鼻すすり鼓膜所見
鼻すすりで症状が軽快するものを鼻すすり型耳管開放症とする。鼓膜内陥を起こし中耳疾患の原因となる。
鼓膜動揺
このように典型例では鼓膜の呼吸性動揺がみられる。特に、鼓膜が薄いと観察は容易である。
耳管開放症診断基準案2016
日本耳科学会で作成された簡便な診断基準。現在、わが国における唯一の診断基準である。特殊な装置がなくとも疑い例を抽出することが可能である。
出典
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日本耳科学会:「[https://www.otology.gr.jp/common/pdf/guideline_jikan2016.pdf 耳管開放症診断基準案2016]」 [https://www.otology.gr.jp/ 日本耳科学会]ホームページより
鼓膜の呼吸性動揺
内視鏡で見たところ。
症状から耳管開放症が疑われた場合には、内視鏡または顕微鏡下に鼓膜の動揺を観察する。
出典
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座位CT
耳管開放症の診断に有用。
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座位CT撮影例
a:正常
b:耳管開放症
出典
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鼓膜の呼吸性動揺の診断:耳管機能検査装置TTAG法による
客観的評価のために行われる。
a: TTAG法による診断
b:呼吸によるP1の変動に同期してP2が変動
c:正常
d:耳管開放症
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鼻すすり型耳管開放症:両耳病変と鼻すすりロック
a:真珠腫
b:上鼓室陥凹
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軟口蓋が上がらない音声⇒聴診による開放耳管の診断
開放した耳管を通して、患者の声が強く検者の耳に響く。
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耳管ピン挿入術
外来または短期入院で、局所麻酔(ときに全身麻酔)で施行
約30分
・鼓膜の麻酔;15~20分
・鼓膜切開・耳管ピン挿入・パッチ貼付;10~30分
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耳管開放症の治療
耳管開放症の治療法には、生活指導、薬物療法、耳管局所への治療、鼓膜操作、手術などさまざまなものがある。
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耳管開放症の原因
耳管開放症の原因は多彩である。原因が明らかでないこともあるが、背景にストレスがあることが多い。
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耳管開放症の原因は多様である
耳管周囲の解剖と耳管開放症の原因を示したもの。体重減少は耳管前方のオストマン脂肪体の減少を招き、耳管が緩みやすくなる。シェーグレン症候群は耳管腺の分泌減少を来す。口蓋裂・奇形・外傷は、耳管軟骨の変形から耳管開放症となることがある。三叉神経第三枝に障害が起こると、口蓋帆張筋の萎縮が起こり耳管開放症となる。上顎前方延長術は口蓋帆張筋を牽引し耳管が開く。腎透析・激しい運動は脱水により耳管開放症となる。中耳炎が原因となることもある。
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耳管機能不全診断と治療のアルゴリズム
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