軟部好酸球肉芽腫(木村病)の頸部所見
右耳下腺尾部を中心とする皮下腫瘤を認める。境界は不明瞭で、弾性軟、自発痛や圧痛は認められず、皮膚にやや紫紅色の色素沈着を認める。
出典
1:
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軟部好酸球肉芽腫(木村病)のMRI画像(軸位像)
境界不明瞭な両側耳下腺を中心とする軟部腫瘤は、T1強調像では筋肉と同程度の低信号を、T2強調像では高信号を示し、Gd-DTPA(ガドリニウム-ジエチレントリアミン五酢酸)造影では比較的良好な造影効果を示す。
a:T1WI
b:T2WI
c:T1WI(造影)
出典
1:
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軟部好酸球肉芽腫(木村病)のMRI画像(冠状断像)
境界不明瞭な両側耳下腺を中心とする軟部腫瘤は、T1強調像(T1WI)では筋肉と同程度の低信号を、T2強調像(T2WI)では高信号を示し、Gd-DTPA造影では比較的良好な造影効果を示す。
a:T1WI
b:T2WI
c:T1WI(造影)
出典
1:
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軟部好酸球肉芽腫(木村病)の病理組織像
膠原繊維からなる結合組織中に大小様々なリンパ濾胞が著しい。各リンパ濾胞間に多数の好酸球浸潤を認める。リンパ濾胞の多くは胚中心を有し、胚中心には多核巨細胞(Warthin-Finkeldey型の多核巨細胞)が出現することが多い。
a.濾胞間には好酸球性膿瘍を認める。
b.胚中心および濾胞間には小血管の増生と多数の好酸球浸潤を認める。
出典
1:
High-Yield Bone and Soft Tissue Pathology Kimura Disease. Andrew E. Horvai, and Thomas Link , 385-386 Copyright © 2012 by Saunders, an imprint of Elsevier Inc.
合理的な放射線治療とその適応に関する原案
放射線治療は、薬物治療が無効または再発を繰り返す難治症例、術後の残存病変や再発に対して適応とされてきている。
出典
1:
岡崎 篤,宇木章喜,黒崎弘正,丸野広大:木村病.臨床放射線 47(別冊):144-154,2002 (改変あり)
軟部好酸球肉芽腫(木村病)における穿刺吸引細胞診
a:穿刺吸引細胞診所見
異形を伴わない小~中のリンパ球と共に好酸性顆粒を有する多数の好酸球が混在している。
b:Warthin-Finkeldey type giant cell
c、d:リンパ球と共に好酸球の混在を認める。
出典
1:
Gabrijela Kocjan MD MB BS Spec Clin Cyt (Zagreb) FRCPath(London), Winifred Gray MB BS FRCPath , Tanya Levine MA(Oxon) MBBS RCDipPath(Cyto) FRCPath, Ika Kardum-Skelin MD PhD, Philippe Vielh MD PhD: Diagnostic Cytopathology Essentials: Expert Consult, CHAPTER 7, Haemopoietic ,Kimura's disease, p.180, Churchill Livingstone, 2013
放射線治療における局所制御率
放射線治療単独の局所制御率は70%であるのに対し、薬剤との併用、手術・薬剤との併用により局所制御率の向上が認められる。
出典
1:
岡崎 篤,宇木章吾,黒崎弘正,丸野広大:木村病.臨床放射線 47(別冊):144-154,2002
2:
加瀬康弘,池田利昭,山根雅昭,市村恵一,飯沼壽孝:軟部好酸球肉芽腫の4症例.耳喉頭頸 63 : 413-418,1990
3:
鈴木正二,藤田訓也,藤井宏江他:“いわゆる軟部好酸球肉芽腫”本邦報告症例における臨床的統計的観察.明海歯学誌 21 : 203-215,1992
軟部好酸球肉芽腫(木村病)の診療の流れ
軟部好酸球肉芽腫(木村病)は、身体所見と末梢血好酸球増多、血清IgE高値および特徴的病理組織所見をもって確定診断がなされる。治療の第1選択はステロイドによる薬物療法であり、第2選択としてシクロスポリン投与や根治切除可能症例に対しては手術療法を施行する。また、症例により第3選択として放射線療法を併用施行する。
出典
1:
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