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摂食・嚥下障害を判別するフローチャート

複数のスクリーニング検査法を組み合わせて摂食・嚥下障害を判別するフローチャートが報告されている。スクリーニング検査法として改訂水のみ検査、フードテスト、嚥下前・嚥下後造影X線写真が使用され、判別のゴールは誤嚥の有無ではなく直接訓練開始の可否、またはVF検査による精査が必要かである。4つの除外条件および3つのチェック項目を設け、除外条件をクリアしない症例は適応外とし、3つのチェック項目をクリアしないものは各項目を修正した後に各スクリーニングテストを行う。
 
MWST:改訂水飲みテスト
FT:フードテスト
SwXP :嚥下前・後X線撮影法
Modified FT::姿勢調節を併用したフードテスト
 
I-Tx Indirectly Training and Exercise(食物を使わない間接訓練 Indirect Therapy)
D-Tx Directly Training and Exercise(食物を食べる直接訓練 Direct Therapy)
出典
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1: 戸原玄、才藤栄一、馬場尊、小野木啓子、植松宏:Videofluorographyを用いない摂食・嚥下障害評価フローチャート. 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2002;6(2):196-206.

嚥下5期モデルに対応した嚥下障害の病態

嚥下障害の病態は嚥下の5期モデルに対応して考えると理解しやすい。
出典
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1: 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会編:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会e ラーニング対応 第1分野 摂食・嚥下リハビリテーションの全体像 6摂食・嚥下各期の障害.p48-51.

摂食・嚥下障害臨床的重症度分類(dysphagia severity scale、DSS)

摂食・嚥下障害臨床的重症度分類はDSSと略され、7段階の順序尺度で摂食・嚥下障害の重症度を評価する。DSSは臨床所見により重症度判定を行うが、VF検査やVE検査により判定の精度は向上する。DSSにより可能な食形態、経管栄養の有無、適用すべき摂食・嚥下訓練法を知ることができる。
DSSは1が最重症、7が正常範囲である。臨床的に誤嚥があるものは1~4の4段階に、誤嚥のないものは5~7の3段階に分けられる。
参考文献:
  1. 馬場 尊、才藤栄一:摂食・嚥下障害に対するリハビリテーションの適応. Journal of Clinical Rehabilitation 2000;9(9):857-863.
  1. 才藤栄一:摂食・嚥下障害の治療戦略.リハビリテーション医学 2004;41(6):404-408.
出典
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1: 著者提供

摂食・嚥下能力グレード

  1. 摂食・嚥下能力グレードは患者の摂食・嚥下の「できる」能力を評価し10段階の順序尺度であり、グレード1が最重症、10が正常である。
  1. グレード1から3は食事としての経口摂取は不可であり、グレード4は楽しみとして経口摂取、グレード5以上ではじめて1食以上の経口摂取が可能になる。
  1. グレード7以上では補助栄養が必要なくなる。摂食介助が必要なときはAをつけて、例えば7A のように表示する。
出典
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1: 藤島一郎、藤谷順子編著:嚥下リハビリテーションと口腔ケア 摂食・嚥下リハビリテーションの基礎知識3摂食・嚥下障害の診断 ⑧診断に関するまとめ 嚥下障害グレード.p57. 

嚥下造影検査

嚥下造影検査側面画像を示す。造影剤入り食品を咀嚼中に咀嚼された食品の一部は中咽頭に流入している(矢印)。咀嚼中にみられる中咽頭、下咽頭への食塊移送の現象をstage Ⅱtransport という。
出典
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1: 著者提供

嚥下内視鏡検査

嚥下内視鏡検査時の外部画像を示す。当科では嚥下内視鏡検査時の状況を再現するため内視鏡画像(矢印)の記録に加え、検査時の外部画像ならびに嚥下音・呼気音を記録している。
出典
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1: 著者提供

排出訓練

粘稠な貯留物、誤嚥物を排出するため前傾姿勢で強い呼気動作(huffing)を行わせている。
出典
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1: 著者提供

頭部挙上訓練

頭部挙上訓練(Shaker exercise)では仰臥位にて1分間頭部挙上、1分間休憩を3回行った後、30回連続で頭部挙上運動を行う。これを1セットとし1日3セット行う。
出典
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1: 著者提供

Oral Health Assessment Toolの日本語版

頭部挙上訓練(Shaker exercise)では仰臥位にて1分間頭部挙上、1分間休憩を3回行った後、30回連続で頭部挙上運動を行う。これを1セットとし1日3セット行う。
出典
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1: Chalmers JM, King PL, Spencer AJ, et al. The oral health assessment tool: Validity and reliability, Aust Dent J, 50: 191–199, 2005.
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2: 松尾浩一郎,中川量晴:口腔アセスメントシート Oral Health Assessment Tool 日本語版(OHAT-J)の作成と信頼性,妥当性の検討,障害者歯科,37:1–7,2016.

