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陥入爪治療のアルゴリズム

爪の弯曲とオーバーネイルの有無に基づく治療法の選択
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1: 河合修三:皮膚臨床2011;53(11):1576~1584.

陥入爪(弯曲が軽度であるが肉芽を伴う場合)

病歴:30歳代男性、爪に痛みがありその都度爪を切って対処していたが切っても痛みが取れなくなり来院。
診察:左第1趾の側爪郭に乾燥した肉芽を認め、慢性的に繰り返していることを示唆する紅斑や瘢痕が趾の根元付近に認められる。
診断のためのテストとその結果:診察所見病歴から末梢循環障害を認めず、肉芽周囲に膿疱膿瘍などはなく2次感染の所見を認めなかった。
治療:局所麻酔下にガター法を行った。
転帰:チューブが外れた場合にはガター法の再挿入を繰り返し、治療開始3カ月後に略治した。
コメント:ガター法に用いるチューブは翼状針のプラスティック製の導管を使用している。チューブは極力肉芽よりも後爪郭側まで挿入すること。外れやすいので患者にはある程度の運動制限をすることもある。
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1: 著者提供

陥入爪(弯曲が強度)

病 歴:40歳代女性、初診の数カ月前から歩行時や先の細い靴を履くと趾に痛みを覚えるようになり来院。爪を抜く処置を希望しない。
診 察:左第1趾に弯曲した爪を認める。爪郭には疼痛を伴い、やや紅色浮腫状になっている。
2次的な感染所見を認めない。
診断のためのテストとその結果:診察所見病歴から末梢循環障害を認めず、治療へのリスクはなかった。
治 療:VHO式巻き爪矯正を行った。
転 帰:矯正の装具を3カ月ごとに計3回交換し、特に問題なく治療を終了した。
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1: 著者提供

陥入爪(弯曲が強度で肉芽を伴うとき) ―爪の矯正とガター法の組み合わせ

病 歴:30歳代女性。初診の約2年前から左拇趾の痛みがあり、肉芽を認め歩行も困難になってきたために来院。
診 察:右第1趾に弯曲した爪を認める。両爪郭には疼痛を伴い、肉芽を認めている。
診断のためのテストとその結果:診察所見病歴から末梢循環障害を認めず、治療へのリスクはなかった。 
治 療:VHO式巻き爪矯正を計2回と最初の1回目には肉芽軽減のためガター法を併用した。
転 帰:治療開始後6カ月で治癒と判断した。
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陥入爪で爪母形成術を患者が望んだ場合:フェノール法

病 歴:60歳代女性。
両第1趾の痛みが長年続いており 痛みが強いときには病院で爪を切ってしのいでいたという。
今回爪を切っても痛みが軽減しないため来院した。
診 察:左第1趾に爪甲の部分欠損があり、側爪郭に発赤、腫脹、熱感、疼痛を認めている。
診断のためのテストとその結果:診察所見病歴から末梢循環障害を認めず、抗凝固薬を投与されておらず治療へのリスクはなかった。
治 療:伝達麻酔後に爪母形成術(フェノール法)を行った。
転 帰:術後6カ月で再発なく、いったん治癒と判断した。
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爪白癬を伴う陥入爪

病歴:50歳代女性。爪の痛みを主訴に来院するも、陥入爪とともに爪の白濁も治療を希望した。
診察:爪は全体的に白濁肥厚し、側爪郭には発赤、腫脹、疼痛を認めていた。
診断のためのテストとその結果:顕微鏡検査により、爪から白癬菌を検出した。
その他診察所見病歴から末梢循環障害を認めず、抗凝固薬を投与されておらず治療へのリスクはなかった。
治療:爪の矯正治療に並行し、テルビナフィン125mg/日を24週間内服した。
転帰:陥入爪は1年の矯正で治癒。爪白癬はテルビナフィン内服により6カ月で治癒と判断した。
a:治療前
b:治療終了時
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正しい爪の切り方

爪の切り方:指の形に合わせて切る。指先からはみ出ない程度の長さに切る。角は決して丸く、深く切らない。 

テーピングの手法

a:爪が陥入している部位の圧力を軽減するためにテーピングを行う。痛みを伴う部位にテープを貼り、その後爪から皮膚が離れるように テープを指下の方に引っ張りながら巻く。
b-①:左第一趾の肉芽腫を伴う陥入爪。
b-②:痛みを伴う部分にテープを貼る。
b-③:②で貼った部分を始点としてテープを引っ張りながら 指の後ろ方向へ巻く。
b-④:③のテープの終点は指を駆血しないよう注意しながらMP関節付近に置く。
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肉芽に対する外用薬:サリチル酸マクロゴール使用

肉芽の縮小を狙い35%サリチル酸マクロゴールを使用。肉芽が乾燥し痂皮化している。
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陥入爪に対する綿つめ法

綿つめにより除痛が得られた。
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陥入爪に対する爪の矯正法:VHO式巻き爪矯正法

弯曲の強い陥入爪に対しVHO式巻き爪矯正法を行った。 
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爪母形成術:フェノール法

陥入爪に対しフェノール法を行った。 
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典型的な弯曲を認める陥入爪

肉芽と爪の弯曲を伴う陥入爪
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陥入爪治療のアルゴリズム

爪の弯曲とオーバーネイルの有無に基づく治療法の選択
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1: 河合修三:皮膚臨床2011;53(11):1576~1584.

陥入爪(弯曲が軽度であるが肉芽を伴う場合)

病歴:30歳代男性、爪に痛みがありその都度爪を切って対処していたが切っても痛みが取れなくなり来院。
診察:左第1趾の側爪郭に乾燥した肉芽を認め、慢性的に繰り返していることを示唆する紅斑や瘢痕が趾の根元付近に認められる。
診断のためのテストとその結果:診察所見病歴から末梢循環障害を認めず、肉芽周囲に膿疱膿瘍などはなく2次感染の所見を認めなかった。
治療:局所麻酔下にガター法を行った。
転帰:チューブが外れた場合にはガター法の再挿入を繰り返し、治療開始3カ月後に略治した。
コメント:ガター法に用いるチューブは翼状針のプラスティック製の導管を使用している。チューブは極力肉芽よりも後爪郭側まで挿入すること。外れやすいので患者にはある程度の運動制限をすることもある。
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