低血糖の臨床症状
この表に示した血糖値と低血糖症状に関する記載は基本的に内科診断学的におけるものと変わりがない。矛盾するようであるが、成人の低血糖症が血糖値60mg/dl以下と定義されるのに対し、新生児期を除く小児の低血糖症は血糖値40mg/dl以下と定義される。しかし、論文によっては59mg/dl以下の血糖値を低血糖としている。実地臨床上は血糖値が41~45mg/dlでも小児の低血糖症と考えるべきである。
出典
1:
『小児内科』『小児外科』編集委員会共編:小児疾患の診断治療基準 小児内科2001;33巻増刊号:194-195. (改変あり)
ケトン血性低血糖症の鑑別疾患
鑑別診断は多岐にわたり、より多くの疾患を挙げている総説もある。
出典
1:
『小児内科』『小児外科』編集委員会共編:小児疾患の診断治療基準 第3版 小児内科 2006;38巻増刊号:184-185. (改変あり)
腹部症状で受診した患者の診断の流れ
ケトン血性低血糖症とアセトン血性嘔吐症の鑑別について論じた文献は調べた範囲でない。両疾患の好発年齢が異なることと、両者とも重症例が少なく予後が良好であることが、鑑別が重要視されない所以であろうと推察される。また低血糖症の血糖値の定義の違いから、施設によってアセトン血性嘔吐症と診断されているケトン血性低血糖症が(またその逆も)多いと思われる。
出典
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