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小児における構音障害のアルゴリズム

小児における構音障害の治療方針は、原因によりアプローチが異なるため、構音器官の器質的異常と難聴、発達障害の有無を評価する。
出典
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1: 平野友紀子:発音がおかしいと指摘されたり、訴える患者が来院したら? 高戸毅監修:医師・歯科医師のための口腔診療必携. 金原出版, 2010;108-109 

片側(左)口唇口蓋裂

口唇口蓋裂は、最も多くみられる先天性の顔面奇形で有り、発生率は400~500人に1人程度とされる。口唇のみの口唇裂、口蓋のみの口蓋裂、両者の合併した口唇口蓋裂があり、両側、片側(左が多い)ともにみられる。治療方針は施設によって異なるが、一般的に生後3カ月、5~6 Kg程度を目安に口唇裂の手術を行い、1歳頃に口蓋裂の手術を行う。その後成長に伴い、歯科矯正治療や言語訓練、口唇・外鼻の修正手術を行っていく。
出典
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1: Tim Goodacre, and Marc C. Swan:Cleft lip and palate: current management Practice points.Paediatrics and Child Health, 2012-04-01, Volume 22, Issue 4, Pages 160-168,p161 Figure 1, Elsevier, 2011

粘膜下口蓋裂

口蓋裂の一型であり、軟口蓋に明らかな裂が認められないものの、粘膜のみで薄くなっている。口蓋垂が二つに分かれ(口蓋垂裂、二分口蓋垂)、口蓋骨の後端が欠損している場合もある。鼻咽腔閉鎖不全による開鼻声がある場合は、言語訓練や外科的治療の適応となる。
出典
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1: Tim Goodacre, and Marc C. Swan:Cleft lip and palate: current management Practice points.Paediatrics and Child Health, 2012-04-01, Volume 22, Issue 4, Pages 160-168,p162 Figure 3, Elsevier, 2011

舌の萎縮

筋萎縮性側索硬化症症例。線維束攣縮と運動障害も認める。
出典
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1: 二藤隆春先生ご提供

左舌下神経麻痺

左舌下神経麻痺により、舌の左半分が萎縮し、挺舌により舌尖が左に偏倚している。
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1: 二藤隆春先生ご提供

カーテン徴候

右咽頭麻痺症例。右軟口蓋と咽頭の麻痺があり、構音時に軟口蓋は左優位に挙上し、咽頭後壁が左に牽引されている(カーテン徴候)。a:安静時、b:構音時
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1: 二藤隆春先生ご提供

舌小帯短縮症

舌小帯の短縮により、舌の運動障害が生じている先天性形態異常(奇形)。構音においては一般的に舌尖音であるラ行に影響があり、短縮が高度の症例ではダ行音に近い音になることがある。根治的治療は手術療法であるが、挺舌によって舌尖がややハート型に陥凹しても構音が正常ならば適応はない。構音障害が存在しても、原因がほかにある場合もあり、形態のみから安易に手術適応を決定してはならない。a:舌挙上時、b:挺舌時
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1: 二藤隆春先生ご提供

舌癌術後

舌部分切除後に遊離皮弁で再建した症例。本症例では軽度の構音障害のみであり、コミュニケーション上の問題はほとんどない。
切除範囲や再建法によっては、様々な程度の構音障害が生じる。[Disease:1815 舌・口腔悪性腫瘍]
口腔・咽頭癌術後のコミュニケーション能力の簡便な評価法として、会話機能評価基準がある。([ID0608])
必要に応じて、舌接触補助床の作成も検討する。([http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/pap/pap.pdf 舌接触補助床作成のガイドライン])
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1: 二藤隆春先生ご提供

廣瀬の会話機能評価

簡便な会話能力の評価法であり、家人および他人との会話における理解度を5点満点で点数化し、合計する。
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1: 日本頭頸部癌学会編.頭頸部癌取扱い規約 第6 版.金原出版,2018.

