顔面の粉瘤(毛包性中心凹窩がはっきり確認できる症例)
病歴
:70歳代男性。左頬部の皮下腫瘤が炎症を起こした。
診察
:
毛包性中心凹窩を認め、粉瘤と診断した。
治療
: 抗菌薬投与で炎症を抑え、後日紡錘形切除により、全摘出した。
出典
1:
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手術症例(紡錘形切除)
病歴
:60歳代男性。数年前より、左頬の皮下腫瘍が徐々に大きくなってきた。
診察
:
触診で腫瘍は表皮に癒着し、下床とは可動性良好であった。
治療
: 紡錘形切除で嚢腫を全摘した。
転帰
: 1週間後に抜糸し、経過良好である。
a:左頬に皮下腫瘍を認める。
b:紡錘形切除のデザイン。
c:嚢腫の摘出中の写真。
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へそ抜き法による手術症例
病歴
:60歳代女性。頚部に皮下腫瘍を認める。
診察
:毛包性中心凹窩を認める。整容的な理由で手術を希望した。
治療
: へそ抜き法施行。4mmトレパンで打ち抜き、嚢腫を取り出した。
転帰
:ほとんど、目立たないくらいの点状瘢痕で治癒した。
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切開写真(粥状の内容物)
病歴
:70歳代男性。上背部に約5cmの皮下腫瘍を認め、数日前より発赤、腫脹、疼痛を生じた。
診察
:
炎症性粉瘤と診断し、局麻下に切開した。
悪臭を伴う粥状の内容物が排出された。
治療
: 外来通院で、内部を生理食塩水で洗浄しイソジンタンポンを挿入した。
転帰
: 2週間で肉芽が盛り上がり、治癒した。
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高度な炎症性粉瘤
病歴
:30歳代女性。以前より右背部に皮下腫瘤があり、初診の1週間前より急激に腫脹し、激しい疼痛を伴うようになった。わずかに膿汁が滲みだしていた。
診察
:
抗菌薬投与のみでは、1、2日以内に嚢腫が破裂すると思われたので、切開を施行した。
治療
:
局麻下に切開した。
多量の膿汁が排出された。
転帰
:外来通院で、イソジンタンポン挿入、イソジンシュガー外用などを続け、約3週間で治癒した。
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炎症性粉瘤、ステロイド局注による治療
病歴
:40歳代女性。2、3日前より、背部の皮下腫瘍が、発赤、腫脹してきた。
診察
:
炎症性粉瘤と診断したが、初期の段階であると判断した。
治療
: ケナコルト混濁液1mlを1%キシロカイン5mlに混ぜ、皮下腫瘍内に適量を局注した。
転帰
: 1週間後には背の腫瘤の炎症は治まっていた。
a:初診時。発赤した炎症性粉瘤を認める。
b:ケナコルト局注後1週間で、炎症は治まっている。
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足底の粉瘤
病歴
:30歳代男性。
診察
:
足底の胼胝のやや踵側に皮下腫瘤を認める。
診断のためのテストとその結果
:超音波断層撮影で嚢腫を認め、粉瘤と診断した。
治療
:紡錘形切除を施行した。
転帰
:足底の手術であるので、埋没縫合は行わず、抜糸は2週間後とした。経過良好である。
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粉瘤の超音波断層撮影像
真皮内に嚢腫を認め、後方エコー増強がみられる。
出典
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柴田真一先生(SSクリニック)ご提供
粉瘤アルゴリズム
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