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外耳道炎、外耳道湿疹治療フローチャート

急性限局性外耳道炎、急性びまん性外耳道炎、慢性外耳道炎、外耳道湿疹の治療方針を示す。
急性限局性外耳道炎の場合、切開排膿、局所への薬剤塗布が主体となる。
急性びまん性外耳道炎、慢性外耳道炎、外耳道湿疹のいずれにおいても局所処置はきわめて重要である。病態に応じで抗菌薬の全身投与を考慮する。痒みの強い症例に対しては抗ヒスタミン薬の内服を行う。いずれにしても真菌関与の有無を鑑別することが重要である。
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外耳道処置

綿棒での外耳道処置。外耳道に新たな損傷を加えないようにやさしく丁寧に処置を行う。急性外耳道炎、慢性外耳道炎、外耳道湿疹において局所処置は最も基本的な治療であり、丁寧な耳垢除去、デブリの除去、滲出液の清掃、局所製剤の塗布は顕微鏡下に行われるべきである。

外耳道の形態(模式図)

外耳道の外側1/3は軟骨部外耳道、内側2/3は骨部外耳道と呼ばれ、軟骨部外耳道には耳毛、皮脂腺、耳垢腺、汗腺などの皮下付属組織が存在するが、骨部外耳道は皮膚層が薄く骨と密に接合している。外耳道入口部の毛包や皮脂腺などに細菌感染が起こった場合、限局性外耳道炎となり、一般に癤の形をとる。骨部外耳道は皮膚の可動性がないため外力で容易に傷がつきやすく皮膚炎を起こしやすい。湿気、局所の外傷により急性びまん性外耳道炎を引き起こす。外耳道の生理的な特徴として表層の角化物が外耳道入口部方向へ排出される自浄作様に加えpH 5.0のアポクリン腺分泌液により酸性の状態に維持し病原菌の発育を抑制している。この自浄作用に破綻を来すと外耳道炎を生じる。
外耳道炎は臨床的な診断名である。
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急性びまん性外耳道炎

耳介所見。耳介、耳介周囲の皮膚の発赤が認められる(a)。外耳道所見。外耳道の50%以上に及ぶ腫脹があり、鼓膜が全体の観察が困難である。骨部外耳道には水疱形成が認められる(b)。CTでは外耳道皮下の腫脹が確認される。乳突洞、鼓室には軟部陰影は認められない(c)。鼓室、乳突洞の陰影の有無が中耳疾患との鑑別のうえで重要となる。
a:耳介所見。
b:外耳道所見。
c:CTでは外耳道皮下の腫脹が確認される。
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外耳道湿疹

耳鏡を挿入する前に耳介、外耳道入口部全体の確認を行う。
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乳様突起炎:側頭骨CT

急性中耳炎から乳様突起炎を来し、側頭骨皮質骨を破壊している。
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処置に用いる綿棒

繊細な処置のできる細い綿棒と浸出液のふき取りや術後耳など広い空間の処置に適した先端の柔らかい太い綿棒。少なくとも2種類の綿棒を用意しておく。
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外耳道癌(扁平上皮癌)

右外耳道癌
45歳、女性。2年前から右耳漏が出現し、治療を受けていたが改善しなかった。経過中MRSA感染が確認され、MRSA感染による外耳道炎と治療を受けていたが、肉芽病変が増大し、生検を施行されたところ扁平上皮癌が確認され、福島県立医科大学付属病院に紹介となった。
a:右外耳道深部の所見。鼓膜が確認できない。
b:外耳道入口部の所見。
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多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)、Wegener肉芽腫

a:治療前
b:治療1週間後
c:治療2週間後
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外耳道からの炎症波及

外耳道からの炎症が周囲組織に対してどのように波及するかを示したものである。外耳道軟膏のSantorini切痕、骨・軟骨移行部の間隙から前方、後方、上方(頭蓋底)に及ぶ経路が存在する。
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悪性外耳道炎

側頭骨CT:外耳道、鼓室の骨破壊と外耳道、鼓室に充満する軟部組織陰影。
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急性限局性外耳道炎と急性乳様突起炎の鑑別

急性外耳道炎:鼓室乳突洞に陰影はない。
a:急性外耳道炎の側頭骨CT所見。外耳道のみ軟部組織陰影で充満している。
b:急性乳様突起炎のCT所見。外耳道のみならず、鼓室内、乳突蜂巣内に軟部組織陰影が認められる。
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ステロイド外用薬の使用法

a:軟膏処置前の外耳道湿疹
b:軟膏処置後の状態
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急性外耳道炎における真菌感染

アスペルギルス属は黒色のものと白色のものが存在する。
a:黒色の菌糸を伴う病変が確認される。
b:白色の菌糸を伴う病変が確認できる。
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外耳道所見

手術例。痂皮が付着し、痂皮の表面に真菌が確認される。
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外耳道所見

綿状の真菌が確認される。
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診断フローチャート

耳の痒み、痛み、違和感、聴力低下、耳漏、開口障害を主訴とする患者の診断の流れを示す。
問診、臨床症状、視診、原因検索の組み合わせで診断を進めていくことになる。
 
オレンジのものは急性外耳道炎のとの鑑別で重要なもの、赤は特に鑑別が必要なもの、緑は慢性外耳道炎、外耳道湿疹との鑑別が重要な疾患を示す。
発熱を伴う場合:中耳炎の合併を考慮する。
耳介牽引痛・耳珠圧痛を認める場合:外耳道炎を疑う。
外耳道病変が進展した場合:所属リンパ節の腫脹を生じる。
耳介に湿疹を認め、顔面神経麻痺、めまい、難聴を認める場合:ヘルペス感染症を疑う。
耳介に湿疹がなく顔面神経麻痺、めまい、難聴を認める場合:広範囲に進展した外耳道病変(悪性外耳道炎、外耳道癌)を疑う。
開口障害を認める場合:外耳道前方への病変の進展を疑う。
痒みを訴える経過の長いものに関しては全身的な皮膚疾患との鑑別が重要である。
 
外耳道、鼓膜の観察を詳細に行い、細菌感染か真菌の関与によるものか判断する。
耳漏が認められた場合は、細菌培養を行う。
急激な経過なのか慢性の経過なのか確認する。
外耳道炎、外耳道湿疹を来しやすい生活習慣、誘因を問診しておく。
CTは外耳道の腫脹により鼓膜の確認ができない場合に行う。
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外耳道炎、外耳道湿疹治療フローチャート

急性限局性外耳道炎、急性びまん性外耳道炎、慢性外耳道炎、外耳道湿疹の治療方針を示す。
急性限局性外耳道炎の場合、切開排膿、局所への薬剤塗布が主体となる。
急性びまん性外耳道炎、慢性外耳道炎、外耳道湿疹のいずれにおいても局所処置はきわめて重要である。病態に応じで抗菌薬の全身投与を考慮する。痒みの強い症例に対しては抗ヒスタミン薬の内服を行う。いずれにしても真菌関与の有無を鑑別することが重要である。
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外耳道処置

綿棒での外耳道処置。外耳道に新たな損傷を加えないようにやさしく丁寧に処置を行う。急性外耳道炎、慢性外耳道炎、外耳道湿疹において局所処置は最も基本的な治療であり、丁寧な耳垢除去、デブリの除去、滲出液の清掃、局所製剤の塗布は顕微鏡下に行われるべきである。