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脊髄損傷診断のアルゴリズム

はじめに適切な外固定を行い、脊髄二次損傷を予防しながら診察を進めていく。
意識障害がある場合は、原因を確定して先にその治療を行う。
頚髄損傷では、呼吸機能障害の評価を速やかに行う。
神経学的検査は、手際よく順番に全身の評価を行う。
重篤な外傷を合併している場合には、そちらの治療が優先となることが多い。
画像検査時も可能な限り外固定を外さない。
不安定型損傷例・麻痺進行例では、緊急手術の適応である。
非骨傷性脊髄損傷例では、手術・保存いずれかの治療法が選択される。
可及的早期からリハビリテーションを開始する。
出典
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1: 著者提供

International Standards for Neurological Classification of SCI (ISNCSCI)による脊髄損傷評価基準

チャートにそって運動・知覚麻痺を評価することで、脊髄の損傷高位や程度をシステマティックに明確化できる。
現在ISNSCI 2019が最新版である[17][18]。
知覚所見の検査方法で一部改訂がある。これまでピンプリックとして先端が鋭利なピンで検査していた痛覚検査は、ダル/シャープと表記されるように安全ピンのピン先と丸い端を用いて検査する。そのほかZPPの解釈も改訂された。
詳細は[https://asia-spinalinjury.org/learning/ ASIA Learning Center]で最新版をご確認いただきたい。
出典
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1: American Spinal Injury Association: International Standards for Neurological Classification of SCI (ISNCSCI) Worksheet(https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2019/10/ASIA-ISCOS-Worksheet_10.2019_PRINT-Page-1-2.pdf)

頚椎カラー

a、b:軟性(Philadelphia collar)
c:硬性(Stiffneck collar)
いずれも前・後の2 partsからなる。カラーの辺縁は下顎骨・胸骨・後頭骨および胸椎棘突起に当たり、頚部を安定化させる。
出典
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1: Browner BD, Jupiter JB, Levine AM, Trafton PG, and Krettek C: Skeletal Trauma, Forth Edition. Elsevier, 2009: Fig. 27-9 (a, b),
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2: c:James R. Roberts MD, FACEP, FAAEM, FACMT, Catherine B. Custalow MD, PhD and Todd W. Thomsen MD :Roberts and Hedges’ Clinical Procedures in Emergency Medicine and Acute Care, 7th ed., Elsevier, 2019, Figure 46.7(B)

バックボード(スクープ)

様々な形のバックボードがあるが、図Bは患者を仰臥位にしたまま中央が開いたスクープを体の下に差し込み、すくいあげる形で乗せることができる。
出典
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1: James R. Roberts MD, FACEP, FAAEM, FACMT, Catherine B. Custalow MD, PhD and Todd W. Thomsen MD :Roberts and Hedges’ Clinical Procedures in Emergency Medicine and Acute Care, 7th ed., Elsevier, 2019, Figure 46.10(B)

Logrolling法による体位変換

頚椎カラーを着用し、頚部・体幹・下肢が回旋しないよう複数の人間が支えながら『丸太を転がす』ような形で体位交換する。
出典
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1: James R. Roberts MD, FACEP, FAAEM, FACMT, Catherine B. Custalow MD, PhD and Todd W. Thomsen MD :Roberts and Hedges’ Clinical Procedures in Emergency Medicine and Acute Care, 7th ed., Elsevier, 2019.

球海綿体反射

陰茎(陰核)を刺激すると肛門括約筋が収縮する反射。脊髄ショックからの回復が最も早い反射とされている。

非骨傷性頚髄損傷 

C6椎間板損傷および前縦靱帯損傷を伴った頚髄損傷。MRIで椎間板損傷と後咽頭腔の出血、脊髄浮腫が確認できる。変性変化のある頚椎が過伸展することで生じる。頚
出典
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1: Frederick M. Azar MD, James H. Beaty MD and S. Terry Canale MD, Campbell's Operative Orthopaedics, 13th ed., Elsevier, 2017. FIGURE 41.2

胸腰椎脱臼骨折

交通事故で受傷。T12–L1 脱臼骨折例。後方固定術が行われている。
出典
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1: Bruce Browner Jesse Jupiter Christian Krettek Paul Anderson:Skeletal Trauma: Basic Science, Management, and Reconstruction, 5th ed., Elsevier, 2015.

頚椎脱臼骨折

自転車乗車中投げ出され池のなかに頭から転落。C5椎体破裂骨折レベルで、脊髄内輝度変化がみられる。前方・後方固定術が行われた。
出典
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1: Gregory A. Mencio MD and Marc F. Swiontkowski MD:Green's Skeletal Trauma in Children, 6th ed., Elsevier, 2020, Figure 10.21.

