肝内胆管癌の進行度(Stage)分類
腫瘤形成型、およびその優越型のみに適用され、胆管浸潤型、胆管内発育型、およびそれらの優越型には適用しない。
出典
1:
原発性肝癌取扱い規約【第6版】 日本肝癌研究会/編 金原出版株式会社 p27
肝内胆管癌のT因子
癌腫の①~③の項目によってT因子は規定される。
出典
1:
原発性肝癌取扱い規約【第6版】 日本肝癌研究会/編 金原出版株式会社 p27
肝内胆管癌の組織学的分類
同一の腫瘤中で2種類以上のパターンを示す場合、量的に優勢な組織像をもって分類することを原則とする。
出典
1:
原発性肝癌取扱い規約【第6版】 日本肝癌研究会/編 金原出版株式会社 p52-53
WHOの肝腫瘍の組織学的分類
肝腫瘍は主に上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍に分けられ、それぞれ良性、悪性に分類される。肝内胆管癌は肝細胞癌とともに上皮性悪性腫瘍に分類される。
出典
1:
Bosman FT et al(eds):WHO Classification of Tumors of the Digesive System,International Agency for Reserch on Cancer,Lyon,p196-261,2010.
腹部造影CT検査
腹部造影CT検査では、肝外側区域全体を占めるように発育した巨大なICCと、腫瘍の周囲に肝内胆管の拡張を認める。腫瘤形成型のICCでは、造影CTでは動脈相で辺縁がリング状に濃染され(d)、中心部は壊死を反映して造影されず、後期相ではリング状の濃染は認められなくなり、内部の線維性間質を反映して遷延性の持続性濃染を認めることが多い。また腫瘤形成型は胆管浸潤型に比べ末梢の胆管拡張を呈することは少ない。
この症例では腫瘍の辺縁のリング状濃染ははっきりしないが、内部に壊死巣と考えられるdensityが低い部分を認め(a)、内部の遷延性持続濃染を認めている(c)。
この症例は初診時に近医で腹部USを施行されるも、この腫瘍が指摘されていない。このような巨大な肝腫瘍の場合、腹部US施行時に腫瘍そのものが大きく、その境界が不明瞭な場合に腫瘍全体を正常肝と見間違う場合があるため注意が必要である。
a:動脈相
b:門脈相
c:平衡相
d:別患者での造影CT(動脈相)
出典
1:
佐々木裕先生ご提供
診断のアルゴリズム
血液検査、USなどの検査により、肝腫瘍と初期診断された場合は精密検査を行い、最終診断ののち、治療方針を決定する。
出典
1:
佐々木裕先生ご提供
肝内胆管癌治療アルゴリズム(腫瘤形成型、腫瘤形成優越型)
肝予備能・遠隔転移・領域リンパ節転移・多発(腫瘍数)の4因子を基に設定。領域リンパ節転移あるいは多発のいずれかの因子が認められる場合、その程度に応じて個別に切除あるいは薬物療法が選択される。
出典
1:
肝内胆管癌診療ガイドライン2021年版 日本肝癌研究会/編 金原出版株式会社 p12