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咽喉頭炎診断アルゴリズム

まず、急性喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍、咽後膿瘍などの緊急疾患の可能性を鑑別する。次いで、目視や内視鏡によって観察される上咽頭、咽頭、下咽頭、喉頭を観察し、発赤・腫脹などの局所所見、症状、経過から咽喉頭炎の原因の鑑別を進めていく。
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1: 著者提供

急性咽頭炎の鑑別診断

急性咽喉頭炎の原因は、非感染性のものと、ウイルスや細菌などの感染によるものとに分けられる。
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1: 青木眞. レジデントのための感染症マニュアル 第4版. 医学書院, 2020; 567, Tab.8-1.

急性咽頭炎の原因微生物

多種多様な微生物が、感染性急性咽頭炎の原因となる。
 
参考文献:
Wessels MR. Clinical practice. Streptococcal pharyngitis. N Engl J Med, 2011; 364(7):649, Table 1.
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1: 参考文献を基に著者作成

急性咽頭炎の原因微生物とその頻度

急性咽頭炎の原因微生物の鑑別表。
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1: Practice guidelines for the diagnosis and management of group A streptococcal pharyngitis. Infectious Diseases Society of America.
Clin Infect Dis. 2002 Jul 15;35(2):113-25. doi: 10.1086/340949.

咽頭炎の鑑別疾患

致命的となり得る緊急疾患、難治性、遷延性または再発性に経過する特殊感染症、自己免疫性疾患、悪性腫瘍の鑑別表。
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1: 著者提供

白色病変(膿栓・白斑・白苔・潰瘍)を伴う咽頭炎の鑑別疾患

白色病変(膿栓・白斑・白苔・潰瘍)を伴う咽喉頭炎には以上の疾患がある。
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1: 著者提供

咽喉頭にアフタ・びらんを形成する鑑別疾患

咽喉頭にアフタ・びらんを形成する咽喉頭炎には以上の疾患がある。
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1: 著者提供

上咽頭の腫脹、腫瘤性病変を形成する鑑別疾患

上咽頭の腫脹、腫瘤性病変を形成する咽喉頭炎には以上の疾患がある。
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1: 著者提供

淋菌・クラミジアの核酸増幅検査

咽頭スワブは尿道用スワブキットまたは子宮頸管用スワブキットを用いて咽頭を擦過をして検査へ提出する。うがい液は、生理食塩水15 mL前後を口に含み、顔を上に向けて勢いよくガラガラうがいを20秒ほどさせたものを清潔な容器へはき出させた後に、尿・うがい液採取キットへ必要量を移して提出する。
SDA、TaqMan PCR、TRCは、淋菌とクラミジア同時検出も、淋菌またはクラミジアのみの単独検出も可能である。TMAは淋菌とクラミジア同時検出のみ可能である。しかし、診断時の検査として用いる場合は、淋菌か、クラミジアか、問診や臨床所見からの判別は難しく、咽頭の淋菌またはクラミジア感染症が疑われる場合は、淋菌とクラミジアの両方をセットで同時に検査することを推奨する。
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1: 余田敬子. 咽頭炎・扁桃炎・⼝腔内病変とSTI. Hospitalist, 2024; 11(4): 873, 表2.

HSV-1咽頭・扁桃炎(20歳、女性)

6日前に性交渉、3日前から39℃の発熱、前日から咽頭痛あり。両側の口蓋扁桃と咽頭後壁に白苔を伴う発赤腫脹と、口蓋扁桃の周囲と口狭部粘膜に数個のアフタがみられる。上咽頭に変化はなかった。ほかに、乳暈と陰核にヘルペス疹があった。
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1: 余田敬子, 宮野良隆, 荒牧元ほか. STDとしての単純ヘルペス感染による急性扁桃炎の2例.日扁桃誌, 1993; 32: 71-5, Fig. 4.

