男性型脱毛症:前頭部から頭頂部にかけての脱毛斑前頭部から頭頂部にかけ軟毛化を認める。
ケースの説明
病 歴:
40歳代男性、頭部の脱毛斑の拡大を主訴に受診。
診 察:
前頭部から頭頂部にかけ毛髪の色が薄くなり、細く短くなる軟毛化を認める。
治 療:
フィナステリド内服治療と5%ミノキシジル外用を併用した。
転 帰:
1年後、頭頂部の軟毛化は改善し、脱毛斑は目立たなくなった。
コメント:
男性型脱毛症の治療には長期間かかり、治療を辛抱強く継続してもらうことが肝要である。治療を中止すると悪化する場合が多い。
出典
1:
著者提供
男性型脱毛症治療アルゴリズム
男性型脱毛症の治療は重症度によって異なる。
重症度はModified Norwood-Hamilton分類により、
・軽症:II、IIa、II vertex
・中等症:III、IIIa、III vertex、IV、Iva、V
・重症:Va、VI、VII
とする。
C1群育毛剤:塩化カルプロニウム、
t
-フラノバン、サイトプリン・ペンタデカン、ケトコナゾール
出典
1:
著者提供
男性型脱毛症の重症度分類(Modified Norwood-Hamilton分類)
脱毛部の範囲によりI~VIIに重症度が分類されている。
男性型脱毛症のクリニカルクエスチョン
日本皮膚科学会のガイドラインでは男性型脱毛症に対する治療の推奨度がA~Dに分類されている。
出典
1:
眞鍋 求、坪井 良治、板見 智ほか:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版.日皮会誌, 2017; 127:2763-2777