者提供