HSV-1咽頭・扁桃炎(25歳、男性)

口蓋扁桃の発赤、腫脹、厚い白苔の付着する扁桃炎所見。歯肉口内炎も併発している。
a:両側の口蓋扁桃の、白苔の付着を伴う発赤、腫脹。
b:上下口唇の痂皮化したびらんと、舌尖部のびらん。
c:頬粘膜に生じたアフタを伴うびらん。
出典
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1: a、b: 余田敬子, 荒巻元. 咽頭疾患, ウイルス感染症. 21世紀 耳鼻咽喉科領域の臨床13 口腔・咽頭. 中山書店, 2000; 232-40, 図14.
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2: c:余田敬子. 口腔咽頭疾患でのウイルス感染. MB ENT, 2009; 99: 31-9, 図7.

HSV-1咽頭・扁桃炎(23歳、男性)

9日前から39℃の発熱、5日前から咽頭痛と眼部の皮疹あり。口蓋扁桃の発赤、腫脹、白苔を認める。歯肉口内炎、眼部ヘルペス疹もみられる。
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1: 余田敬子. 口腔咽頭疾患でのウイルス感染. MB ENT, 2009; 99: 31-9,図8.

右三叉神経第3枝領域の咽頭帯状疱疹(54歳、女性)

a:口唇の水疱と、頬粘膜の偽膜を伴うびらんが右三叉神経第3枝領域にみられる。
b:舌の右側に限局した偽膜を伴うびらん。
c、d:右顔面の三叉神経第3枝領域の疱疹
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1: 余田敬子. 口腔咽頭疾患でのウイルス感染. MB ENT, 2009; 99: 31-9, 図5.

舌咽神経領域の咽頭帯状疱疹(59歳、女性)

一見、ウイルス性扁桃炎に似た口蓋扁桃の白苔を伴う発赤腫脹がみられる(a)。この患者の扁桃の病変は片側性で、同側の口蓋に水疱を認めた(b)。
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1: 余田敬子. 口腔咽頭疾患でのウイルス感染. MB ENT, 2009; 99: 31-9, 図4.

アデノウイルス性扁桃炎(24歳、女性)

39℃の発熱と咽頭痛あり、アデノウイルスの迅速検査が陽性であった。
a:両側の口蓋扁桃の白苔の付着を伴う発赤、腫脹と、咽頭後壁の顆粒状腫脹を認める。
b:上咽頭の偽膜を伴う発赤、腫脹。
c:舌扁桃の白苔の付着を伴う発赤、腫脹。
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1: 余田敬子. 口腔咽頭疾患でのウイルス感染. MB ENT, 2009; 99: 31-9, 図13.

伝染性単核球症(26歳、男性)

EBV初感染。口蓋扁桃と咽頭側索の発赤、腫脹、厚い白苔の付着。口蓋に点状出血斑もみられる。
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1: 余田敬子. 口腔咽頭疾患でのウイルス感染. MB ENT, 2009; 99: 31-9, 図10.

伝染性単核球症(26歳、女性)

EBV初感染。12日前から口蓋扁桃の白苔に気づく。抗菌薬を内服したが白苔は増大した。白苔を伴う口蓋扁桃の発赤、腫脹(a)と、口蓋の点状出血斑(b)がみられる。
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1: 余田敬子. 口腔咽頭疾患でのウイルス感染. MB ENT, 2009; 99: 31-9, 図11.

伝染性単核球症(13歳、女性)

EBV初感染。11日前から39℃の発熱と咽頭痛、6日前から抗菌薬内服するも改善なし。厚い白苔を伴う口蓋扁桃の発赤、腫脹(a)と口蓋出血斑(b)がみられる。
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1: 余田敬子, 荒巻元. 咽頭疾患, ウイルス感染症. 21世紀 耳鼻咽喉科領域の臨床13 口腔・咽頭. 中山書店, 2001; 232-40, 図13.

咽頭結核(25歳、男性)

辺縁不整の潰瘍を認める
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1: 余田敬子. 咽頭炎. 口腔咽頭の臨床 第2版. 医学書院, 2009; p86-9, 図6.

