腱板小断裂のMRIと関節鏡視所見
a:MRI斜位冠状断(T2強調画像)における腱板小断裂。腱板断端が大結節より剝離し持ち上がっている(腱板は低信号、断裂は高信号)。矢印は腱板断端。
b:実際の手術時の関節鏡視像(肩峰下滑液包後外側鏡視)。腱板断端のまくれ上がりが明らかである。
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腱板大断裂のMRIと関節鏡視所見
a:MRI斜位冠状断(T2強調画像)における腱板大断裂。上腕骨頭の上方部に低信号の腱板組織がなく、近位側に大きく後退している。矢印は腱板断端。
b:実際の手術時の関節鏡視像(肩峰下滑液包後外側鏡視)。腱板は大きく断裂しており、関節窩や、二頭筋長頭筋腱付着部および関節唇までみえる。
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肩峰下インピンジメント徴候
a:肩関節外転外旋位から内旋すると疼痛や引っかかり感を訴える。
b:その状態から患側上肢を下垂しようとすると、引っかかりによる疼痛とそれを回避しようとして肩甲骨の翼状化が同時に起こる。引っかかりが外れると疼痛が取れて下垂可能となる。
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Drop Arm Test
a:肩関節90°外転位、b:90°屈曲位、c:水平内転位のそれぞれで、抵抗をかけて挙上位を保持できるかをみる。炎症性疼痛がある場合はいずれも陽性になることが多く、意義は少ない。疼痛がコントロールできている状態でテストすると、断裂サイズがある程度予測できる。
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肩甲下筋腱の筋力テスト
a:Bear Hug Test。患側肘を胸の前に保持した状態で、患側手掌で健側肩をしっかりと押し込めるか否かをみるテスト。押し込む際に、肘が下がるようなら陽性である。
b:Belly Press Test。患側手掌で腹部を押し込めるか否かをみるテスト。腹部を押し込む際に、肘が後方に下がって脇腹についてしまうようでは陽性である。
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Cuff Tear Arthropathy
一次修復不能な腱板広範囲断裂によく合併する二次性の変形性肩関節症である。上腕骨頭は上昇し肩峰下に衝突しており、上肢挙上時に肩峰を支点として挙上を行っている状態で、腱板修復の適応はない。
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石灰沈着性腱板炎
a:単純X線写真における石灰沈着。
b:同一症例の3DCT。大結節と肩峰の間に石灰が存在する。病期により疼痛、拘縮などさまざまな症状を呈するが、炎症性疼痛の少ない時期は、典型的な肩峰下インピンジメントを呈し、腱板断裂に類似している。
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肩関節への注射
夜間痛や安静時痛を訴える炎症性疼痛の患者に対して、最も効果的なのは局所麻酔薬とステロイドの混注である。強い拘縮を伴う肩では肩甲上腕関節内に行うが(★)、腱板断裂に伴う炎症性疼痛の場合は、肩峰下滑液包内に抵抗消失法で行う(*)。*印刺入部より大結節前方部に骨に垂直に針を刺入し、いったん骨に当て、ゆっくり引き抜きながら抵抗の抜けたところで薬液を注入する。
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陳旧性の腱板広範囲断裂
断裂後、数年の時間が経過しているため、中枢部の腱板筋の萎縮が著明となる。正常肩(a)と比べると、上方の棘上筋と後方の棘下筋の筋萎縮が著明である(b、赤枠内)。
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肩腱板断裂の診断と治療のアルゴリズム
中高年者で肩関節痛を訴えて受診した場合の診断と治療のアルゴリズムである。まず、X線で石灰沈着の有無、globalで高度な拘縮(挙上100°未満、外旋10°未満、結帯L5以下など)の有無、夜間痛の有無、肩甲胸郭機能障害の有無、MRIなどによる腱板断裂の有無などを順次評価していく。
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