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基底細胞癌:鼻唇溝近傍に生じた黒色結節

病 歴:数年前に気づいた鼻唇溝近傍に生じた黒色結節。徐々に増大したため受診。
診 察:鼻唇溝近傍に、黒色で粒状に隆起した10mm大の硬い黒色結節がみられる。
診断のためのテストとその結果:生検をしたところ、組織は基底細胞癌であった。
治 療:辺縁より3mm離して切除し、欠損部は局所皮弁を用いて再建した。
転 帰:術後、再発はみられていない。
コメント:黒色で粒状、ごつごつしている点が脂漏性角化症と異なる。ダーモスコピーが脂漏性角化症との鑑別に有用である。
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脂漏性角化症:大腿に出現した黒褐色で表面乳頭腫状のタイプ

病 歴:いつからかは不明だが、大腿後面に褐色の結節があり、徐々に増大してきた。
診 察:大腿後面に9mm大の境界明瞭な扁平隆起した楕円形の黒褐色結節がある(a)。
診断のためのテストとその結果:臨床像およびダーモスコピー所見から脂漏性角化症と診断した。
治 療:凍結療法による治療を行った。
転 帰:1回の治療で病変はほぼ消失したため、経過観察とした。
コメント:黒褐色調の脂漏性角化症である。ダーモスコピー上、脳回転様外観(黒矢印)を示しており(b)、脂漏性角化症と診断できる。
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脂漏性角化症:顔面に出現した褐色調で面皰様開孔が目立つタイプ

病 歴:いつからかは不明だが、左頬部に褐色の結節が出現し、緩徐に増大してきた。
診 察:左頬部に11mm大の境界が比較的明瞭な軽度隆起した不整形の褐色結節がある(a)。ほかにも類似した病変が顔面に多くみられる。
診断のためのテストとその結果:臨床像およびダーモスコピー所見から脂漏性角化症と診断した。
治 療:凍結療法による治療を行った。
転 帰:1回の治療で病変はほぼ脱落したため、経過観察とした。
コメント:褐色調の脂漏性角化症である。肉眼でも識別できるが、ダーモスコピーを用いると面皰様開孔(黒矢印)、多発性稗粒腫様嚢腫(白矢印)が明らかとなる(b)。
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脂漏性角化症:下腹部に出現した褐色調で角化が目立つタイプ

病 歴:いつからかは不明だが、下腹部に褐色の角化性結節があり、徐々に増大してきた。
診 察:下腹部に12mm大の境界明瞭な扁平隆起し角化を伴う楕円形の茶褐色結節がある(a)。ほかにも類似した病変がみられる。
診断のためのテストとその結果:臨床像およびダーモスコピー所見から脂漏性角化症と診断した。
治 療:凍結療法による治療を行った。
転 帰:1回の治療で病変はほぼ脱落したため経過観察とした。
コメント:やや角化が目立つ褐色調の脂漏性角化症である。そのため、ややダーモスコピー所見に乏しいが、臨床像と併せて脂漏性角化症と診断できる(b)。
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脂漏性角化症:胸部に出現した褐色調のタイプ

病 歴:いつからかは不明だが、胸部に褐色の結節があり、徐々に増大してきた。
診 察:胸部に7mm大の境界明瞭な扁平隆起した楕円形の褐色結節がある。ほかにも類似した病変が背部に散在している。
診断のためのテストとその結果:臨床像およびダーモスコピー所見から脂漏性角化症と診断した。
治 療:治療の希望がなかったため、経過観察とした。
転 帰:著明な変化はない。
コメント:褐色調の脂漏性角化症である。肉眼でも表面が乳頭腫様であることがわかり、脂漏性角化症と診断できる。
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脂漏性角化症:腹部に出現した黒色調の強いタイプ

病 歴:いつからかは不明だが、以前より腹部に黒色結節があり、最近気になってきた。
診 察:腹部に8mm大の境界明瞭で表面平滑、ドーム状の黒色結節がある。
診断のためのテストとその結果:臨床像およびダーモスコピー所見から脂漏性角化症と診断した。
治 療:凍結療法による治療を行った。
転 帰:1回の治療で病変はほぼ脱落したため、経過観察とした。
コメント:脂漏性角化症は黒色調の強いものがあり、組織学的には腺様型の場合が多い。基底細胞癌、悪性黒色腫、エクリン汗孔腫との鑑別が必要であるが、肉眼でも多数の小さい凹み、すなわち面皰様開孔(黒矢印)が確認できることより脂漏性角化症と診断できる。
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脂漏性角化症:鼠径部に多発する茶褐色結節

病 歴:いつからかははっきりしないが、かなり前から鼠径部に茶褐色結節が出現し、徐々に増数増大してきた。
診 察:左鼠径部に6~7mm程度までの大きさの比較的柔らかい茶褐色結節が多発している。
診断のためのテストとその結果:臨床像およびダーモスコピー所見から脂漏性角化症と診断した。
治 療:治療の希望がなかったため、経過観察とした。
転 帰:やや増数傾向がみられる。
コメント:脂漏性角化症はしばしば多発する。短期間に急速に数が増える場合はLeser-Trélat徴候を考え、内臓悪性腫瘍の精査を考えるが、この例のように長い年月をかけて多発することがほとんどである。
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脂漏性角化症:下腹部にできた黒色結節

