病 歴:60代女性、初診6日前より左頚部の腫脹と疼痛、発熱を自覚され近医A医院を受診。アモキシシリン・アセトアミノフェン他の内服を開始。初診前日より口唇のびらんと眼球の違和感が出現し、近医B病院を受診し、スティーブンス・ジョンソン症候群が疑われたため当院紹介となった。
診 察:口唇のびらんと軟口蓋に赤みの強い紅斑、眼球結膜の充血・発赤が著明であった。体幹・四肢には標的様紅斑の散在を認めた。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。肝トランスアミナーゼ:200前後、ALP:1,000と高値を認めた。被疑薬としてアモキシシリン・アセトアミノフェンを疑った。リンパ球幼若化試験にて、アモキシシリンで陽性を認めた。
治 療:入院当日よりPSL40 mg/日投与開始。翌日には自覚症状と熱型の改善を認め、以後PSLを漸減した。
転 帰:約2週間でPSL20 mg/日まで漸減し、口唇のびらんも完全に上皮化を認め退院。外来フォロー時も再発を認めなかった。