WBGTと気温、湿度との関係
WBGTは気温が低くても湿度が高ければ高値を示す。天気予報では気温と湿度が発表されるので、簡易にWBGTが推定できるように、気温、湿度とWBGTの関係を示す。
出典
1:
日本生気象学会:日常生活における熱中症予防指針(Ver.3).日本生気象学会雑誌2013.50;49-50
熱中症への対応手順(発生現場において)
熱中症の発生現場(学校、職場など)における対応を示す。涼しい場所へ移動し水分を与える。回復が思わしくないときは速やかに医療機関へ搬送する。
出典
1:
安岡正蔵、堀江正知、川原 貴・有賀 徹:熱中症の診断・治療・予防―早期発見と適切な治療で命を救う、日医雑誌、141;245-258,2012
Ⅲ度熱中症の診断プロセス
Ⅲ度熱中症の診断プロセスを示す。暑熱環境への曝露があり、高熱を示す患者では、速やかな検索と高次医療機関への転院の判断が必要である。
スポーツ現場で、あるいは救急搬送途中で腋窩を氷冷していた場合などでは、腋窩測定による体温は38℃よりも低くなり得るので注意が必要である。
出典
1:
安岡正蔵:熱中症の概念と重症度分類、日医雑誌、141;259-263:2012
日本救急医学会熱中症分類2015
「熱中症」は一連のスペクトラムであり、症状に固執して病状程度を過小評価してはならない。
暑熱環境に居る、あるいは居た後の体調不良はすべて熱中症の可能性がある。
各重症度における症状は、よく見られる症状であって、その重症度では必ずそれが起こる、あるいは起こらなければ別の重症度に分類されるというものではない。
熱中症の病態(重症度)は対処のタイミングや内容、患者側の条件により刻々変化する。特に意識障害の程度、体温(特に体表温)、発汗の程度などは、短時間で変化の程度が大きいので注意が必要である。
そのため、予防が最も重要であることは論をまたないが、早期認識、早期治療で重症化を防げれば、死に至ることを回避できる。
出典
1:
日本救急医学会 熱中症に関する委員会編:[https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf 熱中症診療ガイドライン2015]、日本救急医学会、2015, p7.