病歴:40歳代、女性。関節リウマチの疑いにてサラゾスルファピリジンを処方された。内服開始約3週間後に発熱と全身の発疹が見られ、受診。
診察:全身に浸潤のある紅斑が多発し、癒合傾向を示す。体温:38.7℃。頸部リンパ節腫大あり。眼球結膜充血なし。口腔内にびらんなし。
診断のためのテストとその結果:末梢血WBC 6,700 /uL(好酸球 29%)、AST 73 U/L、ALT 99 U/L。薬剤リンパ球刺激試験(サラゾスルファピリジン)のSI値は2.2と陽性。
治療:サラゾスルファピリジンを中止し、入院のうえ、ステロイドの内服を行った。
転帰:皮疹は入院後も増悪傾向を示し、紅皮症様になった。その後、皮疹は軽快するも、発熱、肝酵素の上昇を伴い、皮疹が一過性に再燃した。入院時のHHV-6 IgG(FA)抗体価は80倍であったが、その後5210倍へと上昇し、HHV-6の再活性化を認めた。
コメント:薬剤性過敏症症候群では、紅斑が急速に拡大し紅皮症の状態になることが多いが、初期の皮疹は丘疹紅斑型であることが多く、注意が必要である。