病 歴:10年以上前から下腹部に黒色結節が出現。場所柄よく擦れたり、痒かったりしてよくいじっていた。緩徐に拡大してきたため来院。
診 察:下腹部に16mm大の扁平隆起した黒色結節があり、その中央部はやや発赤を伴い瘢痕様である。
診断のためのテストとその結果:臨床像から脂漏性角化症が考えやすいが、基底細胞癌を否定できないので切除を行った。組織の結果は脂漏性角化症であった。
治 療:病理組織学的に取り切れていたため、経過観察とした。
転 帰:術後現在、再発はない。
コメント:基底細胞癌や悪性黒色腫も念頭に置く必要はあるが、悪性黒色腫でみられる色素のしみ出しや、基底細胞癌でみられる堤防状隆起はなく、色調も一様である。よく見ると面皰様開孔もある。掻破によりわかりにくい臨床像となっているが、いずれにせよ脂漏性角化症はさまざまな臨床像をとり、他の疾患との鑑別が必ずしも容易ではないということを頭に入れておく必要がある。
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ケラトアカントーマ:顔面に生じたドーム状の結節

病 歴:最近、顔面のドーム状結節に気づき、ここ1-2カ月の間に徐々に増大したため来院。
診 察:耳前部に7mm大の常色のドーム状結節があり、その中央部には角化物がみられる。
診断のためのテストとその結果:臨床像からケラトアカントーマを疑い、全切除した。組織の結果もケラトアカントーマであった。
治 療:病理組織学的に取り切れていたため、経過観察とした。
転 帰:術後現在、再発はない。
コメント:一見したところ脂漏性角化症に類似するが、形状が対称性なドーム状の腫瘍で中央部に角化物を容れるという特徴的な臨床所見から、ケラトアカントーマと判断できる。
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悪性黒色腫:背部に生じた黒色結節

病 歴:いつ頃出現したかははっきり覚えていないが、背部に色素斑があり、ここ1年で盛り上がってきたため来院。
診 察:背部に2.5cm大の黒色斑があり、その中央部に1.5cm大の、ドーム状に隆起した黒色結節がある。
診断のためのテストとその結果:臨床像から悪性黒色腫を強く疑い、2cm離して全切除を行った。組織の結果は悪性黒色腫であった。
治 療:画像検査およびセンチネルリンパ節生検を行い、所属リンパ節転移および遠隔転移の有無について精査を行った。
転 帰:術後現在、経過観察中である。
コメント:黒色の結節に加えて、不規則なしみ出しを伴う色素斑があることより脂漏性角化症と異なり、またダーモスコピーが診断の確認に有用である。
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色素性母斑:項部に生じた黒色結節

病 歴:いつ頃出現したかははっきり覚えていないが、項部の腫瘍が次第に大きくなったため来院。
診 察:項部に、黒褐色で広基有茎性に隆起した柔らかい7mm大の小結節がある。
診断のためのテストとその結果:切除の希望があり、組織の結果は色素性母斑であった。
治 療:辺縁ぎりぎりで切除し、単純縫縮した。
転 帰:術後、再発はみられていない。
コメント:比較的柔らかく、有茎性で、色調が褐色で一様な点が脂漏性角化症と異なるが、ダーモスコピーが診断の確認に有用である。
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基底細胞癌:鼻唇溝近傍に生じた黒色結節

病 歴:数年前に気づいた鼻唇溝近傍に生じた黒色結節。徐々に増大したため受診。
診 察:鼻唇溝近傍に、黒色で粒状に隆起した10mm大の硬い黒色結節がみられる。
診断のためのテストとその結果:生検をしたところ、組織は基底細胞癌であった。
治 療:辺縁より3mm離して切除し、欠損部は局所皮弁を用いて再建した。
転 帰:術後、再発はみられていない。
コメント:黒色で粒状、ごつごつしている点が脂漏性角化症と異なる。ダーモスコピーが脂漏性角化症との鑑別に有用である。
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脂漏性角化症:大腿に出現した黒褐色で表面乳頭腫状のタイプ

病 歴:いつからかは不明だが、大腿後面に褐色の結節があり、徐々に増大してきた。
診 察:大腿後面に9mm大の境界明瞭な扁平隆起した楕円形の黒褐色結節がある(a)。
診断のためのテストとその結果:臨床像およびダーモスコピー所見から脂漏性角化症と診断した。
治 療:凍結療法による治療を行った。
転 帰:1回の治療で病変はほぼ消失したため、経過観察とした。
コメント:黒褐色調の脂漏性角化症である。ダーモスコピー上、脳回転様外観(黒矢印)を示しており(b)、脂漏性角化症と診断できる。
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