粘液膿性子宮頸管炎(Mucopurulent Cervicitis、MPC)
クラミジアによる頸管炎は粘液膿性の頸管滲出液を認め、また頸管上皮は易出血性を呈することが多い。腟鏡診における局所所見では、淋菌、クラミジアまた重複感染を鑑別することができないため、これらの同時検査が必要である。
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クラミジア上行性感染の病態と合併症
クラミジア感染症を治療せず放置すると、約10%が上行性感染によるPIDを発症する。卵管炎は、卵管閉塞や卵管周囲癒着を引き起こし、卵管妊娠や不妊症の原因になる。卵管峡部と卵管采が同時に閉塞すると卵管水腫となる。
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FHCSでみられる肝周囲癒着
FHCSでは、肝表面と壁側腹膜の間に線維性の癒着(violin-string adhesion)が確認される。
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フィルム様癒着
クラミジア卵管炎により卵管周囲に形成されたフィルム様癒着
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定点あたり性感染症報告数の年次推移(女性)
性器クラミジア感染症は、2000~2015年の推移をみると、2002年までの増加から2003年に減少に転じた。その後、減少傾向が続いたが、2016年以降は微増傾向にある。
参考文献:
厚生労働省HPデータ(https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html)
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年齢別にみた性器クラミジア感染症の定点あたり報告数の年次推移(女性)
男女ともに、これらから妊娠、出産を控えた10歳代後半から20歳代が罹患者の大部分を占める。
参考文献:
厚生労働省HPデータ(https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html)
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クラミジア・淋菌の同時検出が可能な核酸増幅検査
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腹部造影CT(門脈優位相)
FHCSでは、造影CTの動脈優位相において肝被膜の濃染像を認める。これらの濃染像は、急性腹症のスクリーニングで通常実施される門脈優位相では確認されないことが多い。このため、FHCSを疑う症例に対して造影CTを行う場合は、門脈優位相だけでなく動脈優位相を確認する。
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腹部造影CT(動脈優位相)
FHCSでは、造影CTの動脈優位相において肝被膜の濃染像を認める。これらの濃染像は、急性腹症のスクリーニングで通常実施される門脈優位相では確認されないことが多い。このため、FHCSを疑う症例に対して造影CTを行う場合は、門脈優位相だけでなく動脈優位相を確認する。
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PID鑑別診断のためのフローチャート
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一般社団法人 日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療 ガイドライン 2020. 診断と治療社, 2020, p.27. 図1.
クラミジア・淋菌性子宮頸管炎の診断・治療の流れ
クラミジアと淋菌の重複感染例は、経口キノロン薬あるいは経口アジスロマイシンとセフトリアキソン注射薬を併用し個別に治療と治癒判定を実施する。
現在、単剤でクラミジアと淋菌の重複感染を確実に治療できる抗菌薬は、存在しない。
クラミジア、淋菌感染の治療後も症状が改善しない場合は、マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査(核酸増幅法)を検討する(参考:産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023 CQ101)
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