新生児の非典型的外性器
46,XX 性分化疾患を有する児である。陰核肥大、陰唇融合を認める。
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ターナー症候群患者の性染色体
代表的なXモノソミー(45,X)、環状X染色体、同腕X染色体、X染色体長腕欠失を示した。ターナー症候群には、X染色体の数的異常と構造異常が含まれる。モザイク核型を有する症例も多い。
a:Xモノソミー
b:環状X染色体
c:同腕X染色体
d:X染色体長腕欠失
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性分化のメカニズム
Y染色体上のSRYが存在する場合は、未分化性腺にセルトリ細胞が分化する。ミュラー管抑制物質が分泌され、子宮の形成が抑制される。また、ライディッヒ細胞が発生してテストステロンが分泌される。
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46,XY性腺形成不全症(Swyer症候群)患者の腹腔鏡検査所見
核型は46,XYであったため腹腔鏡検査を施行し、診断を確定した。子宮や卵管様器官の発生はあるが、性腺は痕跡的である。
a:46,XY性腺形成不全症患者の内性器全体像
b:左性腺の拡大像
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アンドロゲン不応症患者の腹腔内所見
矢印:精巣
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46,XY性腺形成不全症患者の摘出性腺腫瘍病理組織
原始精索(a)、 性腺芽腫(b)、 未分化胚細胞腫(c)の混在がある。未分化胚細胞腫は境界悪性に区分される。
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46,XY性分化疾患患者の腹腔鏡所見および摘出性腺病理組織像
核型は46,XY。腹腔内には子宮や卵管の発生がなく、精細管周囲間質にLeydig(ライディッヒ)細胞は認められなかった。
a:腹腔鏡写真
b:性腺病理組織像
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ターナー症候群患者の成長曲線
学童期に低身長を指摘されることが多い。本性に特徴的な身体所見として、翼状頚、外反肘、毛髪線低位などが知られるが、これらの症状を欠く症例も多い。染色体検査によって診断が確定する。成長ホルモン投与の対象となる。卵巣機能不全に対しては、通常、思春期相当年齢で少量のエストロゲン剤の投与を開始し、数年かけて漸増させる。
出典
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ターナー身長曲線研究会:Growth Curve for Turner’s Syndrome, 1991、山之内製薬(株)臨床統計部、東京
代表的性分化疾患
出典
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日本小児内分泌学会性分化委員会編:性分化異常症の管理に関する合意見解,日本小児科学会雑誌 112:565-578, 2008,p566,表2.
非典型的な外性器を呈する新生児
出生当日の新生児。陰核・陰唇肥大を伴う非典型的外性器である。本例は染色体検査により45,X/46,XY/47,XYY核型を有する性染色体性性分化疾患と判明した。
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性分化疾患の鑑別診断
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日本小児内分泌学会性分化委員会他編:性分化疾患初期対応の手引き(2011.1策定),日本小児科学会雑誌,115:7-12,図1,2011.
構造異常Y染色体
原発無月経患者の染色体分析でマーカー染色体があり、その由来をY染色体についてFISH解析した2例(SRYを含むY染色体短腕欠失があり、女性型身体所見を呈していた)。このようなケースは、性腺腫瘍の発生に注意を要する。
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ターナー症候群患者の腹腔鏡所見
28歳患者が妊孕性を検査する強い希望があり、腹腔鏡検査をした。右性腺は痕跡的であった(矢印)。
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思春期年齢以降のターナー症候群患者に対するホルモン投与法
エストロゲン剤少量投与の方法を示す。成長ホルモンとの併用によって身長増加が期待される。
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性腺の悪性腫瘍のリスクと推奨される取り扱い
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日本小児内分泌学会性分化委員会編:性分化疾患対応の手引き(小児期),p5,表2.
非典型的外性器を有する新生児の診断フローチャート
主な性分化疾患を示す。なお図中の「真性半陰陽」は歴史的な語であり現在は用いられない。「卵精巣性性分化疾患」とすることが推奨される。
出典
1:
日本小児内分泌学会性分化委員会編:性分化異常症の管理に関する合意見解,日本小児科学会雑誌 112:565-578, 2008,p573,図1.