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「環状紅斑」を主病変とする原因疾患一覧

(Darie)遠心性環状紅斑:図[ID0601]
慢性遊走性紅斑
シェーグレン症候群:図[ID0603]
亜急性皮膚エリテマトーデス:図[ID0604]
新生児エリテマトーデス:図[ID0605]
匍行性迂回状紅斑:図[ID0608]
壊死性遊走性紅斑:図[ID0609]
 
参考文献:竹中祐子,林伸和:環状紅斑.日皮会誌2008;118,2407より一部引用、改変
出典
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1: 著者提供

遠心性環状紅斑(表在型)

病歴:
  1. 40歳代、男性。17~18年来繰り返す躯幹の皮疹を主訴に紹介受診した。
診察:
  1. 背部に大小さまざまな環状を呈する紅斑を認め、その内側には薄い鱗屑が縁取っていた。瘙痒はない。ステロイド外用薬で変化はなかった。
診断のためのテストとその結果:
  1. 真菌要素は陰性。全身検索を行ったが、内臓病変、関連疾患なし。
治療:
  1. 抗アレルギー薬内服、ステロイド外用治療を行った。
転帰:
  1. 内服にて、徐々に消退した。その後、年余にわたって再発を繰り返しているが、検査に異常はみられない。
出典
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1: Jean L Bolognia, Joseph L Jorizzo, and Julie V Schaffer: Dermatology, 4th Edition. 19. Figurate Erythemas, Fig. 19.1-B. Elsevier, 2018

Darier遠心性環状紅斑(深在性遠心性環状紅斑)

環状の部分が堤防状に隆起して固く触れ、表面に変化がない。典型例は臨床的に浸潤の強い環状紅斑で、瘙痒、水疱、鱗屑などは認めない。
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1: 著者提供

シェーグレン症候群に伴う環状紅斑

病歴:
  1. 数年来の顔面に出没する皮疹。近医にて加療するも変化がないため、紹介で受診。
診察:
  1. 顔面に暗赤色、辺縁が堤防状に隆起する浸潤性紅斑を認める。
確定診断のために行った検査とその結果:
  1. 血液検査で抗核抗体1280倍陽性、IgG 2800mL/dL、 抗SS-A、抗SS-B抗体強陽性、シルマーテスト、ガムテスト、唾液腺シンチグラム;特徴的なapple core sign陽性、初診時耳下腺腫脹と同時に発熱あり。
治療:
  1. 入院加療
転帰:
  1. 安静および解熱鎮痛薬加療で全身状態改善。皮疹は遠心性にゆっくり拡大し、数カ月残存した。
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1: 著者提供

亜急性皮膚エリテマトーデスによる環状紅斑

病歴:
  1. 40歳代、男性
診察:
  1. 背部にみられる鱗屑を伴う連圏状の紅斑。難治性。
診断のためのテストとその結果:
  1. 皮膚生検で確定診断
治療:
  1. ステロイド外用
転帰:
  1. 治療の効果は乏しい。
  1. この病型の患者では抗SS-A抗体または抗SS-B抗体陽性である。
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1: 著者提供

新生児エリテマトーデス

病歴:
  1. 母親にシェーグレン症候群
診察:
  1. 出生後4週目に額、背部に環状紅斑を認めた。
診断のためのテストとその結果:
  1. 血液検査で抗核抗体320倍、抗SS-A抗体、SS-B抗体陽性
治療:
  1. 経過観察のみ。
転帰:
  1. 皮疹は約2カ月で完全消退、血中抗体は1年後に陰性化した。
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匍行性迂回状紅斑(erythema gyratum repens)

出典
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1: Erythema gyratum repens.
J Am Acad Dermatol. 2011 May;64(5):e89-90. doi: 10.1016/j.jaad.2010.10.006.

壊死性遊走性紅斑

出典
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1: Reduction in epidermal Langerhans cells in patients with necrolytic migratory erythema.
J Dermatol Sci. 2008 Apr;50(1):76-80. doi: 10.1016/j.jdermsci.2007.11.001. Epub 2007 Dec 20.

体部白癬

症例:
  1. 30歳、男性。項部の数カ月前に出現した紅斑を主訴に受診。
現症:
  1. 初診時、鱗屑を付着し、中央に紅斑を有する環状紅斑を認めた。
検査:
  1. 検鏡にて、真菌陽性であった。
治療:
  1. 抗真菌薬1日1回外用を行った。
転帰:
  1. 約2カ月で完治した。
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蕁麻疹

症例:20歳、男性。
蕁麻疹は浮腫性紅斑を主病変とするが、その一部が環状を呈することがある。
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環状肉芽腫

症例:
  1. 45歳、女性。半年来左肘の皮疹に気づき、初診となる。
既往歴:
  1. 糖尿病境界型。
現症:
  1. 左肘に母指頭大の淡紅色、光沢を有する堤防状隆起する環状皮疹を認めた。
診断:
  1. 臨床的に環状肉芽腫を疑い、皮膚生検施行。
病理所見:
  1. 真皮に所謂palisading granulomaの像を認めた。
  1. 以上より、環状肉芽腫と診断した。
  1. 生検後、経過観察のみで皮疹は消退した。
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好酸球性毛包炎

