咽喉頭異常感と頭頚部悪性腫瘍

頭頚部悪性腫瘍には咽喉頭異常感を訴える症例が多い。

咽喉頭異常感の原因分類

咽喉頭異常感の原因は局所・全身・精神の3つに大別され、原因鑑別には種々の検査が有用である。

咽喉頭異常感の病態と愁訴の関係

心身症患者の精神療法の必要性を説明した図。

精神的検査の種類

咽喉頭異常感に対する精神的関与の検討および患者説明には質問紙法による心理テストが有効。

後鼻漏が原因の咽喉頭異常感（経鼻電子スコープ）

後鼻漏により咽喉に痰がからみ、これが咽喉頭異常感の原因となる。

喉頭肉芽腫による咽喉頭異常感（喉頭ファイバースコープ）

右声帯披裂部に赤色の肉芽がある。胸焼け・ゲップがあり胃酸食道逆流による肉芽と考えられる。

フロ－・ボリューム検査

咳嗽・痰を伴う下気道由来の咽喉頭異常感の鑑別に有用。

CMI検査と咽喉頭異常感患者

CMI健康質問表における神経症傾向（異常域：神経症+どちらかといえば神経症）を示した。

CMI健康調査表よりみた咽喉頭異常感患者の心理状態

CMI健康調査表の結果を神経症傾向、自律神経失調傾向、種々の精神的訴えの3点から健康人と比較した。女性において神経症傾向、自律神経失調傾向がみられた。

扁桃炎による咽喉頭異常感

右口蓋扁桃に膿栓が認められる（矢印）
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慢性副鼻腔炎に起因する後鼻漏

a：内視鏡にて後鼻孔から咽頭に膿性鼻漏が流下しているのが認められる（矢印）
b：副鼻腔単純CT（軸位）にて右上顎洞に陰影を認める（＊）
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局所腫瘤による咽喉頭異常感

内視鏡にて喉頭蓋の右側に嚢胞を認める（矢印）
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下咽頭悪性腫瘍

内視鏡にて左披裂部から梨状陥凹にかけて、癌が認められる（矢印）
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形態異常による咽喉頭異常感

口蓋垂過長による異物感。

下気道由来の咽喉頭異常感

サルブタモール（ベネトリン）0.5mlと生理食塩水1.5mlを超音波ネブライザーで吸入させ、前後のフロ－・ボリューム曲線の変化を調べる。下降脚後半部が改善し、患者の自覚症状も改善する。

胃酸食道逆流症に起因する喉頭肉芽腫が原因と思われた咽喉頭異常感

内視鏡にて左声帯突起後方に肉芽腫が認められる。
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喉頭アレルギーによる咽喉頭異常感

内視鏡にて両側披裂部に軽度蒼白浮腫状腫脹が認められる（矢印）。このような所見が見られるのは喉頭アレルギー症例の20％ぐらいといわれ、ほぼ正常と思われる所見が多い。
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形態異常による咽喉頭異常感

甲状腺癌の症例の場合、頚部CTで石灰化像が見られる（矢印）
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咽喉頭異常感アルゴリズム

咽喉頭異常感の原因は多岐にわたり、局所的原因、全身的原因、精神的原因に分けられる。したがって、系統立てた検査をすることが必要である。