頚椎脱臼骨折 

両側椎間関節の損傷を伴う脱臼骨折(AOSpine C6-7 type C; F4, F4; N4)。MTRIで脊髄内の広範な浮腫像を確認できる。前方後方固定術が実施された。
出典
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1: Bruce Browner Jesse Jupiter Christian Krettek Paul Anderson:Skeletal Trauma: Basic Science, Management, and Reconstruction, 5th ed., Elsevier, 2015. Fig. 32.18

頚胸移行部脱臼骨折

54歳男性 交通事故による受傷、完全四肢麻痺例。頚胸移行部のため、swimmer''s viewで撮影(a)。CT:midsagittal(b)parasagittal reconstruction(c)では両側C7-T1椎間関節脱臼、T1椎体圧迫骨折ならびに両側椎弓骨折がわかる。MRI(d)で前縦靱帯・椎間板・後縦靱帯など前後方の軟部組織損傷と、C7椎体後方で脊髄内輝度変化がみられる。
出典
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1: Browner BD, Jupiter JB, Levine AM, Trafton PG, and Krettek C: Skeletal Trauma, Forth Edition. Elsevier, 2009: Fig. 29-29.

治療期別の理学療法評価、プログラム、リスク管理のポイント

受傷後できるだけ早期からリハビリテーションを開始する。回復の各過程において、適切なリハビリテーションプログラムを実施する。
出典
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1: 佐藤貴一,白土修:理学療法 2002;19(1): 65-75.

ASIA分類に基づく知覚評価:デルマトームに対応したキーポイント

デルマトームに対応した各髄節のキーポイントの知覚を評価する。
出典
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1: ASIA(American Spinal Injury Association) E-Learning Online より改変

中下位頚髄損傷の分類(Allen分類)

出典
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1: 須田浩太:脊椎・脊髄損傷に対する手術治療.ペインクリニック 2009;30:745-757.

頚椎脱臼骨折の損傷型とステージ(Allen分類)

出典
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1: 須田浩太:脊椎・脊髄損傷に対する手術治療.ペインクリニック 2009;30:745-757.

Vertical-Compression injury(stage-3)

出典
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1: 須田浩太:脊椎・脊髄損傷に対する手術治療.ペインクリニック 2009;30:745-757.

Compressive-Flexion injury(stage-5)

出典
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1: 須田浩太:脊椎・脊髄損傷に対する手術治療.ペインクリニック 2009;30:745-757.

Distractive-Flexion injury(stage-3)

出典
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1: 須田浩太:脊椎・脊髄損傷に対する手術治療.ペインクリニック 2009;30:745-757.

Compressive-Extension injury(stage-5)

出典
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1: 須田浩太:脊椎・脊髄損傷に対する手術治療.ペインクリニック 2009;30:745-757.

51歳 男性

出典
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1: 著者提供

長坐位で前方移乗動作の練習

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1: 著者提供

78歳 男性

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1: 著者提供

脊髄損傷診断のアルゴリズム

はじめに適切な外固定を行い、脊髄二次損傷を予防しながら診察を進めていく。
意識障害がある場合は、原因を確定して先にその治療を行う。
頚髄損傷では、呼吸機能障害の評価を速やかに行う。
神経学的検査は、手際よく順番に全身の評価を行う。
重篤な外傷を合併している場合には、そちらの治療が優先となることが多い。
画像検査時も可能な限り外固定を外さない。
不安定型損傷例・麻痺進行例では、緊急手術の適応である。
非骨傷性脊髄損傷例では、手術・保存いずれかの治療法が選択される。
可及的早期からリハビリテーションを開始する。
出典
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1: 著者提供

International Standards for Neurological Classification of SCI (ISNCSCI)による脊髄損傷評価基準

チャートにそって運動・知覚麻痺を評価することで、脊髄の損傷高位や程度をシステマティックに明確化できる。
現在ISNSCI 2019が最新版である[17][18]。
知覚所見の検査方法で一部改訂がある。これまでピンプリックとして先端が鋭利なピンで検査していた痛覚検査は、ダル/シャープと表記されるように安全ピンのピン先と丸い端を用いて検査する。そのほかZPPの解釈も改訂された。
詳細は[https://asia-spinalinjury.org/learning/ ASIA Learning Center]で最新版をご確認いただきたい。
出典
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1: American Spinal Injury Association: International Standards for Neurological Classification of SCI (ISNCSCI) Worksheet(https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2019/10/ASIA-ISCOS-Worksheet_10.2019_PRINT-Page-1-2.pdf)