病歴:数年来続く眼瞼周囲の瘙痒を伴う湿疹があり、フラジオマイシン硫酸塩・メチルプレドニゾロン(ネオメドロールEE)を外用していたが一進一退を繰り返すため来院。
診察:上眼瞼に浮腫と鱗屑を伴う淡紅色斑がみられる(a)。
診断のためのテストとその結果:部位と経過から点眼薬による接触皮膚炎を疑いパッチテストを行ったところ、使用していた精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(ヒアレインミニ)に陽性であった。成分パッチテストをしたところεアミノカプロンサンに陽性であった。さらにネオマイシンに陽性で、治療に使っていたフラジオマイシン硫酸塩・メチルプレドニゾロン(ネオメドロールEE)にもかぶれていることが判明した(b)。
治療:精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(ヒアレインミニ)中止。治療としてクロベタゾン酪酸エステル(キンダベート)を用いたところ数年間続いていた皮膚症状は速やかに治癒した。
転帰:治癒。
追記:治りの悪い限局した湿疹病変から接触皮膚炎を疑うこと。原因の追究のために行ったパッチテストが症状の改善をもたらした。