眼球位置異常(眼球陥凹)
右眼窩下壁内壁骨折による眼窩内容脱出による。
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指標追跡による眼球運動検査
上方視にて右眼球運動制限を認める。
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顔面骨CT画像
頬骨骨折、鼻骨骨折、眼窩内気腫など複数箇所の病変を3次元的に評価できる。
a:冠状断像
b:軸位断像
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3D-CTの有用性
3D-CTでは冠状断像に比して、右頬骨骨折の様子がわかりやすい。
a:3D-CT
b:冠状断CT
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眼窩壁骨折の予後不良因子
右下直筋(矢印)が眼窩下壁の骨折部位に嵌頓している。
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眼窩内気腫
眼窩壁骨折後に鼻をかんだことにより生じた。
a:左眼瞼の浮腫
b:左眼窩内壁骨折と眼球後方の気腫
c:眼瞼内の気腫
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Hessテスト
眼球運動障害を客観的に評価できる。
a:15度視標 と30度視標をそれぞれの眼で視認させる。
b:障害側は可動範囲を示す四角形が小さくなる。
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Hessテスト面積比による複視重症度の客観的定量化
50%より低くなると、治癒が遷延する傾向がある。
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眼窩壁骨折予後不良例
a,b:CT画像
c:初診時(Hess面積比32%)
d:術後10カ月(50%)
e:術後2年(83%)
f:術後4年(100%)
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buttress system
顔面骨における構造上強い部分であり、主として咬合に耐える構造と考えられており、顔面骨を支える柱といえる。垂直方向と水平方向にそれぞれ3つある。buttressの再建が上顎骨の持つ正常な機能や美容的形態回復の重要な鍵となる。
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複視消失時期とHess面積比
複視の客観的評価法であるHess面積比によると、値が小さいほど、複視消失時期が遷延することがわかる。
すなわち複視が重症なほど治癒が遅れる。
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鼻骨骨折非観血的整復術
成人における単純鼻骨骨折新鮮例のほとんどが適応となる術式であり、簡単に施行できる。
a:ガーゼを巻いたある程度、幅のある金属製の器具(ランゲンベック剥離子など)を使用。示指と器具の先端を合わせることにより、整復時の挿入位置がわかる。
b:鼻内に器具を挿入して、持ち上げるように力を作用させて整復する。
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経下眼瞼法
a:経下眼瞼法の到達経路(青線)と関連する主要な構造
b:眼輪筋の露出;鋭的に眼輪筋を皮膚から分ける。眼輪筋は薄いので注意。
c:眼窩中隔の露出;眼窩外側にて眼輪筋を鈍的に分けて骨膜に達する。
d:眼輪筋の切離;下眼瞼縁の下方5mmで眼窩中隔より浮かせた眼輪筋を切離。
e:眼窩内容の挙上;脳ベラを用いる。
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加瀬康弘:経下眼瞼法による眼窩壁骨折整復術のコツと注意点. 神崎仁編. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療のコツと落とし穴、鼻・副鼻腔疾患. 中山書店, 2006; 122-123.
眼球陥凹発生機序
a:ボールを眼球、水を眼窩内脂肪組織、コップを眼窩として、同量の水の入ったコップにボールを浮かせた場合、ボールの位置は同じになるが、コップの大きさが増せば水は同じ量でもボールの位置は下がる。すなわち、眼窩壁の拡大が眼球陥凹の原因である。
b:右眼窩内壁・下壁骨折例のCT画像。右眼窩が拡大し、眼球陥凹を来している。
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Enophthalmos and diplopia in fractures of the orbital floor.
Br J Plast Surg. 1957 Jan;9(4):265-74. doi: 10.1016/s0007-1226(56)80050-7.
骨折部位に生ずる外眼筋周囲の病態
受傷した外眼筋の病態が予後に強く影響する。
a:正常
b:軟部組織の腫脹のみで可逆的
c:外眼筋の震盪・挫滅を来し、回復に時間を要する。
d:外眼筋が脱出、嵌頓し、早期に整復できないと、外眼筋に非可逆的変化を残す。
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複視改善時期と眼窩壁骨折の病態
複視の消失する時期により病態が異なる。
早期改善例、中間例:外眼筋の障害がないか、軽微なもの➡手術は必要ない。
長期残存例:嵌頓などによりフォルクマン拘縮のような不可逆的な障害を外眼筋に生ずる➡積極的な整復が必要
このように、病態により推奨する治療法が異なる。
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顔面外傷-1
眼窩壁骨折(Blow out fracture、BOF)の治療法の選択で重要なのは整復術適応の有無と手術時期の決定である。眼窩壁骨折と診断後、可及的速やかに整復すべき要件として重症の複視の存在に加え、画像診断などによる外眼筋絞扼所見または若年者が挙げられる。他の例は約2週間経過観察後に複視の改善が乏しい例、眼球陥凹を認める場合には待機的整復術となる。経過観察を6カ月行っても複視の改善が十分でない場合は手術適応となり得る。
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顔面外傷-2
鼻骨骨折の場合、整復術の適応となるのは外鼻の変形により美容的な問題のある場合と鼻腔狭窄による鼻閉を来すなど機能的障害を生ずる場合である。軟部組織の腫脹により受傷直後は明らかでない鼻骨の変形が、受傷後1週間ころに明らかとなる場合がある。
頬骨・上顎骨折の場合は顔面の変形による美容的問題や咬合など顎運動障害を生じた場合に手術適応となる。軟部組織の腫脹が消褪する、約1週間後に顔面の変形が明らかとなる場合もある。
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