ケースの説明:
病歴:50歳代男性。20歳代頃スプーン磨きをするとその後に手湿疹を認めていたが、50歳代より、金属に接触しなくても手掌に小水疱が多発性に出没する。
診察:手掌および母指球に粟粒大までの紅色丘疹、小水疱の集簇および線状配列を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から汗疱状湿疹と診断。金属アレルゲンでパッチテストのところ、コバルト、クロム、ニッケルが陽性を示し、全身型金属アレルギーが原因と診断した。
治療:ステロイド外用薬と金属との接触禁止で治療開始したが、軽快しないため、後出表[ID0608]に従いコバルト、クロム、ニッケルを多く含む食事を制限した。
転帰:2週間以内に速やかに軽快した。チョコレートなど金属を多く含むものを摂取すると再燃する。
a:初診時臨床像
b:コバルト、ニッケル、クロムパッチテスト陽性所見