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鼻中隔彎曲症 診断と治療のアルゴリズム

基本的には保存的治療から開始する。保存的治療については副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の保存的治療に準じた治療を行う。症状の改善を認めない場合に手術適応となる。
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鼻鏡で観察時の頭位について

第1頭位(a)と第2頭位(b)にて得られた所見を立体的に合成し、鼻中隔弯曲の評価を行う。
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1: 森山寛:鼻・副鼻腔外来.耳鼻咽喉科外来シリーズ1,メジカルビュー社,1999;14

左に凸のC型の鼻中隔弯曲(立体的に合成された鼻内所見)

2つの頭位より得られた所見を頭のなかで立体的に合成し、鼻中隔彎曲の程度を詳細に評価する。本症例では左に凸の高度な鼻中隔彎曲を認める(コンピュータ合成画像)。
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1: 森山寛:鼻・副鼻腔外来.耳鼻咽喉科外来シリーズ1,メジカルビュー社,1999;18

鼻中隔彎曲(櫛)の鼻腔内視鏡所見

左側鼻腔の前方から後方にかけて、鼻底部付近より徐々に中鼻甲介に向かう堤状の突起を認める。左側に圧排された下鼻甲介および中鼻甲介を認める。
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鼻中隔彎曲(棘および櫛)の鼻腔内視鏡所見

棘は中鼻甲介前端部の深さで認めることが多い尖鋭な突起である。
左側鼻腔に棘を認める。軽度の櫛も認める。棘により下鼻甲介が凹状となっている。
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S型彎曲の鼻腔内視鏡所見

左側鼻腔にて上方は右鼻腔側に彎曲し、下方は一度櫛を形成して左鼻腔側に突出後、再度右鼻腔側に彎曲している。
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前彎の鼻腔内視鏡所見

鼻中隔前端より皮膚粘膜移行部付近までの間に彎曲を認めるものを前彎と呼ぶ。鼻閉の原因となり通常の鼻中隔矯正術では矯正が難しいため、注意を要する。
右側鼻腔にて前端から強く彎曲する鼻中隔を認める。彎曲が強いため下鼻甲介の観察が難しい。
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鼻腔通気度

吸気および呼気での鼻腔通気の程度を示している。波形がY軸に近いほど通気がよい。鼻閉の程度としては吸気におけるP=100(Pa)での鼻腔抵抗値を参考とする。
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acoustic rhinometry

acoustic rhinometryではarea-distance curvesとしていくつかのノッチを形成する。1番目は鼻弁部、2番目は下鼻甲介前端部に相当する。
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櫛および棘の発生部位

①:篩骨正中板、②:鼻中隔軟骨、③:鋤骨
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1: 森山寛:鼻・副鼻腔外来.耳鼻咽喉科外来シリーズ1,メジカルビュー社,1999;179

鼻中隔彎曲(櫛)の鼻・副鼻腔CT所見

左側に彎曲した鋤骨と鼻中隔軟骨により櫛を形成している。右側に中鼻甲介蜂巣を認める。
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鼻中隔彎曲(棘)の鼻・副鼻腔CT所見

篩骨正中板、鋤骨および鼻中隔軟骨が交わる点で棘の形成を認める。
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鼻中隔彎曲(前彎)の鼻・副鼻腔CT所見

鼻中隔前端より左側に彎曲を認める。右の上顎洞炎も認める。
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術前鼻内所見およびCT所見

a:右鼻腔(観察のために鼻粘膜を収縮させている)。凸の櫛を認める。
b:左鼻腔(観察のため鼻粘膜を収縮させている)。
c:CT所見。右側に櫛を認める。
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Modified Killian切開による鼻中隔矯正術

