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疣状癌:oral florid papillomatosis

病歴:70歳女性、数年前生じた下口唇の結節が増大したため皮膚科を受診。
診察:右下口唇に表面が乳頭腫状の角化性結節を認める。
診断のためのテストとその結果:生検では上皮が乳頭腫状に過形成を呈した腫瘍で核異型は軽度。高分化型扁平上皮癌の一種で、疣状癌と診断。
治療:当面広範囲切除は行わず、エトレチナート内服後に縮小手術を行った。
転帰:日常生活に困らない状態は維持しているが、再発を繰り返している。
コメント:転移はまれな腫瘍であるが、局所再発は多く、今後も注意深い経過観察と治療の継続が必要である。
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尋常性疣贅:手指に散在する角化性丘疹

病 歴:30代男性、半年前より存在する角化性丘疹が増えたことを主訴に受診。
診 察:手指、手掌に数個の角化性丘疹を認める(a、b)。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。
治 療:液体窒素凍結療法を行った。
転 帰:2週間に1回のペースで治療し、2カ月で治癒した。
コメント:尋常性疣贅は難治のこともあるので、治療は症例ごとに工夫することも必要である。
a:手指の尋常性疣贅、b:手掌の尋常性疣贅
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足底疣贅:足底の角化性丘疹、局面としてみられる。胼胝や鶏眼との鑑別が必要

病 歴:10代男性、2カ月前気づいた足底の角化性丘疹が増えてきたため受診。
診 察:足底に角化性の丘疹、局面を認める(a)。
診断のためのテストとその結果:ダーモスコピーでは、局面内に点状の出血、毛細血管を認める(b)。
治 療:液体窒素凍結療法を行った。
転 帰:液体窒素凍結療法のみではなかなか改善しなかったため、グルタルアルデヒド外用療法を併用したところ徐々に改善し、5カ月後に治癒した。
コメント:足底疣贅はしばしば難治であり、治療には根気と工夫が必要である。
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青年性扁平疣贅:顔面の褐色扁平な丘疹

病 歴:30代男性、数カ月前に気づいた顔面の褐色丘疹を主訴に受診。
診 察:前額部から耳前部に複数の褐色扁平丘疹を認める。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。
治 療:液体窒素凍結療法で、色素沈着を残したため、SADBEによる接触免疫療法を開始した。
転 帰:3カ月間治療を継続し、丘疹は消退したが、軽度の色素沈着が残っている。
コメント:青年性扁平疣贅は炎症反応を起こして自然治癒することが知られている。免疫反応と考えられている。
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尖圭コンジローマ:亀頭、陰茎に生じた乳頭腫状丘疹

病 歴:30代男性、数カ月前、陰茎の丘疹に気づいた。半年ほど前に性的接触があったという。特に痒みなどはないが、数が増えてきたため受診。
診 察:陰茎と亀頭に乳頭腫状の丘疹が多発してみられる。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。5%酢酸を塗布したところ、丘疹とその周囲が白色に描出された。
治 療:イミキモド5%クリーム外用を開始した。
転 帰:外用後、炎症所見がみられたが自制内であり、3カ月の外用で丘疹は消失した。
コメント:液体窒素凍結療法を併用してもよい。
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ボーエン様丘疹症:陰茎幹に集簇してみられる黒褐色の丘疹

病 歴:40代男性、数カ月前から陰茎に黒色の丘疹を生じた。徐々に拡大したため受診した。
診 察:陰茎に黒色丘疹が散在。一部は列序性に配列してみられる。
診断のためのテストとその結果:生検したところ、組織学的にボーエン病類似の核異型がみられたため診断。
治 療:局所麻酔下に炭酸ガスレーザーで蒸散した。
転 帰:再発に対しては液体窒素凍結療法を行い、3カ月後には治癒した。
コメント:ボーエン様丘疹症は子宮頚癌などに関与するハイリスクHPVの感染症であり、確実な治療、経過観察が必要である。性感染症であり、性的パートナーの子宮頚部病変も確認する必要がある。
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疣贅状表皮発育異常症:前胸部にみられる癜風様皮疹、手背にみられる扁平疣贅様皮疹

病 歴:30代男性、小児期より前胸部に淡紅色で軽度の落屑を伴う紅斑が存在していた。手背の皮疹にも気づいていたが放置していた。両親がいとこ婚である。
診 察:前胸部に癜風様の皮疹(a)、手背に扁平疣贅様の皮疹(b)を認める。同様の皮疹は顔面、背部、前腕などにもみられる。
診断のためのテストとその結果:皮膚生検を試行したところ、表皮顆粒層に澄明変性細胞がみられたため診断。SADBEで経皮感作試験を行ったが陰性であった。
治 療:隆起する部分、角化が強い部分は液体窒素凍結療法を行った。
転 帰:日光曝露を避けるよう指導し経過観察中。現時点では悪性腫瘍の発生はない。
コメント:今後、日光露出部に皮膚悪性腫瘍が出現してくることが予想される。早期に発見して治療できるよう注意深い経過観察が必要である。
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脂漏性角化症:老人性疣贅