田口の会話機能評価(田口法)

聞き手が会話の明瞭度を5段階で評価する。
参考:田口恒夫.言語障害治療学,医学書院,東京:39,1966.P37
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1: 著者提供

聴覚判定にもとづく誤りの分類

置換、省略、歪みにわけられる。歪みの中には、構音操作が不十分なために音が弱くなって歪み音になるもの、鼻咽腔閉鎖機能不全のため構音時に呼気が鼻腔に漏れてしまい、音の弱音化や鼻音化が起こって歪み音になるもの、構音操作が正常と異なるため歪み音になるものなどがある。
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1: 阿部雅子:構音障害の臨床改訂第2版. 金原出版, 2008.

異常構音

構音操作が正常と異なるために生じる構音障害のことであり、通常の構音ではみられない。声門破裂音、咽頭摩擦音、咽頭破裂音、口蓋化構音、側音化構音、鼻咽腔構音などがある。
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1: 口蓋裂の言語臨床第3版.岡崎恵子,加藤正子,北野市子編.医学書院. p71-71をもとに作図.東京.2011.

主な発達途上の構音の誤り

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1: 今井智子:構音障害.綜合臨牀60増:1283-1286、永井書店、2011.P11

構音獲得時期:90%以上正しく構音される時期

出典
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1: 中西靖子ら:構音検査とその結果に関する考察.東京学芸大学特殊教育研究施設報告1:1-41,1972

鼻息鏡を用いた鼻咽腔閉鎖機能検査

「アー」などと発声したり、ブローイング(ストローで吹いてコップの水を泡立たせる)したりした際の呼気鼻漏出を計測する。鼻汁がみられるときは、検査前に鼻をかませ、「ムー」.「ンー」などと発声して呼気が鼻腔から出ていることを確認してから行う。
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1: 二藤隆春先生ご提供

構音検査

言語聴覚士による詳細な評価に使用する
(1)会話の観察、(2)単語検査、(3)音節検査、(4)音検査、(5)文章検査、(6)構音類似運動検査より構音障害の評価・診断を行う。写真は、(2)単語検査用評価シートであり、絵カードを見せながら単語レベルの音の評価を行う。
出典
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1: 構音臨床研究会編:新版構音検査.千葉テストセンター.2010.

鼻咽腔閉鎖機能検査

鼻咽腔閉鎖機能の詳細な評価に使用する。
開鼻声の聴覚判定、呼気鼻漏出による子音の歪み、鼻息協を用いたブローイング時の呼気鼻漏出の程度から、鼻咽腔閉鎖機能の判定を行う。
出典
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1: 日本コミュニケーション障害学会口蓋裂言語委員会編:鼻咽腔閉鎖機能検査-言語臨床用. インテルナ出版. 2007

小児における構音障害のアルゴリズム

小児における構音障害の治療方針は、原因によりアプローチが異なるため、構音器官の器質的異常と難聴、発達障害の有無を評価する。
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1: 平野友紀子:発音がおかしいと指摘されたり、訴える患者が来院したら? 高戸毅監修:医師・歯科医師のための口腔診療必携. 金原出版, 2010;108-109 

片側(左)口唇口蓋裂

口唇口蓋裂は、最も多くみられる先天性の顔面奇形で有り、発生率は400~500人に1人程度とされる。口唇のみの口唇裂、口蓋のみの口蓋裂、両者の合併した口唇口蓋裂があり、両側、片側(左が多い)ともにみられる。治療方針は施設によって異なるが、一般的に生後3カ月、5~6 Kg程度を目安に口唇裂の手術を行い、1歳頃に口蓋裂の手術を行う。その後成長に伴い、歯科矯正治療や言語訓練、口唇・外鼻の修正手術を行っていく。
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1: Tim Goodacre, and Marc C. Swan:Cleft lip and palate: current management Practice points.Paediatrics and Child Health, 2012-04-01, Volume 22, Issue 4, Pages 160-168,p161 Figure 1, Elsevier, 2011