耳の痒み、痛み、違和感、聴力低下、耳漏、開口障害を主訴とする患者の診断の流れを示す。
問診、臨床症状、視診、原因検索の組み合わせで診断を進めていくことになる。
オレンジのものは急性外耳道炎のとの鑑別で重要なもの、赤は特に鑑別が必要なもの、緑は慢性外耳道炎、外耳道湿疹との鑑別が重要な疾患を示す。
発熱を伴う場合:中耳炎の合併を考慮する。
耳介牽引痛・耳珠圧痛を認める場合:外耳道炎を疑う。
外耳道病変が進展した場合:所属リンパ節の腫脹を生じる。
耳介に湿疹を認め、顔面神経麻痺、めまい、難聴を認める場合:ヘルペス感染症を疑う。
耳介に湿疹がなく顔面神経麻痺、めまい、難聴を認める場合:広範囲に進展した外耳道病変(悪性外耳道炎、外耳道癌)を疑う。
開口障害を認める場合:外耳道前方への病変の進展を疑う。
痒みを訴える経過の長いものに関しては全身的な皮膚疾患との鑑別が重要である。
外耳道、鼓膜の観察を詳細に行い、細菌感染か真菌の関与によるものか判断する。
耳漏が認められた場合:細菌培養を行う。
急激な経過なのか慢性の経過なのか確認する。
外耳道炎、外耳道湿疹を来しやすい生活習慣、誘因を問診しておく。
CTは外耳道の腫脹により鼓膜の確認ができない場合に行う。