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妊娠初期における双胎膜性診断のステップ(フローチャート)

Step 1:絨毛膜性診断
子宮内の胎嚢の数を数える。胎嚢の数と絨毛膜の数は一致するため、胎嚢が2つ確認できれば2絨毛膜双胎である。また、胎嚢が1つの場合は単胎か1絨毛膜双胎である。
Step 2:胎児(胎芽)の数を数える
1つの胎嚢に1つの胎芽(胎児)が原則である。2つの胎嚢でそれぞれに胎芽(胎児)が確認できれば、2絨毛膜双胎と診断する(2絨毛膜2羊膜双胎)。一方の胎嚢に胎芽(胎児)が確認できない、もしくは、確認できても胎芽(胎児)心拍動を認めない場合は2絨毛膜双胎のvanishing twinである。
胎嚢が1つで胎芽(胎児)も1つなら単胎である。しかし、胎嚢が1つで、その中に胎芽(胎児)を2つ確認できれば、1絨毛膜双胎であり、Step 3の羊膜膜性診断へ進む。
Step 3:羊膜膜性診断(羊膜の数を数える)
胎芽(胎児)と胎芽(胎児)の間に羊膜の隔壁を認めれば1絨毛膜2羊膜双胎と診断する。羊膜の隔壁を認めず、両方の胎芽(胎児)を取り囲むように1つの羊膜を認めれば、1絨毛膜1羊膜双胎と診断する。ただし、羊膜の膜性診断は難しいため、1絨毛膜1羊膜双胎を疑った場合は、繰り返し検査を行い、診断を確定させる。
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1: 村越毅:【産婦人科画像診断トレーニング-この所見をどう読むか?】周産期 症例:妊娠初期(3). 臨床婦人科産科 2017年増刊号:17-22

妊娠中期の膜性診断

妊娠14週以降などで、絨毛膜と羊膜が癒合したあとでは、絨毛膜と羊膜の数を直接数えることが困難となるため、表の所見を参考にして膜性診断を行う。しかし、pit fallが存在することを念頭に置く必要がある。
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1: 著者提供

双胎分娩様式を決定するために大切な情報

双胎分娩様式を決定するためには、表の母体情報および胎児情報を収集し、施設の基準に合わせて経腟分娩か帝王切開かを決定することが大切である。
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1: 村越毅:症例から学ぶ周産期医学 4)分娩 多胎妊娠.日産婦誌 2005;57(9):N284-290.(改変あり)

双胎分娩管理に必要な設備および人材

双胎経腟分娩管理を行うために必要な設備および人材は、表を参考に各施設で基準を決めておくことが大切である。
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1: 村越毅:症例から学ぶ周産期医学 4)分娩  多胎妊娠.日産婦誌 2005;57(9):N284-290.

超音波検査による妊娠初期の膜性診断

a:DD双胎では胎児と胎児の間(羊膜と羊膜の間)に絨毛膜が存在する。
b:MD双胎では絨毛膜が全周にわたって存在し、胎児と胎児の間は羊膜のみである。
c:MM双胎では1つの絨毛膜のなかに1つの羊膜と2つの胎児を認める。胎児と胎児の間に隔膜は認めない。
d:MM双胎では臍帯相互巻絡の所見も診断に有用である。
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1: 村越毅:【ハイリスク妊娠・分娩の予知・予防の最前線】多胎妊娠 膜性診断の重要性. 周産期医学 2011; 41: 459-465.

妊娠中期における膜性診断

a:2絨毛膜2羊膜双胎:隔膜の起始部はいわゆるラムダサインを示している。起始部の三角部分の内側にも絨毛(白い高輝度エコー)が確認できる。
b:1絨毛膜2羊膜双胎:隔膜の起始部はT字を示しており、角を持って鋭く立ち上がっている。絨毛膜との連続性もない。
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1: 村越毅:【ハイリスク妊娠・分娩の予知・予防の最前線】多胎妊娠 膜性診断の重要性. 周産期医学 2011; 41: 459-465.

