異汗性湿疹
指先および側面、手掌に小水疱と鱗屑を認める。痒みのため掻破を繰り返し難治化している。
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進行性指掌角皮症
手指に乾燥、落屑、潮紅、硬化を認める。
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アトピー性皮膚炎
手指の角化、落雪、発赤を伴う湿疹病変を認める。手背には色素沈着を伴う苔癬化を認める。全体的に痒みが強く、乾燥を伴い掻破を繰り返している。手全体には保湿剤を、炎症部位にステロイド外用薬を塗布する。爪囲や指先の炎症が強い場合や痒みが強い場合は亜鉛華軟膏を併用しガーゼ・包帯で保護することを勧める。
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理・美容師によるアレルギー性接触皮膚炎
手指や手背全体的に色素沈着を伴う湿疹病変を認める。強い痒みを伴い掻破している。
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掌蹠膿疱症
手掌全体に炎症性角化局面を形成し、部分的に小膿疱を認める。膿疱の存在が不明瞭なときに鑑別を要する。長期に増悪軽快を繰り返し、鎖骨や胸骨に関節炎を合併することがある。確定診断には、膿疱を含めた皮膚生検を行い、単疱性無菌性膿疱を確認する。本疾患は、病巣感染(慢性扁桃腺炎、齲歯、歯周病、慢性副鼻腔炎)や金属アレルギーが関与して生じることがあるため、積極的に原因検索を行うことが勧められる。
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掌蹠膿疱症
足底全体に、手掌と同様の炎症性角化性病変(紅斑鱗屑局面)および小膿疱を認める。時に痒みをう。
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手カンジダ症(カンジダ性指間びらん)
指間に比較的境界が明瞭な、一部膜様の鱗屑を伴う紅斑、びらんを認める。かゆみや痛みを伴うことがある。検査としては、膜様鱗屑をこすり真菌検査(KOH法)を行い、菌糸、仮性菌糸、酵母様の菌を確認する。生活指導としては、局所の清潔と乾燥を心がけ、再発を防止することを伝える。アゾール系抗真菌薬の使用を勧める。
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凍瘡
指先に痒みや痛みを伴う暗紫紅色の紅斑を認める。いわゆるしもやけで、寒冷による血行障害が原因で起こる。
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SLE
手指に鱗屑や痂疲を伴う紅斑を認める。手背には丘疹紅斑、爪囲には強い炎症を伴っている。
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皮膚筋炎
手指、手背に角化性紅斑を、爪囲には血管拡張、紅斑を認める。両手指関節伸側に落屑を伴う集簇した扁平隆起性紅斑(Gottron’s sign)を認める。また、両手示指側面に角化性紅斑を認め、これは機械工の手(mechanic’s hand)とよばれる。
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エポキシ樹脂による職業性接触皮膚炎
手指や手背に難治性の湿疹病変を認める。写真の症例は、自動車部品会社に勤務し、検査業務に従事し、薬品・樹脂を常時使用していた。
パッチテストでは患者が就業中に使用していたビスフェノールAに陽性反応を呈した。
外用治療を実施し、職場の配置転換を行ったところ、皮疹は消退し、勤務を継続できた。
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冨高晶子、鈴木加余子、曽和順子ほか: エポキシ樹脂による職業性接触皮膚炎の1例. 西日本皮膚 2002;64:p684
手湿疹の診断
問診、現症より形態別、原因別に手湿疹を分類し、検査をし、確定診断を行う。
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手湿疹の一般的な治療
Johansen JD:Classification of hand eczema: clinical and aetiological types. Based on the guideline of the Danish Contact Dermatitis Group. Contact Dermatitis. 2011 Jul;65(1):13-21.および Coenraads PJ
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: Hand eczema. N Engl J Med. 2012 Nov 8;367(19):1829-37. を参考に作製