病歴:13歳男性。幼児期より爪に黒い線が入っていた。
診察:幅10mmの色素線条。
診断のためのテストとその結果:ダーモスコピーで線条内部の色調に一部不整なところがあるが、爪周囲皮膚への色素のしみ出し(Hutchinsonサイン:成人に認められれば悪性黒色腫の可能性が高くなる)はない。年齢も考慮して良性の病変と診断した。
治療:慎重に経過観察。
転帰:8歳より5年間経過を追っているが大きな変化はない。
コメント:小児の爪甲色素線条は幅広で色調も不整で、爪の変形や爪周囲への色素のしみ出しを認めることが少なくない。overdiagnosisに注意する。