双胎間輸血症候群の病態

共有胎盤での吻合血管を通じたシャント血流の不均衡により両児間の血流アンバランスが生じることが原因と考えられている。いずれの児も病態の最終像は胎児死亡である。
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1: 著者提供

双胎間輸血症候群における羊水過多過少

a:羊水過多の児(受血児)は多尿により膀胱が大きい。
b:羊水過少の児(供血児)は子宮胎盤壁にstuckしており、羊膜は胎児部分にテント状に張っている。
c:stuck twinが高度になると膜が描出困難となる。胎児の周囲をよく確認することのより隔膜と羊水腔が確認できる。
出典
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1: 村越毅:卒後研修プログラム 6.双胎間輸血症候群の管理.日産婦誌 2007;59(9):N588-595.

双胎間輸血症候群のStage分類(Quintero分類)

双胎間輸血症候群と診断したら(羊水過多≧8 cm、かつ、羊水過少≦2 cm)、表に従いstage分類を行う。
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1: Staging of twin-twin transfusion syndrome.
著者: R A Quintero, W J Morales, M H Allen, P W Bornick, P K Johnson, M Kruger
雑誌名: J Perinatol. 1999 Dec;19(8 Pt 1):550-5.
Abstract/Text: OBJECTIVE: The purpose of this study was to evaluate the prognostic value of sonographic and clinical parameters to develop a staging classification of twin-twin transfusion syndrome (TTTS).
STUDY DESIGN: Severe TTTS was defined as the presence of polyhydramnios (maximum vertical pocket of > or = 8 cm) and oligohydramnios (maximum vertical pocket of < or = 2 cm). Nonvisualization of the bladder in the donor twin (-BDT) and absence of presence of hydrops was also noted. The middle cerebral artery, umbilical artery, ductus venosus, and umbilical vein in both fetuses were assessed with pulsed Doppler. Critically abnormal Doppler studies (CADs) were defined as absent/reverse end-diastolic velocity in the umbilical artery, reverse flow in the ductus venosus, or pulsatile flow in the umbilical vein. TTTS was staged as follows: stage I, BDT still visible; stage II, BDT no longer visible, no CADs; stage III, CADs; stage IV, hydrops; stage V, demise of one or both twins. Laser photocoagulation of communicating vessels (LPCV) or umbilical cord ligation was performed depending on the severity of the condition. The study was approved by the Institutional Review Board of St. Joseph's Hospital in Tampa and by the Fetal Therapy Board at Hutzel Hospital, Detroit, and all patients gave informed consent.
RESULTS: A total of 80 of 108 referred patients met criteria for surgery, but only 65 were treated surgically: 48 with LPCV and 17 with umbilical cord ligation. Complete Doppler data were obtainable in 41 of 48 LPCV patients. Survival rates by stage for one or two fetuses were statistically different (chi-squared analysis = 12.9, df = 6, p = 0.044). Neither percent size discordance nor gestational age at diagnosis were predictive of outcome.
CONCLUSION: Staging of TTTS using the proposed criteria has prognostic significance. This staging system may allow comparison of outcome data of TTTS with different treatment modalities.
J Perinatol. 1999 Dec;19(8 Pt 1):550-5.
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2: 村越毅:卒後研修プログラム 6.双胎間輸血症候群の管理.日産婦誌 2007;59(9):N588-595.

双胎一児死亡と診断したときのチェックリスト

双胎一児死亡時の生存時のリスクは、膜性診断や母体因子(母体合併症など)により異なる。系統的な検索が必要である。
出典
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1: 村越毅:【外来診療マニュアル】周産期 多胎妊娠. 産婦人科の実際 2010;59(11):1812-1818.

無心体双胎(twin reversed arterial perfusion sequence)の病態

1絨毛膜双胎で一児の心臓が欠損(無心体)もしくは痕跡的である場合、動脈-動脈吻合が存在すると、健常児(ポンプ児)から拍出された血流が胎盤を介さずに動脈-動脈吻合を経由し、もう一方の児の臍帯を逆行性に流れ無心胎へ流入する。無心体は心臓がなくてもポンプ児からの血流で増大する。
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1: 著者提供

