乳癌のT7転移
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特徴的なX線所見の例:椎弓根像の消失
T11では右椎弓根は完全に消失し、左椎弓根も描出不良である。T12では右椎弓根が消失してwinking owl signを認める。このようなX線所見から、腫瘍はT11からT12の右側に進展していることが予想できる。
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典型的な骨硬化性転移のCT所見の例:骨硬化性転移
56歳女性の乳癌の胸椎転移例。
a:CT sagittal像
b:CT axial像
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姑息的手術の例1:後方除圧固定術
a,b:T12転移により脊髄が圧排されている。
c,d:後方から脊髄(硬膜)周囲の腫瘍を掻爬してインプラントで固定した。術後に下肢麻痺は改善して、背部痛も消失した。
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姑息的手術の例2:後方除圧固定術(椎体の腫瘍も積極的に掻爬)
a,b:腫瘍は脊柱管にまで進展しており、硬膜管、右L5神経根を圧排している。
c,d:椎体部分の腫瘍も後方から掻爬して、自家骨を充填したcageを2個設置した。
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根治的手術の例1:腫瘍脊椎骨全摘術
a,b,c,d:T6転移により脊髄は強く圧排されている。
e,f,g:T6を根治的切除した。術後10年の現在も、ほかに転移はなくNEDの状態である。
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根治的手術の例2:新しい腫瘍脊椎骨全摘術
a、b:T4に転移を認める。転移巣は左椎弓から椎体にまで進展している。
c、d:切除した腫瘍椎体を液体窒素で凍結させた。それを砕いてcage内にパッキングした。
e、f:術後CT。術後、なんらほかの治療をしていないにもかかわらず、腫瘍マーカーであるサイログロブリンが減少し、その後、ヨードの内照射を施行したところ、肺転移が縮小した。術後12年の現在も元気に生存中である。
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転移性脊椎腫瘍に対する治療アルゴリズム
まずはじめに、症状と全身状態などから手術適応があるかどうかを判断する。手術は予後と腫瘍の広がりなどから、姑息的手術か広範切除(根治的手術)かを選択する。
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徳橋泰明:転移性脊椎腫瘍の診断・治療指針.中村耕三編.運動器診療 最新ガイドライン、総合医学社、2012;558