a:modified Killian切開:左側皮膚粘膜移行部にて切開を行った。
b:鼻中隔軟骨部および篩骨正中板の左側の剝離:凹側で鼻粘膜を損傷させないよう軟骨膜下で剝離するのが、術後の鼻中隔穿孔を起こさないポイントである。
c:鋤骨左側(凹側)の剝離:鼻中隔軟骨膜は鼻中隔軟骨と鋤骨の接合部に入り込んでいるため、慎重に剝離していく。
d:鼻中隔軟骨と篩骨正中板の接合をはずし、正中板の彎曲部を切除している。
e:鼻中隔軟骨に切開を入れ、右側の鼻粘膜を剝離している。鼻中隔軟骨を切開する際、鼻中隔前端と平行に切開する。
f:鼻中隔軟骨と鋤骨との接合部で軟骨に切開を入れたところ。鋤骨は右側に彎曲しており、鼻中隔軟骨が鋤骨の右側に入り込んで櫛を形成しているのが確認できる。
g:鋤骨および右側に入り込んだ鼻中隔軟骨を一緒に切除している。この部位を切除することで鼻中隔の彎曲はかなり改善するが、軟骨が彎曲している場合は、軟骨に切れ目を入れ、彎曲を矯正する。
h:最初の切開部を縫合している。
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術後鼻内所見

a:鼻中隔矯正術後の右鼻腔所見。彎曲が改善され、鼻腔が後方まで確認できる。
b:鼻中隔矯正術後の左鼻腔所見(鼻ポリープ切除も併せて施行している)。
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術前鼻内所見およびCT所見

a:右鼻腔(観察のために鼻粘膜を収縮させている)。著明な前彎を認め、下鼻甲介等が確認できない。
b:左鼻腔(観察のため鼻粘膜を収縮させている)。
c:CT所見(冠状断)にて鼻中隔軟骨および篩骨正中板の右側への著明な彎曲を認める。
d:CT所見(水平断)にて鼻中隔軟骨の右側への彎曲を認め、鼻腔の狭小化を認める。
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Hemitransfixion切開による鼻中隔矯正術

a:左の鼻翼軟骨内側脚と鼻中隔軟骨先端の間で皮膚切開を行った (hemitransfixion incision) 。
b:鼻中隔軟骨前端を露出したところ。
c:鼻中隔左側の軟骨膜を切開し、軟骨膜下に鼻粘膜を剝離している。鼻中隔先端部では軟骨膜がしっかりと軟骨に結合しているため、通常の鼻中隔矯正術に比べ、軟骨膜下での剝離操作が難しい。
d:鼻中隔軟骨および篩骨正中板から鼻粘膜を剝離している。特に凹側では穿孔を起こさないように気をつけて剝離する。
e:鼻中隔右側の軟骨膜を切開し、軟骨膜下に鼻粘膜を剝離している。
f:鼻中隔軟骨から鼻粘膜を剝離している。本症例では左側(凹側)の剝離の際に篩骨正中板と鼻中隔軟骨の結合をはずし正中板を切除している。これにより軟骨が動くようになり右側(凸側)の剝離が容易になる。
g:鼻中隔軟骨を前方および上方に15mm程度残し、内視鏡下に最大限に採取した。
h:軟骨を採取後も前彎が残存しているのがわかる。
i:前彎を矯正するために、採取した軟骨片をトリミングし、batten graftとした。
j:batten graftを鼻中隔軟骨の左側(凹側)に挿入後、5-0 黒ナイロンにて軟骨同士を縫合し矯正している。挿入したgraftがずれないように2本のカテラン針で固定しながら縫合を行っている。鼻中隔軟骨には切れ目を入れることで矯正がしやすくなる。
k:鼻中隔軟骨とbatten graftの縫合を鼻中隔軟骨の右側(凸側)から見たところ。本症例では矯正および固定を行うために計6針縫合を行った。
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術後鼻内所見

a:鼻中隔とbatten graftを縫合・矯正後の右鼻腔。前彎の著明な改善を認める。
b:矯正後の左鼻腔。
c:切開部を5-0黒ナイロンにて縫合したところ。
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鼻中隔を構成する骨および彎曲の分類

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鼻中隔彎曲症 診断と治療のアルゴリズム

基本的には保存的治療から開始する。保存的治療については副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の保存的治療に準じた治療を行う。症状の改善を認めない場合に手術適応となる。
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鼻鏡で観察時の頭位について

第1頭位(a)と第2頭位(b)にて得られた所見を立体的に合成し、鼻中隔弯曲の評価を行う。
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1: 森山寛:鼻・副鼻腔外来.耳鼻咽喉科外来シリーズ1,メジカルビュー社,1999;14