双胎妊娠における胎位と分娩様式

分娩様式は、明らかな産科適応(胎児機能不全、児頭骨盤不均衡など)がある場合は単胎の基準に準じるが、そうでない場合は両児の胎位の組み合わせにおいて分娩様式が検討される。
双胎分娩の分娩様式についての定説はないが、妊娠週数や推定体重に加えて、各施設での骨盤位経腟分娩、緊急帝王切開、新生児管理などの対応状況を加味して決定される。両児ともに頭位の場合は経腟分娩が選択され、先進児が非頭位の場合は帝王切開が選択されることが多い。
分娩様式の決定については、以下のリスク評価を行う
  1. 妊娠週数および推定体重
  1. 両児間の体重差
  1. 胎盤の位置および数
  1. 膜性診断
  1. 胎位評価(特に先進部の評価)
  1. 臍帯の位置(下垂、巻絡の有無)
経腟分娩管理中は双胎用の胎児心拍数モニターを使用し両児の胎児心拍を同時にモニターすることが望まれる。また、超音波診断装置を使用し、分娩中の胎位や臍帯・先進部の位置などを評価する。
[ID0604]
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1: 著者提供

発育不全児の臍帯動脈波形によるsIUGRのtype分類

Type 1:拡張期が常に順行性
Type 2:拡張期が常に途絶もしくは逆流
Type 3:拡張期が周期的に逆流、途絶、順行性と繰り返す(動脈動脈吻合の影響を受けている)
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1: 著者提供

双胎間輸血症候群

a:受血児の膀胱は拡大し羊水過多を認める。
b:供血児は子宮壁に張り付きstuck twinとなっている。羊水空はほとんど認めない。
c:供血児の臍帯動脈は拡張期途絶を認める。
d:受血児は心拡大と三尖弁逆流を認める。
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1: 村越毅: 双胎間輸血症候群(TTTS). Japan Fetoscopy Group編. 一絨毛膜双胎 基本からUpdateまで. メジカルビュー社, 2007; 40-50.

双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)の適応と要約

2014年9月より適応が一部改訂され妊娠26週0日から27週6日までのTTTS では羊水過少≧10 cm、羊水過少≦20 cmにFLPが施行可能となった。
出典
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1: 左合治彦: 第9章 TTTSに対する治療. Japan Fetoscopy Group編. 一絨毛膜双胎 基本からUpdateまで. メジカルビュー社,2007; 141-157.

妊娠初期における双胎膜性診断のステップ(フローチャート)

Step 1:絨毛膜性診断
子宮内の胎嚢の数を数える。胎嚢の数と絨毛膜の数は一致するため、胎嚢が2つ確認できれば2絨毛膜双胎である。また、胎嚢が1つの場合は単胎か1絨毛膜双胎である。
Step 2:胎児(胎芽)の数を数える
1つの胎嚢に1つの胎芽(胎児)が原則である。2つの胎嚢でそれぞれに胎芽(胎児)が確認できれば、2絨毛膜双胎と診断する(2絨毛膜2羊膜双胎)。一方の胎嚢に胎芽(胎児)が確認できない、もしくは、確認できても胎芽(胎児)心拍動を認めない場合は2絨毛膜双胎のvanishing twinである。
胎嚢が1つで胎芽(胎児)も1つなら単胎である。しかし、胎嚢が1つで、その中に胎芽(胎児)を2つ確認できれば、1絨毛膜双胎であり、Step 3の羊膜膜性診断へ進む。
Step 3:羊膜膜性診断(羊膜の数を数える)
胎芽(胎児)と胎芽(胎児)の間に羊膜の隔壁を認めれば1絨毛膜2羊膜双胎と診断する。羊膜の隔壁を認めず、両方の胎芽(胎児)を取り囲むように1つの羊膜を認めれば、1絨毛膜1羊膜双胎と診断する。ただし、羊膜の膜性診断は難しいため、1絨毛膜1羊膜双胎を疑った場合は、繰り返し検査を行い、診断を確定させる。
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1: 村越毅:【産婦人科画像診断トレーニング-この所見をどう読むか?】周産期 症例:妊娠初期(3). 臨床婦人科産科 2017年増刊号:17-22

妊娠中期の膜性診断

妊娠14週以降などで、絨毛膜と羊膜が癒合したあとでは、絨毛膜と羊膜の数を直接数えることが困難となるため、表の所見を参考にして膜性診断を行う。しかし、pit fallが存在することを念頭に置く必要がある。
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1: 著者提供