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起立性調節障害診断の手順

この診断の手順は、ODガイドライン(英語版2009)を基にして作成した。2012年より、失神既往のある小児に対してはヘッドアップティルト試験を追加した。
出典
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1: 日本小児心身医学会編:心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年 (改変あり)

新起立試験法の準備と実施手順

[ID0602]:起立後血圧回復時間の測定
出典
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年

起立後血圧回復時間の測定

起立直後性低血圧の診断に必要です。血圧計カフを収縮期圧に加圧して、聴診器で聞きながら、起立させます。コロトコフ音が再び聞こえるまでの時間が「血圧回復時間」です。
 
参考:
  1. 日本小児心身医学会起立性調節障害ワーキンググループ.小児起立性調節障害診療ガイドライン改訂第3版.子どもの心とからだ2023:32;42-87
  1. 犬塚 幹,山田克彦.起立性調節障害132 例における不登校 傾向を示す要因.日小児会誌 2015;119:977-984.
  1. 藤井智香子,岡田あゆみ,鶴丸靖子,他.起立性調節障害患 者の背景因子についての検討.子の心とからだ 2020;28: 426-432.
  1. 田中英高.発達障害と起立性調節障害の併存に関する諸問題 起立性調節障害と発達障害の併存の実態とその診療 当院の 現状報告.子の心とからだ 2019;27:476-478.
  1. 藤田之彦,石井和嘉子,福田あゆみ,他.発達障害と起立性 調節障害の併存に関する諸問題 発達障がいとOD 合併例に対 する治療の取り組み.子の心とからだ 2019;27:484-487.
  1. 子どもの健康調査QTA30 田研出版
出典
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年

起立性調節障害のサブタイプ

上段より、健常者、起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群、血管迷走神経性失神、遷延性起立性低血圧の起立時血圧(BP)、心拍数(HR)反応を示している。
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年

新起立試験法によるサブタイプ判定

サブタイプ判定は、起立直後血圧回復時間の検査値によって、まず起立直後性低血圧(INOH)を診断し、それに該当しなければ順次、遷延性起立性低血圧→体位性頻脈症候群→血管迷走神経性失神の順に診断する。
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年

身体的重症度の判定

新起立試験の結果、および症状や日常生活状況から、軽症、中等症、重症のいずれかを判定して下さい。
出典
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年

「心身症としてのOD」診断チェックリスト

保護者への問診、ならびに子どもへの問診・診察によって医師が判定して下さい。
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年

重症度・心理社会的関与に応じた治療的対応の組み合わせ

身体的重症度を身体的重症度の判定(表[ID0605])に従って判定し、心理社会的関与の有無を「心身症としてのOD」診断チェックリスト(表[ID0606])に従って判定し、両者の結果から、矢印のような治療を組み合わせる。
すべての症例で①②を実施し、重症度と社会心理的関与に合わせて③④⑤⑥を加える。症状が改善しない場合には、治療中に重症度や社会心理的関与を見直すようにする。
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年

重症OD短期入院クリニカルパスのサンプル(12日間コース)

横軸は入院期間(Day)であり、その間に実施する診療内容である。患児の客観的所見(Subjective)、症状や訴え(Objective)、就寝時刻を記録する。体重測定、1日尿量、Tilt training、院内学級、子どもに説明、保護者説明は○印を参考に実施する。空欄は医師の判断で記録する。
出典
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1: 日本小児心身医学会:専門医向け小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン2011.子どもの心とからだ 2012;21:191-214.

入院治療の適応条件

起立性調節障害、難治例に対する入院治療基準、患児、保護者、医療機関のそれぞれの条件を満たした場合に適応となる。
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1: 日本小児心身医学会:専門医向け小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン2011.子どもの心とからだ 2012;21:191-214.

新起立試験実施上における重要な注意点のまとめ

  1. 検査は、できる限り午前中に行う。昼夜逆転の子どもでは、午後に検査をしても異常がみられることもあるので、午後に検査をしても異常があれば、それを暫定診断とする。
  1. 検査には最低20分を要するので、看護師などのスタッフに助手をさせる。
  1. 外来でも喧噪な場所ではなく、点滴室などの静かなところで実施する。
  1. 臥位は10分以上、保つこと。その間に、道具を揃え血圧計、聴診器を患者に装着するなど、助手に指示を与える。
  1. 臥位時の血圧を3回測定し、収縮期血圧の中央値(110、106、104であれば106が中央値)を求める。
  1. もし、異常が認められなくても、日を替えて再検する。
  1. 再検しても異常がなければ、新起立試験で判断できない起立性調節障害の可能性を説明したうえで、不登校診療ガイドラインによる診療も進める。
  1. ガイドライン「新起立試験の手順3」において「この時、聴診器ではコロトコフ音はわずかに聴取できるか、できないかの状態である」とあるが、その理由を以下に記載する。
起立直前にカフに送気して中間値に設定するが、この際に聴診器から聞こえる血管音がわずかに聞こえるか、あるいは聞こえにくい状態にしておくことが大切である(図○印)。もし、血管音がよく聞こえている状態であれば(図×印)、実際の収縮期血圧よりもカフ圧が低くなっているので、血圧回復時間が短く測定される。したがってカフ圧を微調整し少し高くして、血管音がわずかに聞こえるか、あるいは聞こえにくい加圧ポイントに設定することがコツである。この微調整を行わなければ、検査の感度が著しく低下する。
 臥位の血圧測定を3回行ったのち、収縮期血圧の中間値を決定し、カフに送気して圧をその値に設定したら、上記下線部の操作を行うことが望ましい。
出典
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年

起立性調節障害診断の手順

この診断の手順は、ODガイドライン(英語版2009)を基にして作成した。2012年より、失神既往のある小児に対してはヘッドアップティルト試験を追加した。
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1: 日本小児心身医学会編:心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年 (改変あり)

新起立試験法の準備と実施手順

[ID0602]:起立後血圧回復時間の測定
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1: 日本小児心身医学会編:小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン 心身医学会ガイドライン集改訂第2版、南江堂、2015年