Badoの分類
a:Ⅰ型…尺骨骨折の前方凸転位と橈骨頭の前方脱臼が合併している。
b:Ⅱ型…尺骨骨折の後方凸転位と橈骨頭の後方脱臼が合併している。
c:Ⅲ型…尺骨骨折の外側凸転位と橈骨頭の外側脱臼が合併している。
d:Ⅳ型…橈尺骨の骨折と橈骨頭の前方脱臼が合併している。
参考文献:
Bado JL : The Monteggia lesion. Clin Orthop Relat Res 50:71-86, 1967
肘関節屈伸時における橈骨頭と上腕骨小頭の関係
肘関節の運動時、橈骨頭と上腕骨小頭の中心同士は常に対向している。
参考文献:
佐々木孝:Ⅱ Monteggia骨折,3)前腕部、各論 Ⅰ上肢,村上寶久・片田重彦編、小児の骨折、メディカル葵出版、東京、p.127~p.131,1988
前腕側面像
前腕の側面像で尺骨後方皮質のラインはまっすぐか、わずかに後方凸である(a)。このラインが前方凸である場合(ulnar bow sign)、急性塑性変形と考えられる(b)。
参考文献:
Lincoln TL, et al.:“Isolated”traumatic radial head dislocation. J Pediatr Orthop14: 454-457, 1994
単純X線側面像(受傷時)
尺骨が骨幹部で骨折し、橈骨頭が前方に脱臼している。Bado Ⅰ型のMonttegia骨折である。
出典
1:
著者提供
徒手整復後
橈骨頭は整復され、上腕骨小頭の中心とよく対向している。
出典
1:
著者提供
徒手整復後7週
尺骨は癒合し、橈骨頭は整復位にある。
出典
1:
著者提供
単純X線側面像
尺骨が骨幹部で骨折し、橈骨頭が前方に脱臼している。Bado Ⅰ型のMonttegia骨折である。
出典
1:
著者提供
後骨間神経麻痺による下垂指
母指は内転、屈曲位で、外転、伸展が不能である。示指はMP関節の進展が不能である。
出典
1:
著者提供
術後単純X線側面像
尺骨骨折部がプレート固定され、橈骨頭は整復位にある。
出典
1:
著者提供
Monteggia脱臼骨折 治療のアルゴリズム(小児)
橈骨頭脱臼と尺骨骨折の徒手整復を行う。橈骨頭の脱臼があれば、尺骨をできるだけ橈骨頭の整復方向に矯正し、外固定を行う。単純X線撮影で橈骨頭が整復位に保持されていれば、外固定で治療を行う。徒手的に橈骨頭の整復が可能であっても、尺骨骨折が不安定で橈骨頭の整復位が保持できないようであれば、尺骨骨折の内固定を行う必要がある。橈骨頭脱臼の整復を行った時点で、整復が不能(あるいは不十分)であれば、整復障害因子があるので橈骨頭の観血的整復を行う必要がある。
出典
1:
著者提供
Monteggia脱臼骨折 治療のアルゴリズム(成人)
尺骨骨折を観血的に整復する。それによって、X線透視下に橈骨頭脱臼が整復できるようであれば、尺骨骨折をプレート固定する。尺骨の整復を試みても橈骨頭脱臼が整復できない場合は整復障害因子があるので、橈骨頭を展開し整復障害因子を除いた後、尺骨骨折をプレート固定し、橈骨頭を整復する。
出典
1:
著者提供