RDSのX線分類(Bomsel,1970)
肺サーファクタント不足の程度により、胸部X線所見が分けられる。サーファクタント不足が強いほど含気が減少し肺野の透過性が低下する。
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[Radiologic study of hyaline membrane disease: 110 cases].
J Radiol Electrol Med Nucl. 1970 May;51(5):259-68.
RDS胸部X線
在胎25週の児。 出生直後に挿管したあとの胸部X線写真。心肺境界不明瞭、含気不良ですりガラス陰影を認める(BomselⅢ度)。このあとサーファクタント投与を行った。
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RDS胸部X線
在胎31週の児。出生後呼吸障害に対しCPAPを行ったが、酸素化不良、陥没呼吸増悪のため気管内挿管を行ったのちの胸部X線写真(BomselⅡ度)。含気不良で気管支透亮像を認める。
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緊張性気胸
在胎31週の児。RDS発症後、緊張性気胸となった症例。突然の酸素化不良となり透過光テストで左肺の異常を認めた。診断のため胸部X線撮影を行ったあと、胸腔ドレナージを実施。
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呼吸窮迫症候群の機序
RDSは早産児で肺の未熟性による肺サーファクタント不足のため発症するが、肺胞低換気のために肺損傷が起こると肺胞内に血漿成分が漏出しさらに表面張力を上昇させ悪循環となる。図はRDSのこうした機序を示すが、人工肺サーファクタントを投与することでこの悪循環から脱し予後を改善することができる。
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人工サーファクタント投与前後の胸部X線
a:サーファクタント投与前
b:サーファクタント投与後
呼吸窮迫症候群への対応
切迫早産では、周産期施設に母体搬送され管理されることが多い。その場合可能であれば出生前に母体ステロイド投与が行われる。投与後1週間以内の出生ではRDSの発症が減少する。早産児では呼吸症状がある場合にRDSを疑い、血液ガス検査や胸部X線検査を行い、RDSと診断されれば治療を行う。重症RDSでは気管内挿管を行い肺サーファクタントの早期投与が有効である。
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