病 歴:50歳代男性。かぜのたびに手背などに出現する水疱を伴った紅斑を主訴に受診。
診 察:手背などに紅褐色調の一部水疱を伴う紅斑を認める。
診断のためのテストとその結果:当初、感冒に伴って出現する口唇ヘルペス後に出現するため、単純ヘルペス随伴性多形紅斑(HAEM)と考えられた。しかしその後、感冒の際に決まって同じ鎮痛解熱薬を内服していたことが判明した。全く感冒に罹患していないときに、その薬剤を内服させたところ、同一部位に紅斑が誘発されたことから固定薬疹と診断した。
治療、転帰:原因薬剤中止後、紅斑は生じなくなった。
コメント:感冒のたびに単純疱疹が出現し、それに伴って出現していたのと、紅斑の境界が不鮮明であったため、当初はHAEMを考えた。