病 歴:70代女性、胸部に生じた黒色の局面を主訴に皮膚科を受診。
診 察:胸部に褐色から黒色の一部角化する局面を認める(a)。ダーモスコピーでは面靤様開口を認める(b)。
診断のためのテストとその結果:皮膚症状およびダーモスコピー所見から診断。疣贅以外に基底細胞癌との鑑別が必要。
治 療:液体窒素凍結療法を行った。
転 帰:凍結療法後2週間で痂皮となり、3週間後には治癒していた。
コメント:脂漏性角化症は部位や組織型によって尋常性疣贅、青年性扁平疣贅、ボーエン様丘疹症、基底細胞癌など種々の疾患と鑑別が必要となる。必要に応じて生検して組織学的に診断する。
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伝染性軟属腫:中心臍窩がみられ、光沢がある皮膚色の丘疹

病 歴:84歳男性、1カ月前下顎の丘疹に気づいた。やや増大したため受診。
診 察:下顎に丘疹を数個認める。丘疹は表面が平滑で光沢があり、中央が陥凹している。
診断のためのテストとその結果:内容を摘出して粥状物を確認した。
治 療:鋭匙攝子で摘み取った。
転 帰:その後再発を認めない。
コメント:伝染性軟属腫は幼児から小児に多くみられるが、まれに高齢者にみられることもある。成人の顔面、頚部に多発してみられる場合はHIV感染症を疑う必要がある。
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有棘細胞癌:皮角を呈する角化性小腫瘤。周囲に日光角化症がみられる。

病 歴:76歳男性、数年前から耳後部に落屑性局面があったが、一部が隆起し急速に増大した。
診 察:耳後部に中央が皮角状に突出する小腫瘤を認める。周囲には落屑を伴う紅斑性局面がある。
診断のためのテストとその結果:皮膚病理検査で異型のある有棘細胞が不規則に真皮に増生する像がみられた。
治 療:1 cm離して切除縫縮した。
転 帰:3カ月経過し、再発転移を認めない。
コメント:日光角化症が有棘細胞癌の発生母地であった可能性が高い。今後も再発転移について注意深い経過観察が必要である。
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汗管腫:眼周囲に多発する丘疹

病 歴:60代女性、以前から存在する眼囲の丘疹を主訴に皮膚科を受診。
診 察:眼周囲に多発する皮膚色から淡褐色の丘疹を認める。
診断のためのテストとその結果:ダーモスコピー所見では表面は平滑。生検で汗管腫と診断。
治 療:炭酸ガスレーザーによる蒸散を提案したが希望せず、経過観察とした。
転 帰:1年後に確認したが、変化はみられていない。
コメント:汗管腫は青年性扁平疣贅のほかに眼瞼黄色腫やエクリン汗嚢腫との鑑別が必要となる。
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基底細胞癌:顔面の丘疹。一部点状に黒色を呈する。

病 歴:60代男性、右頬部に生じた黒色丘疹を主訴に皮膚科を受診。
診 察:右頬部の丘疹。辺縁は点状に黒色を呈し、中央部はやや陥凹している(a)。
診断のためのテストとその結果:ダーモスコピーではblue-gray ovoid nestsやarborizing vesselsを認め(b)、基底細胞癌と診断。
治 療:辺縁から3 mmして切除した。
転 帰:半年後再発を認めない。
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腟前庭乳頭腫症:生理的変化であるが、尖圭コンジローマとの鑑別が必要

病歴:30代女性、外陰部の丘疹について尖圭コンジローマを疑われて受診。
診察:腟前庭に小丘疹が集簇してみられる。
診断のためのテストとその結果:3%酢酸を塗布したが白色には描出されなかった。念のため生検したところ組織学的にも尖圭コンジローマは否定された。
治療:生理的変化であり、治療の必要がないことを説明した。
転帰:その後、特に訴えはなく受診していない。
コメント:女性の腟前庭乳頭腫症や男性の陰茎真珠様丘疹は生理的変化であるが、尖圭コンジローマと誤診されることがある。
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疣状癌:oral florid papillomatosis

病歴:70歳女性、数年前生じた下口唇の結節が増大したため皮膚科を受診。
診察:右下口唇に表面が乳頭腫状の角化性結節を認める。
診断のためのテストとその結果:生検では上皮が乳頭腫状に過形成を呈した腫瘍で核異型は軽度。高分化型扁平上皮癌の一種で、疣状癌と診断。
治療:当面広範囲切除は行わず、エトレチナート内服後に縮小手術を行った。
転帰:日常生活に困らない状態は維持しているが、再発を繰り返している。
コメント:転移はまれな腫瘍であるが、局所再発は多く、今後も注意深い経過観察と治療の継続が必要である。
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尋常性疣贅:手指に散在する角化性丘疹

病 歴:30代男性、半年前より存在する角化性丘疹が増えたことを主訴に受診。
診 察:手指、手掌に数個の角化性丘疹を認める(a、b)。
診断のためのテストとその結果:診察所見、病歴から診断。
治 療:液体窒素凍結療法を行った。
転 帰:2週間に1回のペースで治療し、2カ月で治癒した。
コメント:尋常性疣贅は難治のこともあるので、治療は症例ごとに工夫することも必要である。
a:手指の尋常性疣贅、b:手掌の尋常性疣贅
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