PVLの好発部位
脳室周囲から深部白質に向かう動脈と、脳表面から脳室へ向かう動脈との境界領域が、脳循環の低下により容易に虚血状態となり得る。
出典
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仁志田博司:新生児学入門 第2版.医学書院1994;341.
PVLと皮質脊髄路
下肢が障害を受けやすく、範囲が広いと体幹、上肢まで及ぶ
出典
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仁志田博司:新生児学入門 第2版.医学書院1994;343
脳性麻痺児の腹臥位
股関節が屈曲し、下肢の内転・足底屈がみられる。障害が体幹・上肢まで及んでいる場合は、肩の背部への引き込みが強く、頭部の挙上と保持が難しい。
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脳性麻痺児のずりばいと、正常児のずりばい
a:脳性麻痺児。肩の引き込みがみられ、手も握り傾向。股関節は伸展・内転し、足は底屈、交互性が乏しい。
b:正常児。上肢が前に出て、下肢の交互性あり。
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脳性麻痺児の立位
a:股関節内旋、内転、足関節底屈し踵が床より離れている。
b:踵は床についているが、股関節を屈曲させ下肢を過進展にしている。
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脳室周囲白質軟化症(PVL)の診断基準
PVEは1~3度に分けられる。持続性PVE2度やPVE3度は、その後cystic PVLに移行する場合があるため注意して経過を追う。
修正1歳前後で痙性所見が認められた場合、脳MRI検査で、上記2. (1)~(3)の所見があれば確定診断となる。
出典
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戸苅 創: 平成9年度厚生省心身障害研究「新生児期の疾患とケアに関する研究」
PVL (end-stageの画像)
①室拡大と壁不整、②白質容量の減少、③脳室周囲にT2強調像で高吸収域、T1強調像で低吸収域、FLAIRで高吸収域の部位あり。
a:T1
b:T2
c:FLAIR
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修正満期ごろに撮影したMRI画像
T1強調画像で脳室周囲に高信号域の点状所見
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PVLの超音波画像
脳室周囲高輝度領域(PVE)のなかに、嚢胞性病変が出現(cystic PVL)
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筋弛緩薬の使い方
第1を選択として、ジアゼパムが挙げられる。特に精神的緊張に起因する過緊張に対して有効である。ただし、分泌物増加に注意する。フェノバルビタールが有効な場合もあるが、呼吸抑制に注意する。軽減しない場合は、バクロフェンやダントリウムを加える。痛みを伴う場合は、テルネリンが有効である。
出典
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北住映二: 監修 江草 安彦. 重症心身障害療育マニュアル 第2版. 医歯薬出版, P82
典型的症例集(1)の在胎37週相当の頭部MRI 画像
脳室周囲後角~体部~前角まで及ぶ嚢胞形成、脳室拡大と壁不整、脳室周囲白質量の減少がみられる。
a:T1画像
b:T2画像
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典型的症例集(2)の頭部MRI画像
a:修正満期。脳室周囲の嚢胞性病変、脳室拡大と壁不整、白質周囲の減少がみられる。(a-1:T1画像、a-2:T2画像)
b:修正8カ月。嚢胞は癒合し脳室拡大と壁不整が明らかになる。白質の減少、そして、脳室周囲にT2で高吸収域がみられる。(b-1:T1画像、b-2:T2画像、b-3:FLAIR画像)
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典型症例集(3)の頭部MRI画像
a:修正満期。嚢胞性病変や脳室拡大は明らかには認められないが、脳室周囲のT1で高吸収域の点状所見が認められる。(a-1:T1画像、a-2:T2画像)
b:修正1歳時。脳室拡大と壁不整、T2強調画像での脳室周囲高吸収域、白質減少がみられる。(b-1:T1画像、b-2:T2画像、b-3:FLAIR画像)
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典型症例集(4)の頭部MRI画像
嚢胞性病変、脳室拡大と壁不整、T2強調画像での脳室周囲高吸収域、白質減少が認められる。
(a:T1画像、b:T2画像、c:FLAIR画像)
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PVLの脳MRI(end-stage PVL)
側脳室の拡大と壁不整、白質容量の減少、T2強調画像で高吸収域
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PVLの診断まで
NICC入院中、ベッドサイドで行う超音波検査でcystic PVLが認められない場合でも、退院前の脳MRIでPVL所見が認められることがある。退院前の脳MRIで明らかなPVL所見がなかった場合、もしくは、脳MRI検査を施行しなかった場合でも、乳幼児期に痙性所見が出現したら脳MRI検査をする。また、いったん歩行を獲得した場合でも、転びやすいという症状があり、神経学的所見が陽性な場合は脳MRI撮影し評価する。
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