アトピー性皮膚炎の年齢別有症率
アトピー性皮膚炎の有症率は3歳、次いで乳児に多く、小児全体でおおむね10%と報告されている。
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1261, 図3.
アトピー性皮膚炎の定義・診断基準
①瘙痒、②特徴的皮疹と分布、③慢性・反復性経過の3つを満たすものを、症状の軽重を問わず、アトピー性皮膚炎と診断する。皮疹には急性および慢性病変があり、皮疹の分布には年齢による特徴が認められる。
出典
1:
日本皮膚科学会、日本アレルギー学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018. 日皮会誌:128(12),2431-2502. 2018. p2438, 表1.
アトピー性皮膚炎重症度のめやす
(図[ID0614]
1
)軽度の皮疹
(図[ID0615]
2
)強い炎症を伴う皮疹
厚生労働科学研究班により提案された重症度のめやすである。より簡便な方法で日常診療における治療選択に有用である。
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1268、表2
SCORADによる重症度評価法
国際的な重症度判定基準であり、論文で最も採用されている。皮疹の範囲、重症度、自覚症状を細かく点数化するもの。
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1269, 図19.
Eczema Area and Severity Index (EASI)による重症度評価法
アトピー性皮膚炎の臨床試験アウトカムを標準化するための国際的グループであるHarmonising Outcome Measures for Eczema (HOME)によって推奨されている。
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1270, 表3.
POEM質問票(小児用)
患者または患者の保護者が記入する質問票で、医師による評価と相関するため、治療目標を共有するのに有用とされている。
出典
1:
POEM — Patient Oriented Eczema Measure.[https://www.nottingham.ac.uk/research/groups/cebd/resources/poem.aspx https://www.nottingham.ac.uk/research/groups/cebd/resources/poem.aspx].参照日(2022年7月)
ステロイド外用薬の分類
ステロイド外用薬はその強さによりウィーク(Ⅴ群)からストロンゲスト(Ⅰ群)まで5段階に分類されている。効果の高さおよび局所性の副作用の起こりやすさの指標となる。Ⅳ群はマイルドあるいはミディアムクラスと呼ばれている。
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1281, 表11
皮疹の重症度とステロイド外用薬の選択
皮疹の重症度に応じて外用ステロイド薬の強さを選択する。乳幼児・小児への使用や顔面への使用時には注意が必要である。
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1281, 表12
ステロイドの外用量の目安
1FTU(finger-tip unit)とは、成人の人差し指の末節部に載る軟膏量で、おおむね0.5gに相当する。1FTUで成人の両手掌分の面積に塗るのが標準である。小児についてもめやすが示されており、実際に外用法を説明するときに有用である。
出典
1:
日本アレルギー学会:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2015、p70、協和企画、2015
部位によるステロイド外用薬の吸収率(前腕伸側を1とする)
ステロイドの吸収率は体の部位により大きく異なる。吸収率の高い部位では使用するステロイドの強度や使用期間を調節し、副作用の出現に十分注意して観察する。
出典
1:
日本アレルギー学会:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2015、p72、協和企画、2015
小児で使用される主な第二世代抗ヒスタミン薬
小児で使用される抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬は第一世代(古典的)抗ヒスタミン薬、第二世代抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)、抗ヒスタミン作用をもたない抗アレルギー薬に分類される。多くの種類があり、それぞれの薬効、副作用、服用回数などにより使い分けられる。
(瘙痒を伴う皮膚疾患またはアトピー性皮膚炎に保険適用のあるものを掲載)
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1289-91, 表14(改変あり)
軽度の皮疹
a:顔面:軽度落屑、紅斑
b:躯幹:軽度落屑、乾燥性皮膚
c:下肢:軽度落屑、紅斑、一部に軽度の苔癬化を含む
出典
1:
厚生労働科学研究 アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2008、p12
強い炎症を伴う皮疹
a:顔面:明らかな紅斑、落屑、明らかな浸潤
b:躯幹:明らかな紅斑と苔癬化
c:下肢:明らかな紅斑、丘疹、掻破痕、苔癬化
出典
1:
厚生労働科学研究 アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2008、p12
保湿・保護を目的とした主なスキンケア外用薬
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1296, 表15.
日本で市販されている抗ヒスタミン薬のH1受容体占拠率
PET法により日本で市販されている抗ヒスタミン薬の鎮静性を客観的に評価したもの。H1受容体占拠率により「鎮静性」「軽度鎮静性」「非鎮静性」の3つに分類している。
出典
1:
田代学, 谷内一彦:抗ヒスタミン薬の鎮静作用評価に関するPET研究. 小児科, 2009;50(9): 1469.
アトピー性皮膚炎 治療の手順
出典
1:
日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成員会編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー:70(10), 1257-1342. 2021. P1303, 図31