反復唾液嚥下テスト(RSST)

示指で喉頭挙上を触知し、嚥下回数を数える。
出典
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1: 小口和代,才藤栄一,馬場 尊,他:機能的嚥下障害スクリーニングテスト「反復唾液嚥下テスト」(the Repetitive Saliva Swallowing Test: RSST)の検討(2)妥当性の検討,リハ医,37:383–388,2000.

頸部聴診の手技(従命可能な患者の場合)

出典
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1: 著者提供

頸部聴診の手技(従命不可の患者の場合)

出典
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1: 著者提供

嚥下音の最適な聴診部位

矢印の部位(輪状軟骨直下気管外側上)ではSN比(信号対雑音比)の大きい明瞭な嚥下音を聴診することができる。
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1: 著者提供

嚥下音による判定の指標

出典
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1: 著者提供

呼吸音(呼気音)による判定の指標

出典
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1: 高橋浩二:頸部聴診法,J Clin Rehabil,27:667–676,2018.
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2: 高橋浩二:頸部聴診でわかること,MB Med Reha, No.212:121–129,2017.

ネブライザー

出典
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1: メッシュ式 ネブライザ NE-U100.[ https://store.healthcare.omron.co.jp/nebulizer-net/lineup/neu100.html].参照日(2023年2月22日)

EAT-10 日本語版

出典
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1: 若林 秀隆, 栢下 淳. 摂食嚥下障害スクリーニング質問紙票eat-10の日本語版作成と信頼性・妥当性の検証. 静脈経腸栄養. 2014;29(3):871-876.
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2: 渡邉 光子, 沖田 啓子, 佐藤 新介, 瀧本 泰生, 岡本 隆嗣, 栢下 淳. 嚥下スクリーニング質問紙eat-10暫定版の有用性の検討. 日摂食嚥下リハ会誌. 2014;18(1):30-36.

聖隷式嚥下質問票

出典
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1: 大熊 るり, 藤島 一郎, 小島 千枝子, 北條 京子, 武原 格, 本橋 豊. 摂食・嚥下障害スクリーニングのための質問紙の開発. 日摂食嚥下リハ会誌. 2002;6(1):3-8.
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2: 中野雅徳 ,藤島一郎,大熊るり,吉岡昌美 他.スコア化による聖隷式嚥下質問紙評価法の検討.日摂食嚥下リハ会誌 2020:24(3):240–246.

嚥下造影検査にて誤嚥(気管内流入)の確認

嚥下造影画像(側面像):造影検査食(矢印)が気管内に流入(誤嚥)。
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1: 著者提供

嚥下内視鏡検査

訪問診療で嚥下機能を評価(中央画像は合成)。
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1: 著者提供

頸部聴診法(cervical auscultation)

本法は非侵襲的に誤嚥や下咽頭部の貯留を判定するスクリーニング法としてベッドサイドでもきわめて簡便に行えるため、摂食・嚥下障害を扱う医療現場で広く用いられている。聴診操作により摂食動作を障害しないように細心の注意を払う。
出典
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1: 著者提供

頸部回旋姿勢

姿勢調整法である頸部回旋姿勢の指導。右側が患側で、右側の梨状陥凹を狭くし、健側である左側の梨状陥凹を拡げる。やや健側傾斜を併用している。
出典
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1: 著者提供

舌接触補助床(palatal augmentation prosthesis、PAP)

舌運動障害により嚥下時の舌口蓋接触が不十分な患者に適応される。本装置は口蓋を厚い形状にした口蓋床で、嚥下時に舌と口蓋床部を接触させ、食塊の保持と咽頭への送り込みを改善するために用いられる。
出典
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1: 著者提供

摂食・嚥下障害を判別するフローチャート

複数のスクリーニング検査法を組み合わせて摂食・嚥下障害を判別するフローチャートが報告されている。スクリーニング検査法として改訂水のみ検査、フードテスト、嚥下前・嚥下後造影X線写真が使用され、判別のゴールは誤嚥の有無ではなく直接訓練開始の可否、またはVF検査による精査が必要かである。4つの除外条件および3つのチェック項目を設け、除外条件をクリアしない症例は適応外とし、3つのチェック項目をクリアしないものは各項目を修正した後に各スクリーニングテストを行う。
 
MWST:改訂水飲みテスト
FT:フードテスト
SwXP :嚥下前・後X線撮影法
Modified FT::姿勢調節を併用したフードテスト
 
I-Tx Indirectly Training and Exercise(食物を使わない間接訓練 Indirect Therapy)
D-Tx Directly Training and Exercise(食物を食べる直接訓練 Direct Therapy)
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1: 戸原玄、才藤栄一、馬場尊、小野木啓子、植松宏:Videofluorographyを用いない摂食・嚥下障害評価フローチャート. 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2002;6(2):196-206.

嚥下5期モデルに対応した嚥下障害の病態

嚥下障害の病態は嚥下の5期モデルに対応して考えると理解しやすい。
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1: 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会編:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会e ラーニング対応 第1分野 摂食・嚥下リハビリテーションの全体像 6摂食・嚥下各期の障害.p48-51.