鶏眼と胼胝の模式図
ともに外的刺激に対する防御反応ではあるものの、‘たこ’は体表からの刺激に対して個体側が正常に反応し外方に角質肥厚したもの、また、‘うおのめ’は外的刺激を下床の骨もしくは関節からの刺激と個体側が誤認して内方に向け角質肥厚した結果、かえって生体を傷つけるようになったものとみなすこともできる。
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立花隆夫先生ご提供
開張足
足の甲の部分が横に広くなっている状態をいう。正確には、足の第1中足骨と第5中足骨との末梢(足の指先)方向に向かってなす角度が30°以上を示し、足の横アーチが偏平になっているものをいう。なお、この症例では第1趾内側に鶏眼、第5趾に胼胝をみる。
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外反母趾
足の第1趾(親趾)が第5趾(小趾)の方に曲がっていく症状を指す。足に合わない靴を履いている場合が多いとされ、女性に多くみられる。また、外反母趾では、母趾内転筋によって第1趾は内旋し第2趾の下に入っていき、第2趾のMP関節が突出するようになる。なお、同じ要因によって、第5趾が第1趾の方に曲がっていく症状を内反小趾という。
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鶏眼と胼胝
第1趾MP関節部に鶏眼,第3趾MP関節部に胼胝を認める。
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靴選びのポイント
この3つの前提を踏まえた上で、また、患者の足のタイプを考慮しつつ靴を選択する。
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久世泰雄、町田英一:靴・インソール フットケア―基礎的知識から専門的知識まで 第2版(日本フットケア学会編集)、医学書院、東京、2012、p228-230
ニッパ型爪切り(a)と木工用ドリル(b)
メスかニッパ型爪切り(a)で角質塊を除去する。また、細かい操作には木工用ドリル(b)があると便利である。
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ニッパ型爪切りを用いた鶏眼と胼胝の処置
a: 処置前、b: 処置後、c~e: 処置中
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立花隆夫:女性の鶏眼・胼胝とは? 女性の皮膚トラブルFAQ(宮地良樹編)、診断と治療社、東京、2012、p320-326より一部改変して引用
胼胝の下床に潰瘍形成を認めた症例
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胼胝下床の潰瘍に局所的な感染徴候(疼痛、熱感、腫脹、発赤など)を認める症例
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外傷性表皮嚢腫
皮下に硬結を触れる外傷性表皮嚢腫(traumatic epithelial cyst)も、皮表に角質肥厚を伴うので‘たこ’と紛らわしい外観を呈する。
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足底疣贅(a)とその模式図(b)
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著者・立花隆夫先生ご提供
糖尿病性足病変(潰瘍)の診療アルゴリズム
鶏眼、胼胝の治療アルゴリズムはないので、それらが悪化、増悪して生じる糖尿病性足病変(潰瘍)の診療アルゴリズムを示す。なお、この中で最も重要なのは感染であり、鶏眼、胼胝を治療することにより感染を生じないようにすることが大切である。
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日本皮膚科学会創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン委員会(日本皮膚科学会):創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン委員会報告−3:糖尿病性潰瘍・壊疽ガイドライン(第2版)、日皮会誌、2017;127(9): 1989-2031、p1996、図1.(改変あり)