症例:
  1. 39歳、男性。初診4カ月前より背中に皮疹が出現し、近医受診し、ステロイド含有軟膏外用するも皮疹が拡大したため、当科紹介受診。
現症:
  1. 初診時上背部に辺縁が幅を有し、堤防状に隆起している環状皮疹を認めた。環状紅斑の辺縁部分では小さな膿疱を認めた。
検査:
  1. 真菌検鏡陰性。末梢血、生化学異常なし。抗核抗体、抗SS-A,抗SS-B抗体陰性。
皮膚生検:
  1. 表皮内に好中球の膿疱形成を認め、毛嚢、脂腺周囲に好酸球浸潤を認めた。
治療:
  1. インドメサシン内服にて皮疹は消退した。
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乾癬

躯幹の典型的な乾癬皮疹以外に、右上腕外側には環状の角化性紅斑を認めている。
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IgA天疱瘡

体幹では水疱を主病変とする一方で、肩に環状の紅斑を認める。仔細に観察すると、環状紅斑は浮腫性で一部小水疱を主なうことがわかる。
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膿疱性乾癬

略全身に小膿疱を伴う紅斑を認め、所々環状を呈している。
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多形浸出性紅斑

左手掌に環状皮疹を認める。最外縁は仔細に観察するとわずかに水疱を形成している。
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スイート病

左鎖骨部に浸潤を触れる環状皮疹を認めるが、一部小水疱様変化を伴っていることがわかる。
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類天疱瘡初期病変

躯幹の典型的な浮腫性紅斑と緊満性水疱のほかに、大腿部では浮腫の強い環状紅斑が多発し、一部小水疱を伴っている。掻痒が強い。
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後天性表皮水疱症

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ハンセン病

左顔面中心に暗赤色の結節と結節のほか、堤防状に隆起した肉芽腫様紅斑を認め、生検でハンセン病と診断された。
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白癬

a:顔面白癬
b:体部白癬
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ジベールバラ色粃糠疹

躯幹に辺縁淡紅色、中央退色した環状様の皮疹を認め、鱗屑を付着している。真菌検鏡陰性。
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梅毒

右顔面にみられた暗赤色の浸潤の強い環状皮疹を認める。血液検査と皮膚生検で診断された。
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菌状息肉腫症

右乳房にみられた不規則で、浸潤を強く触れる紅色の環状皮疹を認め、皮膚生検で診断が確定した。
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ボーエン病

表面厚い鱗屑を付着する淡紅〜淡褐色、一見環状を呈する皮疹。生検で確定診断。
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基底細胞癌

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蕁麻疹様血管炎

体幹にみられる痛痒い、わずかに浸潤を触れる不規則な環状紅斑、生検で確定診断。
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汗孔角化症

右前腕内側に不規則な環状を呈する角化性病変を認め、一部淡紅色を呈している。
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サルコイドーシス

右前腕内側に多発する一部表面に鱗屑が付着し、浸潤を触れる淡紅色の環状肉芽腫様皮疹を認め、皮膚生検でサルコイドーシスと診断された。
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環状弾性線維性巨細胞性肉芽腫(annular elastolytic giant cell granuloma)

肩から項部にかけて、辺縁がわずかに隆起し、大小さまざまな環状皮疹を認め、生検で上記と診断された。
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環状紅斑の評価アルゴリズム

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環状紅斑以外の環状皮疹を呈する疾患

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主病変のほかに環状の紅斑を呈することがある疾患

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「環状紅斑」を主病変とする原因疾患一覧

(Darie)遠心性環状紅斑:図[ID0601]
慢性遊走性紅斑
シェーグレン症候群:図[ID0603]
亜急性皮膚エリテマトーデス:図[ID0604]
新生児エリテマトーデス:図[ID0605]
匍行性迂回状紅斑:図[ID0608]
壊死性遊走性紅斑:図[ID0609]
 
参考文献:竹中祐子,林伸和:環状紅斑.日皮会誌2008;118,2407より一部引用、改変
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遠心性環状紅斑(表在型)

病歴:
  1. 40歳代、男性。17~18年来繰り返す躯幹の皮疹を主訴に紹介受診した。
診察:
  1. 背部に大小さまざまな環状を呈する紅斑を認め、その内側には薄い鱗屑が縁取っていた。瘙痒はない。ステロイド外用薬で変化はなかった。
診断のためのテストとその結果:
  1. 真菌要素は陰性。全身検索を行ったが、内臓病変、関連疾患なし。
治療:
  1. 抗アレルギー薬内服、ステロイド外用治療を行った。
転帰:
  1. 内服にて、徐々に消退した。その後、年余にわたって再発を繰り返しているが、検査に異常はみられない。
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1: Jean L Bolognia, Joseph L Jorizzo, and Julie V Schaffer: Dermatology, 4th Edition. 19. Figurate Erythemas, Fig. 19.1-B. Elsevier, 2018