小児ALLのうち、まず成熟B細胞性ALLはALLの治療プロトコールではなく、成熟B細胞性リンパ腫のプロトコールで治療する。
次にPh+ALLは、イマチニブなどのチロシンキナーゼインヒビター(TKI)が有効であるため、TKIを併用した化学療法を行い、予後不良群では同種造血細胞移植(SCT)を行う。
それ以外のALLでは、1歳未満の乳児ALLは高率にKMT2A遺伝子の再構成を伴うなど生物学的に異なる集団であること、薬剤投与量の決定や支持療法に特別の配慮が必要であることなどから、独自のプロトコールで治療を行う。乳児ALLのうちKMT2A遺伝子の再構成をもたない場合は、予後良好であるため標準的な化学療法を行う。KMT2A遺伝子再構成をもつ場合は強化された化学療法を行い、予後不良群では同種SCTを行う。
1歳以上のALLについては予後因子で標準リスク、中間リスク、高リスクに層別化し、標準リスクに対しては標準的な化学療法、中間リスク、高リスクに対しては強化された化学療法を行う。さらに高リスクのうち予後不良群では同種SCTを行う。