上咽頭結核(29歳、女性)の内視鏡所見

a:左耳管隆起周囲にみられる蒼白な色調の白苔。左滲出性中耳炎を合併していた。
b:上咽頭粘膜の発赤と左側の蒼白な色調の白苔。
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1: a:余田敬子.特殊な上咽頭炎の臨床. 口腔咽頭科, 2007; 19(2): 225-34, 図3.
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2: b:余田敬子. 咽頭炎. 口腔咽頭の臨床 第2版. 医学書院, 2009; p86-9, 図7b.

クラミジア性上咽頭炎(19歳、女性)の内視鏡所見

上咽頭にアデノイド様腫瘤を認める。右耳の滲出性中耳炎を併発していた。
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1: 余田敬子. 性感染症に対する抗菌療法. MB ENT, 2014; 164: 49-57, 図9.

口蓋扁桃の白苔を伴う発赤、腫脹図

白苔を伴う口蓋扁桃の腫大を認める。
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両側上頚部の高度リンパ節腫脹図

両側の上頚部リンパ節の高度腫脹を認める。
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舌のびらんとアフタ

舌尖部を中心に複数のびらんとアフタを認める。
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1: 著者提供

右喉頭蓋谷の潰瘍

喉頭蓋舌面、下咽頭粘膜に複数のアフタを認める。
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1: 余田敬子.口腔咽喉頭科学・気管食道科学領域 咽頭に多発性のアフタがあり、咽頭痛を訴える. JOHNS, 2014; 30: 1261-3, 図2c.

咽頭部

口蓋から口狭部に複数のアフタを認める。
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1: 余田敬子. 口腔咽喉頭科学・気管食道科学領域 咽頭に多発性のアフタがあり、咽頭痛を訴える. JOHNS, 2014; 30: 1261-3, 図2b.

梅毒2期(28歳、男性)にみられた咽頭粘膜斑

口蓋垂から口蓋弓、扁桃に粘膜斑がみられる。粘膜斑は扁平で若干の隆起があり、周囲は薄い赤色の紅暈で囲まれ青みがかった白灰色で「乳白斑」とも呼ばれる。粘膜斑が口峡部に沿って弧状に拡大融合して、蝶が羽を広げたような“butterfly appearance”を呈している。
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1: 著者提供

梅毒による舌の粘膜斑(26歳 男性) 

舌の粘膜斑は、舌下側面に好発する。
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1: 田中伸明, 荒巻元, 余田敬子ほか. 当科における顕症梅毒 23例の口腔咽頭所見.日性感染症会誌, 2001; 12(1): 181-5, 図3.

梅毒2期(27歳、女性)にみられた咽頭粘膜斑

粘膜斑が口峡部に沿って弧状に拡大融合して、蝶が羽を広げたような“butterfly appearance”を呈している。
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1: 荒巻元, 宮野良隆. 鼻・口腔・咽頭梅毒. JOHNS, 1993; 9(6): 929-34, 図2.

梅毒性口角炎(34歳、男性)

口角と口角付近の口唇粘膜の白色調のびらん。カンジダ症と異なり、口角の白斑は擦過にて剥離されない。
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1: 荒牧元. 当科における口腔咽頭梅毒症例の検討. 日耳鼻感染症研会誌, 1999; 17(1): 154-7, Fig. 2.

病変部から直接HSVを検出する検査(直接法)

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1: 著者提供

咽喉頭炎診断アルゴリズム

まず、急性喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍、咽後膿瘍などの緊急疾患の可能性を鑑別する。次いで、目視や内視鏡によって観察される上咽頭、咽頭、下咽頭、喉頭を観察し、発赤・腫脹などの局所所見、症状、経過から咽喉頭炎の原因の鑑別を進めていく。
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1: 著者提供

急性咽頭炎の鑑別診断

急性咽喉頭炎の原因は、非感染性のものと、ウイルスや細菌などの感染によるものとに分けられる。
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1: 青木眞. レジデントのための感染症マニュアル 第4版. 医学書院, 2020; 567, Tab.8-1.