病 歴:30代男性、小児期より前胸部に淡紅色で軽度の落屑を伴う紅斑が存在していた。手背の皮疹にも気づいていたが放置していた。両親がいとこ婚である。
診 察:前胸部に癜風様の皮疹(a)、手背に扁平疣贅様の皮疹(b)を認める。同様の皮疹は顔面、背部、前腕などにもみられる。
診断のためのテストとその結果:皮膚生検を試行したところ、表皮顆粒層に澄明変性細胞がみられたため診断。SADBEで経皮感作試験を行ったが陰性であった。
治 療:隆起する部分、角化が強い部分は液体窒素凍結療法を行った。
転 帰:日光曝露を避けるよう指導し経過観察中。現時点では悪性腫瘍の発生はない。
コメント:今後、日光露出部に皮膚悪性腫瘍が出現してくることが予想される。早期に発見して治療できるよう注意深い経過観察が必要である。