珪肺、気胸合併例
70歳代男性、左胸痛を主訴に来院。HRCTで卵殻状石灰化(eggshell calcification)と左気胸を認める。胸腔ドレナージを施行し改善した。
a:胸部X腺
b:HRCT
出典
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原澤寛先生ご提供
珪肺、肺気腫、気胸合併例
80歳代男性、労作時呼吸困難を主訴に来院。HRCTで進行性塊状線維化巣(progressive massive fibrosis、PMF)、肺気腫、気胸と心不全による両側胸水を認める。
a:胸部X腺
b:HRCT(右)
c:HRCT(左)
出典
1:
原澤寛先生ご提供
珪肺、肺癌合併例
80歳代男性。右下葉結節影が増大し、気管支内視鏡を施行。非小細胞肺癌(腺癌、T2aN0M0 病期分類 ⅠB期)の診断を得た。低肺機能のため定位放射線治療を施行した。
a:胸部X腺
b:HRCT
c:気管支内視鏡
出典
1:
原澤寛先生ご提供
珪肺、続発性気管支炎例
70歳代男性。膿性痰が持続する。HRCTで両側肺野に小粒状陰影を認める。
a:胸部X腺
b:HRCT(右肺)
出典
1:
原澤寛先生ご提供
アスベスト肺
80歳代男性。HRCTで胸膜下線状影(subpleural curvilinear shadow)(b:黒矢印)や胸膜下粒状影(subpleural dotlike opacities)を認める。特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis、IPF)との鑑別にこれらの所見が重要である。胸膜プラークを横隔膜面にも認める(c:白矢印)。
a:胸部X線
b、c:HRCT
出典
1:
原澤寛先生ご提供
珪肺
80歳代男性。HRCTで肺野に粒状影を認める。縦隔リンパ節は石灰化を伴って腫大、進行例で卵殻状石灰化(eggshell calcification)を呈する。
a:胸部X腺
b:HRCT(右)
c:CT縦隔条件
d:CT縦隔条件
出典
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原澤寛先生ご提供
珪肺、喀血例
70歳代男性。喀血が出現し、気管支動脈塞栓術(BAE)で止血した。
a:胸部X腺
b:HRCT(右)進行性塊状線維化巣(progressive massive fibrosis、PMF)と胸膜肥厚を認める。
c:BAE前
d:BAE後
出典
1:
原澤寛先生ご提供
中皮腫例
80歳代女性。右胸水貯留で入院。胸腔鏡下胸膜生検で中皮腫と診断、その後、呼吸不全で死亡。剖検像で胸膜プラークを認める(b)。光顕像(x10)(c)でHE染色で腫瘍細胞を認め、免疫染色でCalretinin、D2-40陽性(CEA陰性)である。
a:胸部X腺
b:胸膜プラーク
c:光顕像
出典
1:
獨協医科大学日光医療センター病理部・加藤洋前特任教授より提供
じん肺の種類
じん肺は起因物質により分類される。
参考文献:
滝沢敬夫:図説病態内科講座.メジカルビュー社,1994;271.
出典
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原澤寛先生ご提供
じん肺のX線写真分類
じん肺の所見が認められた場合、数字が大きいほうが病変が進んでいることを示している。第1型から第3型は小陰影、第4型は大陰影といわれる。
出典
1:
桑原敬一:じん肺診査ハンドブック.労働省安全衛生部労働衛生課編.中央労働災害防止協会,1987;35.
じん肺管理区分
「じん肺管理区分」とは、じん肺健康診断の結果に基づきじん肺そのものを区分したものである。管理2以上はじん肺の所見があるということを示している。数字が大きくなるに従い、じん肺が進行している。なお、「じん肺管理区分」は地方じん肺審査医による審査を行って、都道府県労働局長により決定される。
出典
1:
桑原敬一:じん肺診査ハンドブック.労働省安全衛生部労働衛生課編.中央労働災害防止協会,1987;109.
じん肺管理区分の措置
じん肺の法的定義では、軽度のじん肺を管理2、中程度を管理3、重度を管理4としている。事業者は、管理2および管理3 ロと決定された労働者の粉じん曝露を減らす努力が必要となる。管理3 イ、管理3 ロと決定された場合、都道府県労働局長が事業者に対し作業転換の勧奨や指示を行う。
出典
1:
桑原敬一:じん肺診査ハンドブック.労働省安全衛生部労働衛生課編.中央労働災害防止協会,1987;119.
アスベスト高度曝露例における線維化肺胞中隔内のアスベスト小体
アスベストは、肺へのアスベスト線維沈着による間質の線維化を生じる。提示例では、多数のアスベスト小体を認める。
出典
1:
Kevin O. Leslie MD and Mark R. Wick MD:Practical Pulmonary Pathology: A Diagnostic Approach, Third Edition. Elsevier,2017, Chapter 10, 335-364.e3, Figure 10.32.
珪肺(70歳代、男性)
a:胸部X線写真
b:胸部CT。両側肺門に卵殻状石灰化陰影(egg shell calcification)を伴っている。
c:胸部CT。両側肺野に粒状影を認める。
出典
1:
原澤寛先生ご提供
じん肺、肺炎合併例(胸部X線)
a:発症前
b:発症後
出典
1:
原澤寛先生ご提供
じん肺、肺炎合併例(胸部CT)
a:発症前
b:発症後
出典
1:
原澤寛先生ご提供
初診時のじん肺管理計画
じん肺管理区分で、管理4と管理2、3 イ、3 ロで合併症に罹患しているときは、労災補償の対象となる。じん肺に伴う合併症として定められているものは、肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎、続発性気管支拡張、続発性気胸、続発性肺癌である。
出典
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原澤寛先生ご提供