- 検査は、できる限り午前中に行う。昼夜逆転の子どもでは、午後に検査をしても異常がみられることもあるので、午後に検査をしても異常があれば、それを暫定診断とする。
- 検査には最低20分を要するので、看護師などのスタッフに助手をさせる。
- 外来でも喧噪な場所ではなく、点滴室などの静かなところで実施する。
- 臥位は10分以上、保つこと。その間に、道具を揃え血圧計、聴診器を患者に装着するなど、助手に指示を与える。
- 臥位時の血圧を3回測定し、収縮期血圧の中央値(110、106、104であれば106が中央値)を求める。
- もし、異常が認められなくても、日を替えて再検する。
- 再検しても異常がなければ、新起立試験で判断できない起立性調節障害の可能性を説明したうえで、不登校診療ガイドラインによる診療も進める。
- ガイドライン「新起立試験の手順3」において「この時、聴診器ではコロトコフ音はわずかに聴取できるか、できないかの状態である」とあるが、その理由を以下に記載する。
起立直前にカフに送気して中間値に設定するが、この際に聴診器から聞こえる血管音がわずかに聞こえるか、あるいは聞こえにくい状態にしておくことが大切である(図○印)。もし、血管音がよく聞こえている状態であれば(図×印)、実際の収縮期血圧よりもカフ圧が低くなっているので、血圧回復時間が短く測定される。したがってカフ圧を微調整し少し高くして、血管音がわずかに聞こえるか、あるいは聞こえにくい加圧ポイントに設定することがコツである。この微調整を行わなければ、検査の感度が著しく低下する。
臥位の血圧測定を3回行ったのち、収縮期血圧の中間値を決定し、カフに送気して圧をその値に設定したら、上記下線部の操作を行うことが望ましい。