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黒色腫瘍の診断アルゴリズム

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悪性黒色腫

病 歴:80歳代女性、5年ほど前から右足底に黒色斑を認め、徐々に拡大・隆起してきた。1カ月前から同部に出血を認めるようになり受診した。
診 察:右足第5趾の中足趾節(MP)関節部に黒色斑を認め、黒色斑部に潰瘍を伴う約1 cm大の黒色結節を認めた。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。ダーモスコピー検査で、辺縁部の色素斑が皮丘優位であることが確認された。PET-CTなどの画像検索で、転移がないことを確認された。
治 療:2 cm離して切除し、人工真皮植皮を行う。病理学的に悪性黒色腫と診断され、断端が陰性であったため、腹部より採皮して全層植皮術を行った。
転 帰:再発・転移を認めない。
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基底細胞癌

病 歴:80歳代女性、3年前から左頬部に黒色結節を認め、徐々に増大してきた。
診 察:左頬部に約1.5 cm大の黒色結節を認めた。
診断のためのテストとその結果:診察所見から基底細胞癌が考えられた。ダーモスコピー検査で、潰瘍・樹枝状血管・灰白色結節を認め、基底細胞癌を示唆する所見であった。
治 療:局所麻酔下に、腫瘍辺縁から5 mm離して切除し、右鎖骨部から全層植皮術を行った。
転 帰:再発・転帰を認めない。
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Bowen病

病 歴:80歳代女性、20年ほど前から左下腿に黒褐色局面を認め、徐々に拡大してきた。
診 察:左下腿に約3 cm大の黒褐色局面を認めた。
診断のためのテストとその結果:診察所見、経過よりBowen病が疑われた。生検の結果、Bowen病と診断された。
治 療:局所麻酔下に、腫瘍辺縁から5 mm離して切除し、右下腹部から全層植皮術を行った。
転 帰:再発・転帰を認めない。
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Bowen様丘疹症

病 歴:20歳代女性、1年ほど前から外陰部に黒色小結節を集簇性に認める。
診 察:外陰部に5 mm大までの黒色小結節を集簇性に認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見よりBowen様丘疹症が疑われた。生検の結果、Bowen様丘疹症と診断された。
治 療:数個の結節に対し、液体窒素による凍結療法を行った。
転 帰:再診時にはすべての結節が消退しており、以後再発を認めない。
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皮膚血管肉腫

病 歴:80歳代男性、1年ほど前から頭部に紫斑、暗赤色結節、血痂を認め、徐々に拡大してきた。
診 察:前頭部を中心に紫斑、暗赤色結節、血痂を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見より血管肉腫が疑われた。生検の結果、皮膚血管肉腫と診断された。
治 療:電子線照射およびタキサン系抗癌薬による化学療法を行った。
転 帰:肺転移のため、約1年後に死亡した。
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Kaposi肉腫

病 歴:30歳代男性、数日前に呼吸不全のため内科に緊急入院となり、呼吸器管理となった。HIV感染があり、エイズ発症患者であった。四肢の結節について当科に照会があった。
診 察:四肢に指頭大の暗赤色結節を散在性に認めた。
診断のためのテストとその結果:診察所見、合併症からKaposi肉腫と考えた。全身状態から、皮膚生検は行わず経過観察とした。
治 療:全身状態から経過観察とした。
転 帰:数日後に、呼吸不全のため死亡した。
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脂漏性角化症

病 歴:70歳代女性、20年ほど前から左頬部に黒色結節を認めるが、ここ数年は大きさや形状に変化はない。
診 察:左頬部に2 cm大の黒色結節を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、経過より脂漏性角化症と考えられた。
治 療:経過観察とした。
転 帰:1年を経過して著変を認めない。
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色素性母斑

病 歴:20歳代女性、小学生時から下顎部に黒色結節を認める。特にここ数年は大きさや形状に変化はない。
診 察:下顎部に6 mm大の黒色結節を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、経過より色素性母斑と考えられた。
治 療:経過観察とした。
転 帰:大きさや形状に変化があれば再診してもらうように説明した。
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青色母斑

病 歴:10歳代男性、小学生時から左手背に青色結節を認める。特にここ数年は大きさや形状に変化はない。
診 察:左手背に小豆大の青色結節を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、経過より色素性母斑と考えられた。ダーモスコピー検査で青黒色の無構造な所見を呈した。
治 療:経過観察とした。
転 帰:大きさや形状に変化があれば再診してもらうように説明した。
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皮膚線維腫

病 歴:30歳代女性、数カ月前から腹部に褐色結節を認める。大きさや形状に変化はない。
診 察:腹部に小豆大の褐色結節を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見より、皮膚線維腫と考えられた。
治 療:経過観察とした。
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被角血管腫

病 歴:10歳代女性、数カ月前から左手関節部に黒色結節を認める。
診 察:左手関節部屈側に、小豆大の黒色結節を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見より、被角血管腫と考えられた。治療をかねて、全摘生検を行った。
治 療:局所麻酔下に、全摘術を行った。
転 帰:再発はない。
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静脈湖

病 歴:80歳代女性、少なくとも20年以上前から下口唇に黒色結節を認める。特にここ数年は大きさや形状に変化はない。
診 察:下口唇に約1 cm大の暗赤から黒色の結節を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見より、静脈湖(venous lake)と考えられた。
治 療:経過観察とした。
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尋常性疣贅

病 歴:50歳代男性、3カ月前から左頬部に黒色結節を認め、徐々に増大してきた。
診 察:左頬部に大豆大の疣状の黒色結節を認めた。
診断のためのテストとその結果:診察所見より、出血を伴った尋常性疣贅と考えられた。
治 療:液体窒素による凍結療法を行った。
転 帰:再診時に結節は消退していた。再発時に再診してもらうこととした。
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爪下血腫

病 歴:40歳代女性、数日前に長時間歩行した翌日に左母趾爪部の黒色斑に気づいた。
診 察:左母趾爪部に暗赤から黒色の斑を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見より、爪下血腫と考えられた。ダーモスコピー検査では、黒色から赤黒色の無構造な色素沈着がみられた。
治 療:経過観察とした。
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悪性黒色腫

病 歴:80歳代女性、5年ほど前から右足底に黒色斑を認め、徐々に拡大・隆起してきた。1カ月前から同部に出血を認めるようになり受診した。
診 察:右足第5趾の中足趾節(MP)関節部に黒色斑を認め、黒色斑部に潰瘍を伴う約1 cm大の黒色結節を認めた。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。ダーモスコピー検査で、辺縁部の色素斑が皮丘優位であることが確認された。PET-CTなどの画像検索で、転移がないことを確認された。
治 療:2 cm離して切除し、人工真皮植皮を行う。病理学的に悪性黒色腫と診断され、断端が陰性であったため、腹部より採皮して全層植皮術を行った。
転 帰:再発・転移を認めない。
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